田母神論文をめぐって(3)
激論 ! 田母神問題と自衛隊
11月の『朝まで生テレビ(以下「朝生」と略称)』は、11月29日午前1時20分から始まりました。いつもどおり、進行役の渡辺宜嗣(テレビ朝日アナウンサー)と長野智子(フリーキャスター)のあいさつから始まりました。今月のテーマは「激論!田母神問題と自衛隊」。進行の二人の紹介で、テーマ曲に乗って、これもいつもどおり今回のパネリストの面々が登場します。
姜尚中(カン・サンジュン、東京大学大学院教授)、森本敏(拓殖大学海外事情研究所所長)、西尾幹二(評論家)、田岡俊次(軍事評論家)などの論客に加えて、平沢勝栄(自民党・衆議院議員)、浅尾慶一(民主党・参議院議員)、辻元清美(社民党・衆議院議員)などの政治家など総勢13人が次々に着席します。最後に20余年前からほぼ変わらず司会をつとめている田原総一朗が着席して、朝方4時過ぎまでの長丁場の討論のスタートです。
この中で森本敏(もりもと・さとし)が保守派筆頭格の論客とすれば、片や姜尚中はリベラル派筆頭格の論客といえましょう。このように意見の違う互いが毎回、司会の田原を中心に右と左に分かれて座り、一つのテーマに対して、右と左、保守と革新、与党と野党…という対立図式で激論を戦わせ合う構図です。
このように、対立し合う者や陣営が予めなければ「討論」は成立しないわけで、一つのテーマをめぐって違う見解を持つ各パネリストが激論を戦わせ、そのテーマに潜む問題点を、視聴者並びに会場で討論の行方を見守る50人ほどの若者たちに浮かび上がらせようという試みのように思われます。
私はほぼ毎回、月1回の『朝生』を見てきたつもりです。しかしその都度テーマも違えば、出席パネリストの顔ぶれも違います。時にはあまり関心が持てずに、早々とスイッチを切ってしまうこともあります。そんな中で今回のテーマは関心のあるテーマでもあり、それに久しく出ていなかった、姜尚中や森本敏という当代きっての論客が出ているとあって、最初から興味深く画面に見入りました。
と申しましても、午前3:30頃からさすがに眠気を催し寝てしまいました。目が覚めたのが朝方の5時過ぎ、『朝生』はもちろんとうに終わっていました。ですから、今回の討論全体を通して見たわけではないことをお断り申し上げておきます。
先ず司会の田原総一朗から、今回のテーマである「田母神論文」について、「これはひょっとして、言論によるクーデターなのではないか?」とか、「このような論文が防衛省のトップに近いところから出てくるということは、日本は今重大な分岐点に差しかかっているのではないだろうか?」という趣旨の問題提起がなされました。
そして同論文の要点として、6項目が列記されたパネルを掲示し、その一つ一つについて、以後しばらく各パネリストが見解を述べ合ったのだったと記憶しています。
私はその6項目をメモしました。多少私なりの肉付けをしたものを、以下に列記します。
(田母神論文の要点)
(1)19世紀以降、我が国が相手国の了承を得ずして、相手国の領土に軍を進めたことは一度もない。
(2)当時の中国国民党総統の蒋介石(しょうかいせき)は「コミンテルン」に操られ、国民党内部には多数の中国共産党員がいた。蒋介石(とコミンテルン一味)によって、我が国は日中戦争に引きずり込まれたのである。(注 「コミンテルン」とは、共産党の国際組織のこと)
(3)当時アメリカ大統領だったルーズベルト政権にも多数のコミンテルンがいた。よって太平洋戦争は、我が国がルーズベルトの罠にはめられた結果起きた戦争である。
(4)多くのアジア諸国が、太平洋戦争における我が国の戦争行為を評価している。
(5)我が国が侵略国家だというのは、まさに濡れ衣である。
(6)極東軍事裁判は、勝者が敗者を裁いた不当な裁判である。同裁判に日本国民はマインドコントロールされていて、60年後の今日もそれに惑わされている。
(以下次回につづく) (大場光太郎・記)
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