五月の街の詩(うた)
日盛りの街に 風がかすれた声で
遠い国の歌を歌いながら吹き過ぎる
家々の垣から木々のみどりが
顔をのぞかせ 互いに目配せして笑いあう
カラフルなよそおいの子供が
おとぎ話の森の小人のように
とある路地からふいに飛び出してくる
素敵な女性が自転車で軽快に
通り過ぎようとして
風に帽子を飛ばされる
マクドナルドの「m」のマークが
高く 日に輝いて
今にも空に飛び出さんばかり
ああ春よ 移ろいゆく時のアラベスクよ
お前は年々にやさしくたち現れ
街をみどりに染めあげて
そ知らぬ顔で去ってゆく
(大場光太郎)
| 固定リンク
「詩」カテゴリの記事
- (諷刺詩) 白カラス族(2014.03.15)
- 春風の詩(うた)(2009.03.22)
- オリオン賛歌(2008.12.18)
- 群衆の一人として…(2008.11.26)
- フォーマルハウト(北落師門)(2008.11.09)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
曇りがち、雨がちのぐずついた天気が続いていましたが、16日ようやくすっきりした「五月晴れ」の一日となりました。日は中空にまぶしく輝き、若葉、青葉が家々の庭先に溢れ、わたる風はまさに薫風、この詩のような感じの気持ちのよい日でした。
今年は春先から天候不順気味で、春めいた、うららかな日が少なく「短い春」との感が否めません。だから惜春の想いはあるものの、この日の日差しの中を歩いていると「夏は来ぬ」が実感されました。
投稿: 時遊人 | 2012年5月17日 (木) 02時32分