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けふ冬至


    おふくろの冬至かぼちゃはもう食へぬ   (拙句)

 きょうは二十四節気のうちの「冬至」です。あらためて申すまでもなく、一年のうちで昼が一番短く夜が最も長くなる日です。これは太陽黄経が270度になり、北半球では太陽の南中高度が最も低くなるためです。(逆に南半球ではこの日は夏至であり、南半球にとっての冬至は北半球での夏至と真反対になります。)

 確かに盛夏の頃、日は最も中天高くギラギラまぶしく輝いていました。それが秋分の日を過ぎた頃から太陽は真東からやや南寄りの方角から上り、真西からやや南寄りの方角に沈むようになります。そして冬至のきょうは、日の出、日の入りが最も南寄りになります。
 例えば当地の日の入りを例に取るとよく分かります。というのも、既に何度も述べましたとおり、西の方角にはでんと大山の秀峰そしてその右側(北の方角)には丹沢連峰が連なっているからです。盛夏の頃、日はずっと北寄りの丹沢連峰の中ほどの一峰に沈みます。それが今の冬の季節には、日は大山よりも更に南に寄った左手の方角に沈みます。

 ちなみに大気が澄み切った今の季節、平塚市との境辺りまで車を走らせますと、大山の左の方遠くに、3、4合目から上のほぼ完全かつ秀麗な富士山の姿を望むことが出来ます。
 山形の田舎町で生まれ育った私は、当地で初めて富士山の全貌を目にした時は、感激というよりは『まさかこのオレが富士山を間近で見られる土地に住むことになるなんて』と、一種奇異な感がしたものでした。

 冬至のこの日、我が国では冬至粥(小豆粥)や南瓜(かぼちゃ)を食べ、柚子湯(ゆずゆ)に入ると風邪をひかないと言われています。昔々冬至の頃は、食物は枯れ動物は冬眠に入っていなくなり食物が手に入りにくくなりました。そのため昔の人々は、冬の生活に不安を感じていたのでした。そこで無病息災を祈るためと野菜の少ない季節に栄養を補給するためかぼちゃを食べたり、その香りに邪気を祓う霊力があるとされている柚子の風呂に入って冬至の夜を過ごしたもののようです。
 また柚子湯の謂れとしては更に、冬至を「湯治(とうじ)」と掛けて生まれた習俗でもあるようです。柚子自体にも意味があり、「融通(ゆうずう)が利きますように」という願いも込められているそうです。

 私は柚子湯は滅多に、そして今もって当地の「冬至かぼちゃ」がどんなものなのかよく分かりません。私の冬至かぼちゃはもっぱら、亡き母がこの季節になると作ってくれたものです。私の地方では俗に「小豆(あずき)かぼちゃ」と呼んでおりました。かぼちゃと小豆を一緒に煮込んで、適量の砂糖を加えてほど良い甘さ、ほどよい柔らかさにして食べるのです。

 おふくろは本当に無学な百姓女でした。しかし料理は好きな人で、当地に来てからも郷里に伝わる料理をせっせと作っては、私という出来の悪い息子に食べさせてくれました。
 今となっては、ただその一事だけでも、亡母には感謝、感謝です。

(追記) 本記事をまとめるにあたり、フリー百科事典『ウィキペディア』の「冬至」の項。また『日本文化いろは事典』の「冬至」の項を参考にしました。
 
 (大場光太郎・記)

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