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オリオン落下譚

  左手に背の高い木立
  右手に豪壮な天守閣をもつ古城
  僕はその真ん中の地面に立って
  そこに開けた星空を眺めていた。

  とりわけ凝視しているのはオリオン星座
  開けた空の中ほどに位置するオリオンの
  その煌(こう)たるきらめきに魅入られている。

  とその時 オリオンの聖なる配置に乱れが生じる
  オリオンを形づくる星という星が
  三ツ星のもとに集まりだしたのだ。

  ああ勇者オリオンが プレアデスのような
  なよなよとした星団になっていく…。

  僕はなすすべもなく呆然と
  そのさまを見つめている。

  と突如 せっかく集まった星が狂ったように
  古城めがけて落ちてくるではないか !

  星々は火の玉のような流星となって
  いや古城などではない
  この僕めがけてだ !

  僕は驚いて退く
  すると今まで立っていたまさにそこに
  ほとぼりが冷めた隕石のような
  オリオンの黒い星のカケがぽとりと落ちた。

  一つ また一つ 退く先々の
  僕めがけて次々と…
  僕は慌てふためいて
  古城の中をひたすら逃げまわる。

               (大場光太郎)

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コメント

 この詩も『星の荒野にて』と同じく、40代初め頃見た夢をほぼそのまま再現したものです。こういう非日常的な、さらに言えば霊夢と言っていいような夢を、その後あまり見なくなったのは残念です。

投稿: 時遊人 | 2011年7月13日 (水) 03時58分

『星の荒野にて』同様、この詩も40代初め頃見た夢の忠実な再現です。開設年の5月公開でした。なおこの詩も前回再掲載したとき(11年7月)、阿修羅掲示板に投稿されました。いつぞや同掲示板を当たってみましたが、二つの詩とも削除されていました。管理人さん、あまり「詩」がお分かりになる人ではないようです。

投稿: 時遊人 | 2016年8月 6日 (土) 03時58分

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