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おめでとう日本一! 西武ライオンズ!!

 今年のプロ野球日本シリーズは、4勝3敗で西武ライオンズが4年ぶり13度目の日本一に輝きました。昨季は26年ぶりに屈辱のBクラスの5位に沈んだチームを、就任一年目の渡辺久信監督(43)が一気に頂点へと導きました。
 スポーツキャスターの江川卓氏が「うるぐす」で、ゲスト出演した渡辺監督以下に向って「歴史的な日本シリーズでした」と言っておりました。今改めて、第7戦までを振り返ると確かにそう実感する好試合が続きました。

 しかし、今年の日本シリーズが巨人vs西武と決まって、正直私は『日本一は巨人だろうな』と思っておりました。だから『今年のシリーズはつまんないだろうな』とも。直前に来春のWBC監督に原巨人軍監督が内定したのも、シリーズで巨人を勝たせたいがための陰謀では?と、アンチ巨人の私はそんな穿った見方もしていました。(巨人ファンの皆様。大変申し訳ありません)
 ですから、もう結果はやる前から決まっているとばかりに、例年ならシリーズだけは毎試合テレビ観戦するのに、今年に限ってはほとんど見ず、後でニュースなどでその日の結果を知るくらいなものでした。

 そんな私が『ん。ひょつとしたら、ひょっとするぞ』と思い始めたのは、本拠地で王手をかけられた西武が、敵地東京ドームでの第6戦に勝って逆王手をかけた時です。だから最終戦の第7戦は、初回からテレビで初めて見てみました。
 しかし初回の西武の攻撃で、俊足の片岡が3番中島のショートゴロでホームに突っ込みタッチアウト。方やその裏の巨人の攻撃では、ピッチャー西口のワイルドピッチでみすみす大切な先制点を献上…。どうも西武にとって嫌な流れでした。そこでテレビ観戦を止め、以後中盤までは時々ラジオをつけ戦況を確認する程度。結果巨人の2-1。今年の巨人の中継ぎ陣の出来の良さからして、『こりゃ、西武の逆転はないだろう。巨人の勝ちで決まりだな』と、その後は試合から遠ざかりました。

 ようやく11時過ぎ結果が気になり、「Yahooプロ野球」を開いてみました。その結果、びっくりです。何とタイトルが、「西武が日本一!渡辺監督1年目で頂点 日本シリーズ」とあるではありませんか!
 その後のスポーツニュースなどで見てみると。1点を追いかける8回に片岡がデットボールでガッツポーズをしながら出塁。すかさず二塁に盗塁し、栗山の送りバントで三塁へ。続く中島のサードゴロで、片岡は判断良くホームに突っ込み、ノーヒットで同点。さらに2四球で走者をためると、今シリーズ男の平尾がセンターにタイムリーを放ち勝ち越し。
 投げては先発西口を2回であきらめ、以後は石井一、涌井、星野そして最終回はグラマンが巨人打線を完璧に抑えてゲームセット。
 こうして西武ライオンズの勝利。本当に野球は「筋書きのないドラマ」です。

 しかしこんな凄い日本シリーズを演出してくれてのは、渡辺久信監督です。実は私は昨年のシーズン終了後、Bクラス転落の責任を取って辞任した伊東監督に変わって就任したのが、渡辺久信と聞いて『えっ。まさか』と思いました。彼は確かに西口や松坂の前の西武のエースではありました。現役時代は今よりスリムで、長身から投げ込む向う気の強そうな速球派ピッチャーでもありました。
 『しかしまさか、渡辺久が監督とは』。例の堤オーナーの一件以来西武球団は血迷っているんじゃないの?そう思いました。だがこれは私の完全な思い違いだったようです。いざ今シーズンがスタートしてみると、西武は予想外の快進撃。あれよあれよという間に、パリーグを制覇し、そしてこの度の巨人を破っての価値ある日本一。渡辺久を監督に選んだ、球団首脳の眼力に狂いはなかったわけです。

 それにしても。渡辺久信は、いつ監督学を身につけたのだろうか。現役時代常勝森元監督の下で、密かに学んだのだろうか。彼自身元々リーダーシップある男だったのだろうか。いずれもそうだったのかもしれません。
 しかし少し彼の経歴を調べて、『なるほど、これだな』と思い当たることがありました。それは西武からヤクルトに移った彼が、同球団から戦力外通告を受け、翌99年から日本を離れ台湾某球団のコーチとして3年間を台湾で過ごしたことです。失意と反骨心から、「どうせ日本の監督にはなれないだろうから、北京五輪で中国代表コーチになって日本代表を打ち負かしたい」との決意を胸に、海を渡ったそうです。
 「艱難汝を玉にす」。言葉もまるで通じない異国での経験から、指導者としての基礎と忍耐を学んだのでしょう。その苛酷な経験こそが、長期低落傾向に歯止めがかからなくなっていた西武ライオンズを見事蘇生させ、監督就任一年目での日本一達成という大偉業の原動力になったのではないでしょうか。

 渡辺監督という青年監督の下、西武ライオンズは見事に息を吹き返しました。指導者も若ければ、選手層も若い。西武はなにやら、第何期かの黄金時代を創りつつあるかのような予感すらしてきます。心よりそれを期待したいものです。
 おめでとう、西武ライオンズ! そして渡辺監督!
 (大場光太郎・記) 

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