東京ビッグサイト(2)
東京ビッグサイトでのそのイベントは、船井幸雄が企画立案し、それに当時の錚々たる「精神世界の」トップリーダーたちが賛同集結し、その各人がイベントの中でセミナーを担当してくれるもののようです。そして参加者たちは入場料の何千円かを払えば、どのセミナーにも好きなだけ参加できるというようなものでした。
私は当日朝早くから、お台場の東京ビッグサイト目指して移動しました。小田急線、山手線そしてどこかの駅で新交通ゆりかもめに乗り換え、途中いくつかの駅に停車し。当日は良く晴れた夏休み中の週末とあって、ゆりかもめ車中は乗客でいっぱいでした。やはり子供づれの家族が多かったと思います。
明るい陽光の下、車窓から通り過ぎていく東京湾の風光などを眺めながら…。午前11時頃、目指す国際展示場正門駅に着きました。少し歩いて東京ビッグサイトへ。歩くにつれてその大きな外観が目に飛び込んできました。その形状といい、見た感じの素材的なものといい、何やら時代の先を行く超モダンな、それでいてどこか硬質で冷ややかな感じがする建物だなあという印象を持ちました。
しかしその時の私は、この建物を見に来たわけではありません。その中で繰り広げられている、各セミナーに出席することが目的です。
駅からの道々も、建物の外にも、そして入り口の受付で入場料を払って当日のプログラムを受け取り、中に入っても。とにかく押す押すなの人の群です。夥しいそれらの人々は、私と同じでこの日のイベントのために、どこからともなく集まってきたのでしょう。その頃では、感情的、メンタル的に少し鍛えられていたからいいものの。20代の頃だったらこんな人の波の中に入ってしまったら、それこそ周りのネガティブな気をモロに受けて、気分が悪くなりどこかにしゃがみこんでしまったことでしょう。
思えば、船井幸雄は当時60代前半。あの頃が、船井氏のパワー全開の時だったのではないかと思われます。その直前同氏は、関係者の間で大評判になった『エゴからエヴァへ』を、PHP出版から発刊したばかりでした。私は直前にこの本と、同時くらいに同じPHP出版から発刊された足立育郎の『波動の法則』を読んだことが、イベント参加の決め手になったのでした。
ともあれ。すべては船井幸雄という人の人間的魅力、パワーが、数千人をゆうに越えているであろう多くの人々を、この場所に引きつけた原動力なのは間違いないようです。
もう10余年前のことです。その日の私自身の行動は、詳細には覚えておりません。午前中お目当てのセミナーはありませんでした。そこで先ず一階に設けられた、ワークショップをだいぶ長い時間かけて見て回ったのだと思います。
特設の各ブースに、所狭しと各商品などが陳列されていました。いわゆる一般の方々にはなじみのない、「精神世界関連商品」の類いです。例えば、波動グッズ、自然食品、健康器具、アルファ波誘導装置…といった。中には欲しいものがありましたが、何せ失業中で懐がさびしくもあり、遠くまで帰るのに荷物になるのもイヤだし。結局私は、そこではただ眺めるだけの時間つぶしをしていました。 (以下次回につづく)
(大場光太郎・記)
| 固定リンク
「所感」カテゴリの記事
- 【2枚の写真】あなたはどっちがいいですか? 1986年と2011年の入社式風景(2020.10.03)
- 【乙なアウトサイダー】東大エリート学部の学生が中核派・全学連のトップに!(2018.09.09)
- 謙虚な人(byアンの館)(2017.01.09)
- 米大統領選、トランプ勝利に思うこと(2016.11.11)
- 2016新年に思うこと(2016.01.01)
「思い出」カテゴリの記事
- 日本育英会奨学金の思い出(2013.10.10)
- 懐かしき『西遊記』(2012.01.21)
- 唱歌『夜汽車』(2011.10.11)
- 40年前の市議選奮闘記(2011.07.11)
- 散り際の美学(2011.04.21)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント