見えない小鳥
よく晴れた日にぼくは
広い原っぱに出て
ぼくの胸にしまいこんでいた
見えない小鳥をそっと取り出して
両手で大切に包み込み
それからやさしく大空に放してやる。
見えない小鳥は喜んで
大きな羽ばたきをしながら
一心に空に舞い上がる。
幾分の高さまで飛んでから
ぼくを振り返り
チチッと一声さえずって
また飛翔をつづける。
見る見るうちに小鳥は
空の高みに吸い込まれ
今度は本当に
見えない小鳥になる。
(大場光太郎)
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