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雨にうたれて

 本日午後から、所用で本厚木駅周辺に出かけました。この方面に行く時は、いつもバスで行くことに決めています。車で出かけて、駐車料金がもったいないからと、駅周辺の路上に少しでも駐車しようものなら。いつ何どき駐車違反で、反則切符を切られるか分かったものではありません。実際過去に幾度か、苦い思いをしておりますから。

 さて所用を済ませて、さるビルの中から一歩外に出てみますと。何と雨がしとしと降っているではありませんか。
 『困ったなあ。傘持ってこなかったのに。』
 すぐ近くにコンビニがありウン百円のビニール傘を置いていますけれど、家に何本もあることだし。雨模様を見るとまあ当分やみそうもないが、たいして大降りでもなさそうだし…。少し迷いましたが、結局多少濡れても仕方ないやと思って、駅北口にある自宅方面バス停に向かいました。

 一番街を歩く人々も、バス停で既に同方面バスを待って並んでいる人々も、そのほとんどがちっきり傘をさしています。『まあ、何と手際のいいこと』。私が出かけてきた二時間ほど前は、うす曇り程度で、とても雨など降るような空模様には思えなかったんだけどなあ。それらの人たちは、手回しよく天気予報を確かめて外出してきたのでしょう。
 バス停のシャレたルーフの部分から、既に何人もはみ出して並んでおります。私はその後ろで、降りしきる雨に打たれながら待つこと五分くらい。「愛川町役場」行きのバスがやって来ました。私の所よりずっと先に行くバスですが、私の所は近い分同系統バスなら何行きでもOKなのです。そこで『とにかく早く乗っちゃえ』とばかりに、隣りで待っていた人たちの最後列につき直して乗り込みました。

 既に座席はいっぱいで、立ちっぱなしとなりました。そのおかげで、雨に濡れた街のようすをうかがうことができました。
 五月の雨の街。しっとりとしていて、なかなかいいものです。途中の厚木中学沿いの桜並木は既に深緑で、雨にそのみどり具合がグッと引き立って目に飛び込んできます。とある家の庭先では、早や「雨に咲く花」アジサイが咲いているのを発見しました。例の青色ではなく、白っぽい花の色でしたけれど。
こうして我がバス停で降りて。それから五百メートルほど、小降りながらしとしと降り続く雨に打たれて黙々と歩きました。
 
 「月様、雨が」と、恋人の梅松。
 「春雨じゃ、濡れて参ろう」と、大川橋蔵演じる月形半平太。
 うーむ。粋で風流じゃのう。
 それにもう一つ。
 ミュージカル映画『雨に唄えば(Singin`in the Rain)』で、ジーン・ケリーが土砂降りの雨の中で、この映画の主題歌を歌いながらタップを踊る名場面。
 そんなロマンチックな場面を思い出しながら…。それにしても、古いねえ私も。
 (大場光太郎・記)

 

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身辺雑記」カテゴリの記事

コメント

雨の午後の風景、ビデオを見るように、頭の中で想像しながら
読ませて頂きました。つり革につかまって窓の外を眺める大場様
の姿も、その中に入っておりますよ。昨日の小雨と違って、
今朝の雨は時折ものすごい音をたてています。先週金曜日、
定期的に通っている鴨川の病院まで、房総半島の真ん中を走る
急行バスに乗って出かけました。山の中の緑、淡い緑、黄色を
帯びた緑、そして常緑の濃い緑と、三色の緑に包まれた山々、
それが五月の爽やかな太陽に輝いて、見事な景色でした。
途中の田んぼの風景は、先日の大場様のご覧になった様子と同じ
早苗がそよそよと風になびいていました。こんな景色を楽しみ
ながらの病院通いも、また私にとっては一つの楽しい目標となり
ます。そして、この程度でも元気に生き続けていることへの
感謝となります。爽やかな気分を味わわせてくれる五月もあと
僅か、また雨の季節に突入ですね。憂鬱にならずに、singing
in the Rain の気分で乗り越えましょう。

投稿: れいこ | 2008年5月25日 (日) 06時45分

れいこ 様
 たび重なるコメント、まことにありがとうございます。
 このたびのれいこ様の、鴨川病院までの紀行文、私などよりずっと名文で、見事な自然描写で房総半島の豊かな自然が鮮やかに描かれておりました。
 私も今から30年ほど前、当時所属しておりました会社の旅行で(少し変わった会社で、年始の時期に)房総半島に行ったことがあります。真冬にも関わらず、かの地は温暖な気候のようで、確かお花畑に春ものの花が咲いていた記憶があります。宿泊したのは、房総の海に面した某ホテルでした。れいこ様の御文を拝読致し、そのことを懐かしく思い出しました。
 御文読ませていただき、名文家・れいこ様の本領発揮かなと感じさせられました。れいこ様には今後とも、十分に御身養生なさいまして、また何かの拙文におたよりくださいませ。

投稿: 大場光太郎 | 2008年5月25日 (日) 18時00分

以前、二木さんの「赤い靴」で大場さんの幼い妹さんが亡くなられた話しを読み、とても胸を打たれたのですが、その時のれいこ様のコメントにも感動しました。
この「雨にうたれて」でのれいこ様のコメントも、素晴らしいですね。大場さんがおっしゃるように、房総半島の“緑”の描写は見事なものだと思います。ほのぼのとした気持になります。きっと、れいこ様の人柄が表われているのでしょう。
第三者が余計なことを言ったので叱られそうですが、どうぞお二人ともお元気で、素晴らしい文章を楽しませてください。「文は人なり」

投稿: 矢嶋武弘 | 2008年5月27日 (火) 10時46分

あこがれ・・・なんて素敵な言葉でしょう。遥か彼方に置き
忘れてきてしまったような気分。ても、亡き人が大好きだった
サムエル・ウルマンの詩、青春を改めて読んでみると、年老いた
私の頭の中にももう一度憧れが沸いてきそうです。
きっと、その年令に相応しいあこがれ、それがあるに違いあり
ませんね。私だけの微笑みを浮かべ続けながら、永遠の日を
迎える日まで、と思っています。

思いもかけず、矢嶋様からのコメント拝見して、恐縮、汗顔
の至りです。有難うございました。

投稿: れいこ | 2008年6月 3日 (火) 02時13分

れいこ様
 「著作権法」をめぐって(2) で申し述べたような次第で、当初コメントくださいました、「あこがれとは」の公開も、著作権法上アウトです。そこで大変申し訳ございませんが、この度れいこ様のコメント全文を、こちらに移させていただきました。どうぞご了承のほど、よろしくお願い申し上げます。
 1日は大晴天、と喜んだのもつかの間。きのうは何と関東地方以西、「梅雨入り」だそうですね。でもものは考えようです。雨天は雨天で街も木々のみどりも…なかなか情趣があって良いものです。それに間もなく、美しいアジサイも咲きますし。
 どうぞ、れいこ様には、この時期をご健勝でお過ごしくださいませ。

投稿: 大場光太郎 | 2008年6月 3日 (火) 03時36分

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