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時には小鳥のさえずりを…

時にはぶらっと 外に飛び出してみましょう
するとまるで何かに吸いよせられるように
 街の方へ にぎやかな方へ 人が群がる方へと
足が向かいがちです
そんな時は心の舵を おだやかに
それとはまったく別な方向へ 切ってみましょう
 人の行かない方へ 建物が切れた方へ 自然の方へと

自然がより豊かな方へ 歩いてみましょう
(ほんの少し木立のある小公園でもいいのです)
大きな川が近くにあれば
思いきって そこまで足を伸ばしてみましょう
(近くに手頃な小山などあればなお良いでしょう)

うるわしのこの季節
木々の葉群の鮮やかな色つや
家の垣や畑に溢れている花々の
黄や赤やのとりどりの色と形を
目に 心にしみこませましょう

時には立ち止まって 道端の名もない草花に
見入ってみましょう しゃがみこんで
心の中で そっと語りかけてみましょう
そこまで 草花と心を通わせれば
草花たちは こっそり教えてくれるかもしれませんよ
『自然は あなたが考えているよりずっと
ずっと豊かで 神秘的なものなんですよ』

川に着いたら たもとの土手に腰をおろしましょう
ゆったり流れる川面を じっと見つめてみましょう
今年の葦が 去年の枯葦を追い越して
勢いよく背丈を伸ばしていますね こちら岸でも あちら岸でも
時に川の中ほどで みごとな鯉が大きな渦を起こし
もんどり打って 川面から飛び出してくるかもしれませんよ

対岸の木立に目をやりましょう
人が犬を連れて散歩していますね
空のようすはどうでしょう
ぽっかり浮かんで 静かに流れていく雲のさまは…

頬をかすめ去る そよ吹く風を感じてみましょう

『あっ!』 小鳥がどこからか飛んできましたね
近くの石に止まりました
セキレイですね 何ときれいな小鳥なんでしょう
少しすると またどこかへ飛んでいきましたね

チチッ チチッ チュルルルルル ……
そういえば どこかで鳥がさえずっていますね
その声に 両耳をそばだててみましょう
どうでしょう 何か感じませんか
『たかが小鳥のさえずりじゃないか』 いえいえ
彼らの音色は 3次元世界をはるかに超えた
高い次元の旋律らしいですよ

(大場光太郎)

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