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菊祭りの思い出

    菊人形男も女も美形なり   (拙句)

 きょう11月3日は文化の日です。この日は「晴れの特異日」として知られ、私も例年秋晴れが多かったように記憶しています。しかし今年、当地では残念ながら少し肌寒い曇り日となりました。
 さて「文化の日」とは言っても、当地に来て早や40年余になりますがこちらでの思い出は特にありません。やはり郷里での子供の頃が思い出されます。
 私の記憶では、11月3日をピークとしてその前後10日間くらい、熊野神社の秋祭りが行われていました。夏祭りと共に、その思い出が懐かしいのです。
 
 既に『郷里の民話・真心の一文銭』でお伝えしましたとおり、熊野神社は私が小学校1年の秋から過ごした山形県東置賜郡宮内町(現南陽市宮内)にある少し大きな神社です。
 現在では熊野大社(くまのたいしゃ)の通称の方が用いられ、日本三熊野の一つとされているようです。いざなみの命が主祭神であり、熊野三山の神々やいざなぎの尊・すさのおの尊も配祀しているようです。
 社伝の最も古い記述では、大同元年(806年)平城天皇の勅命により熊野権現の勧請を受けて再興されたとあり、それより前の国分寺建立の時に創建されたとする説もあるようです。また社伝によれば、後白河天皇即位の久寿2年(1155年)同神社に天下泰平の祈願を命じ、以降勅願所になったとも伝えられているそうです。(フリー百科事典『ウィキペディア』より「熊野神社(南陽市)」の項)

    熊野神社の 森をおい 
    置賜平野 前にして
 これは私の母校・宮内小学校の校歌(作詞:高野辰之、作曲:梁田貞)の1番の出だしです。ここに「森をおい」とありますとおり、小山の神域に隣接して、我が小学校はありました。大鳥居に到るすぐ手前参道の左隣です。いたずら盛りの4、5年の頃、友だちと昼休みなど校庭と神社の境の1m強の石垣を乗り越え、境内の小山の木立に分け入って遊んだりしていました。
 秋祭りでは、毎年この時期「菊花展」が、校庭の半分くらいを使って繰り広げられていました。私も例年、学校の昼休みや下校時などに、近隣の腕自慢が丹精込めて育てた、色も形もとりどりの見事な大輪の花を珍しげに見て回ったものでした。(そういうことから、我が郷里の秋祭りはいつしか「菊祭り」と言われるようになったものと思われます。)

 そして参道を少し南に下った、(参道に接する)広い敷地内には例年大きな小屋が建てられました。菊人形小屋です。小学校低学年から6年生まで、毎年学年単位での菊人形観覧は私たち児童の楽しみの一つでもありました。
 全国的に、今ではこのような興業は少なくなりつつあるのかもしれません。しかしご年配の方はご存知でしょう。例えば安宅関において弁慶が主の義経を打ちすえる場面や、名月赤木山での国定忠治の子分たちとの分かれの場面など…。時代物の名場面を、それぞれに人形を配してその人形の全身を菊の花で覆うのです。
 
 ここでの菊花は展覧会のような大輪のものではなく、小ぶりな花々です。それをびっしり人形に埋め込み、あたかも美しい着物のように装わせます。それが見るタイミングによって、まだ蕾だったり、パッと黄色や紅や白にいっぱい花開いていたり。
 各場面の面白さと共に、菊の花の咲き具合も楽しめるという、あの頃ならではの洒落た文化的仕掛けでした。
 確か小屋はいつも二階建てで、段を上ったり下ったりしながら、『次はどんな場面だべ』と全部で十幾つかあるうちのまだ見ぬ場面を、ワクワクしながら見て回ったものでした。
 
 (大場光太郎・記) 

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コメント

久しぶりに、宮内小の校歌を思い出したくてさがしてたらこちらに。。大好きな校歌で、またときどき口ずさんでしまうメロディーなのですが、歌詞がいかんせんあやふやで笑
一番だったか二番だったか笑
くーまのじんじゃのもーりおおいーおいたまへいやをまえにしてーわががぁっこうのあーるとこにーみーはらしとーくー、ひーざしよくーよーくまなびよーくつとめんいーざいざわーがとも!

けど、ありがとうございました

投稿: あゆみ | 2018年4月30日 (月) 17時16分

あゆみ様

 このたびはコメントいただきありがとうございました。

 あゆみ様も宮内のご出身、しかも宮内小学校ご卒業でえやったがっす。えやえや、懐かしい記事に大変ゆかりのある人がらコメントもらっておしょうしななっすう。

 と、つい思わず、最近めったに使わない宮内弁が出てしまいました。

 宮内小学校の校歌、本当に懐かしいですね。また本記事でも述べましたが、作詞:高野辰之、作曲:梁田貞という近代日本歌謡史中有名な大御所お二人が手がけてくれた校歌だけあって、歌詞もメロディも素晴らしいです。私もたまに思い出して口ずさんだりしています。純朴な田舎少年だったあの小学校時代の思い出はまるで「宝物」のようです。

 ご紹介くださった歌詞は1番ですね。さすがは『故郷』『朧月夜』『春が来た』などの名唱歌を作った高野辰之、ピカッと光る歌詞です。

投稿: 時遊人 | 2018年5月 1日 (火) 01時28分

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