都会の片隅のあざみ花(1)
浜風の吹く街角やあざみ花 (拙句)
私は午後3時頃、目指す神奈川県庁の分庁舎まで、後わずかという所までさしかかっておりました。桜木町駅からここまで2キロ弱。そこそこの道のりを歩いてきました。県庁に向かう時の、いつものパターンです。
ここのところまたぐづついた天気が続いています。きょうも今にも雨が落ちてきそうな、怪しげな雲行きです。数百メートルほど、日本大通り沿いの舗道上を歩いてきました。横浜港がすぐ間近ですから、その方向(左側)からやや強い浜風が終始吹きつけてきます。5月末なのに、肌寒く感じられるほどです。
神奈川県庁は、横浜名所の一つである昭和初期建造の、レトロな感じのシックな石造りの本庁舎、それと広い通りをはさんで反対側の近代的な高層ビルの新庁舎、そしてこれから私が入ろうとしている分庁舎などに分散しております。
神奈川県とて逼迫した財政事情は他と同じで、この複雑化する社会への対応のため部署が拡大しても、改めて新々庁舎を建設する余裕などないのでしょう。そこで分庁舎は、民間ビル(日本生命横浜本社ビル)の一定スペースを賃貸しているのです。このビルの日本大通りの対面には、赤褐色の壁面の横浜弁護士会ビルがあります。
私が「県庁に行く」という場合は、ほとんどこの日生ビル4階にある県土整備部建設業課の、「建設業審査班」か「宅建業指導班」かのいずれかです。本日はさる業者の建設業許可(変更)届出書提出のために、「建設業審査班」の受付窓口の方にです。
さて、冒頭述べましたとおり、その日生ビルに接した日本大通りと直交する、少し細い車道の角のガソリンスタンドまでやって来ました。そこのとある街路樹の根元にふっと目が行きました。するとそこに、何と「あざみの花」が咲いているではありませんか!
私は多少時間的ゆとりがありましたので、少しの間その花に近づいてじっくり眺めてみました。その間舗道上を、人々が気ぜわしげに行き交っています。もちろんあざみの花ごときを、一顧だにする人は誰もおらず、そんな酔狂人はこの私ただ一人のみ。
(以下次回につづく)
(大場光太郎・記)
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