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人間VSカラス

  夜が明け初めると
  カラスは一斉に目覚めて喚き出す
  カァー カァー カァー
  
  どこか廃墟めいたビルの一角や
  魔女の骨のような木の枝に止まって
  人間よ早く起きろよ カァー カァー カァー
  オレたちハラ減ってんだ カァー カァー カァー
  欲しいのはアンタらが食い残したものだ
  生ゴミを出せ 早く出せ
  ケチケチすんなよ  カァー カァー カァー

  時にカラスは人間が空と名づけた
  果てしない奥深い領域の
  ほんのとばくちをしきりに飛び交い
  カァー カァー カァー

  人間は自身ではそんな高ささえ
  どうやっても飛び上がれない
  「知恵ある人」と自ら誉めそやしながら
  引力の法則にがんじがらめに呪縛され
  憎さ気(にくさげ)にただカラスを見上げるばかり

  「知恵ある人」が営々と築き上げてきた
  最高傑作たる大都会は今
  人間とカラスの
  全面戦争の真っ只中

  カラスは人間がいくら駆除に躍起になろうと
  街路樹の梢の闇で次々に増殖し
  人間を脅(おびや)かし嘲笑(あざわ)う
  その姿は黒々と黙示録的不気味さだ

  人間から嫌われ者のカラスと
  人間以外のすべての生き物から
  嫌われている人間との
  まさに最終戦争
             
            (大場光太郎)

 (注記)今では東京などではカラス駆除はだいぶ成果を
  あげているのでしょうか?いずれにしても、これは詩
  ですから、現実世界とは違うことをご了承ください。

  

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コメント

○ マンモスのごと大きなる心もちたし湖畔の鴉

以前、榛名湖へ出かけたときまだ氷が溶けやらぬ湖のほとりで一羽の鴉を見つけたとき作った拙歌です。孤独で美しかったのを思い出しました。

投稿: おキヨ | 2008年6月29日 (日) 12時40分

 おキヨ様。またまたコメント賜り、ありがとうございました。それに素晴らしいお歌をご披露いただき重ねて御礼申し上げます。
 そうですよね。「鴉」。古代人は、鴉を太陽神の御使いとして神聖視していたこともあったようですね。それが極まると「ヤタノカラス」。光り輝く太陽と、暗黒の鴉。およそ対極的な存在をダイレクトに結びつけてしまう、古代人の直観力、想像力。すごいと思います。
 鴉のみならず。熊、鹿、猿…。皆々時と所を得て、共存共栄。そんな本当の自然な生態系が、このガイアに一日も早く戻ってきますように。
 

投稿: 大場光太郎 | 2008年6月29日 (日) 18時31分

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