梅雨晴れ間
若鮎のくねり光りて釣られけり (拙句)
いやーぁ。この時期の天気というものはめまぐるしく変化して、その当日になってみなければ分かりませんね。昨夕から降り続いた雨のぐあいから、『あしたもこの分だと天気わるそうだぞ』と思っていたら。何と、それこそ目がパッチリ覚めるようなスッキリした大快晴。
「梅雨晴れ間」という季語があるけれど、今月一日に晴れてからその後うっとうしい天気続きだっただけに、まさに天の恵みとでも言いたいような爽やかな一日となりました。
輝くお天道様のもと、吸う一息一息はまるで真新しい空気を体の中に吸い込む心地。深緑のみどりのエキスにたっぷり浸った、芳(かぐわ)しい大気の一部を我が身体に取り込むつもりで深呼吸をしてみました。
今のこの時期は「衣替え」の季節であるとともに、当地では、相模川その上流の中津川の「鮎解禁」の季節でもあります。相模川のお目当ての場所には、一日の解禁と同時に、未明から東京などからも釣り人がどっと押し寄せ、同川は大賑わいだそうです。
例年であれば、前に「水田そして田植え」でご紹介しましたように、私がいつも通る中津川にも釣り人たちでいっぱいのはずなのですが。川沿いの道を通るたびに、帰りに車から降りて堤防の一角で、川の様子をしばし眺めるのを常としておりますが、今年はどういうわけか、釣り人の姿をほとんど見かけません。
確かにこのところ降り続いた雨で、川の水量もだいぶ増えて、ために流れが急すぎて鮎はとどまれない。そのためここから一キロ弱下の相模川の、もっと流れの緩やかな場所に移動しているのだろうか。それとも、神奈川県土木事務所か、地元の漁協かとの話し合いで、中津川での鮎釣りは当面禁止になったものなのか。
釣りの経験のない私には、とんと分かりませんが。例年のこの時期の風物詩が見られないのは、幾分淋しい気がします。
従いまして冒頭の句は、何年か前きょうのような良い天気の日の昼下がり、たまたま通りかかっていつもの堤防の一角に腰を下ろし、川の両岸や川中にまで入りこんで鮎釣りをしている人たちを、私はタバコ一服ふかしながら眺めていた。するとある釣り人の手が動いて、釣竿をさっと上にあげたら見事に鮎がかかっている。鮎は嫌そうに身をくねらせながら釣り上げられる。その時日を浴びた鮎の背がキラリと光った。その情景を詠んだものです。
それにしても。そうして釣り上げられる、鮎の気持ちはどんなだろう?ついそんな余計なことまで考えてしまう私は…とうてい釣り人にはなれませんね。
(大場光太郎・記)
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