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私の「雨に咲く花」

 やはり「雨」といえば、今の梅雨時の雨。そして「雨に咲く花」といえば何といっても、紫陽花(アジサイ)が真っ先に思い浮かびます。
 花は花でもヒマワリのように、日が燦々と輝く中でこその花もあります。しかしそんな快晴の日のアジサイは、何となくくすんで見えます。それが一旦雨の日にこの花を見ますと、俄然色鮮やかに引き立って見えてくるから不思議です。まさにアジサイこそは「雨に咲く花」にふさわしく、雨の中で咲いているそのさまは本当にしっとりとしていて情趣たっぷり。この季節の主役の花です。
 ところでアジサイの色といえば、私としては断固「水色」です。ところが街を車で回っていると、家々の庭や垣根や畑などにアジサイはけっこう見かけても、多くは赤や白など。澄んだ水色のアジサイには、あまり出会えません。なぜなのでしょう?小学校の頃理科の実験で学んだあのリトマス反応のように、赤系統の色が多いのは、当地の土壌が全体的に酸性が多いということなのでしょうか?私にはよく分かりません。(その後調べましたら。やはり土壌の違いによって色を変えるのだそうです。但し私の思い込みとは真逆で、酸性度が強いと「青い色」、酸性度が低いと「赤い色」になるそうです。ものごと、きちんと調べないととんだ思い違いをするものです。)
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 私にとって、遠い思い出の梅雨時の「雨に咲く花」は別にあります。それは「ムラサキツユクサ」です。私が子供の頃お世話になっていた母子寮の裏の畑に、毎年梅雨時になるとこの花が咲いていたからです。
 第一アジサイなどというゴージャスな花(?)なんて、私の郷里にあったのだろうか?あるいはどこかに咲いていたのかも知れませんが、残念ながら私の幼少時の記憶にはありません。

 母子寮は各部屋とも、八畳一間に、半畳の玄関と同じ半畳の押入れ付き。同寮の東寮の一室が我が家に与えられた部屋でした。その東側に各戸に二間(約3.6メートル)幅×奥行き2mくらいの畑が割り当てられていました。その先は母子寮の東側の境界で、高い板塀がめぐらされ、その向うには民家が建ち並んでおりました。したがってその畑は、日中でもあまり日が入りませんでした。
 私の母は、花などには興味を示すタイプではありませんでした。もっとも当家の余りにも過酷な状況が、母から花を楽しむ余裕を奪ってしまったといえなくもありません。当家の畑は、もっぱら野菜類のみ。よって私の記憶の中のムラサキツユクサは、隣の畑に植わっていたものです。その花は、梅雨時になると決まって一、二株ほどが、可憐で小さな青紫色の花々を咲かせていたのです。
 こうして私の「雨に咲く花」のイメージは、雨の中で咲く花であると共に、日陰でひっそり咲く花でもあります。
 (大場光太郎・記) 

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コメント

アジサイの花は、断然「水色」「紫色」がいいですね。それが、小生の家の近くでも少なくなりました。
よく調べていませんが、土壌の関係、土の成分との関係があるようですね。以前、ミステリー映画だったか何かを見ていた時に、探偵がアジサイの花の色から土壌を検分し、それによって殺人犯の逮捕に結び付いていくストーリーを思い出しました。私は科学的ではないので不確かですが、そういう土壌の関係があるようです。
ところで以前、アジサイ(水色、紫色)は“清楚”な感じがしますねと、私の先輩で俳人である棚山波朗氏に言ったところ、彼が「いや、違うんだ。アジサイは“どぎつい”花なんだよ」と答えてきた時は驚きました。
アジサイを、ある女性のように“清楚”だと思っていたのでびっくりしたのですが、花の性質なのでしょうか? 俳人の棚山さんがそう言ったことが忘れられません。

投稿: 矢嶋武弘 | 2008年6月22日 (日) 11時44分

 矢嶋様。またコメント賜り、ありがとうございます。今回は「アジサイ」につき、よく調べもせずにただ思いつくままに述べてしまいました。矢嶋様のアジサイにまつわるお話、興味深く読ませていただきました。
 早速私も気になって、「ウィキペディア」を検索してみました。そうしましたら、やはり土壌の違いによって色を変えるのだそうです。但し私のこれまでの思い込みとは真反対で、酸性度が高いと「青が強い色」、酸性度が低いと「ピンクが強い色」となるようです。
 それにご存知かとは思いますが、いろいろ難しい要素によって花の色が様々に変わり「七変化」とも呼ばれ、その花言葉の一つは「移り気」。また同花を摂食すると中毒を起こす毒性物質をもっている…。
 俳人の棚山波朗という人(以前ある俳句誌で、その作品を読んだような記憶があります)の「どぎつい花発言」は、上記のようなことに関係があるのでしょうか?
 なお本晩あたり、矢嶋様のブログにコメントを寄せて、と思っていたのですが。いい機会ですので。事情によりまた『うた物語』へのコメント、再会させていただきました。共々『うた物語』盛り上げてまいりましょう。今後とも、よろしくお願い申し上げます。

投稿: 大場光太郎 | 2008年6月22日 (日) 14時02分

こんにちは
(雨に咲く花)大変懐かしく拝見しました。当時流行した井上ひろしの歌がリバイバルだったのを知る方は少ないのではないでしょうか。私は最初歌った女性の歌声を聞いた事があります^^

二木紘三のうた物語早速登録させていただきました。

アジサイのことですが、以前白アジサイを頂いて挿し木したところ薄紫のアジサイが咲きました。
何度繰り返しても白い花になりませんので、聞きましたところ土壌に関係があるといわれました。

先日の新聞にはアジサイの葉を食べた方が中毒をおこしたとか。。。やはり矢島様の先輩の方がおっしゃる通りどぎつい花かも知れませんね^^

投稿: おキヨ | 2008年6月26日 (木) 11時36分

 おキヨ様。またコメントいただきありがとうございました。勝手に推察致しますに、私とほぼ同世代かな?と思いますに、『雨に咲く花』の初発表時の関種子の歌をお聴きになっておられるとは。びっくりです!
 『うた物語』早速ご登録のよし。『うた物語』をこよなく愛する一人として、何より嬉しく思います。どうぞ末永くご愛聴くださいますよう、私からもお願い申し上げます。
 それに。おキヨ様も、思い出深くかつ思い入れのある歌が、きっとおありだと思います。もしよろしければ、『うた物語』にも、たまにコメントお寄せになられてみてはいかがでしょう?ご自身のその歌へのご感想なり、思い出なりを、素直にお述べになればいいと思います。(いえ、決して無理にとは申しません。)
 本日午前中、小雨がそぼ降る中厚木市内の県の役所に行ってまいりました。その玄関脇に青紫色のアジサイが、雨に濡れてしっとりと咲いていました。本当に、今が旬の花ですね。
 今後私も、折りをみてはおキヨ様のブログを訪問させていただき、たまには下手くそなコメントもさせていただきます。
 れいこ様も、矢嶋様も皆「うた物語仲間」です。『うた物語』と、お互いのブログの発展のため、今後ともよろしくお願い申しあげます。

投稿: 大場光太郎 | 2008年6月26日 (木) 16時47分

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