« “ブログ”について(2) | トップページ | 検索フレーズランキングあれこれ »

朝青龍優勝に思うこと

 大相撲の初場所で朝青龍が優勝しました。
 場所前は「本当に出場出来るのか?」から始まり、「出てもどうせ途中休場、引退も時間の問題だろ」と、誰もが思っていました。それがどうでしょう。初日稀勢の里戦で辛くも勝ってから、あれよあれよの14連勝。途中からは「引退」を口にする者は誰もいなくなり、逆に「朝青龍の優勝か !」の文字さえ躍るようになりました。

 朝青龍も、よほど今場所に期するものがあったのでしょう。初日から目の色が違っていました。また余人にはうかがいしれないものの、三場所休場横綱のプレッシャーもかなりあったのかもしれません。万感胸に迫ったのか、8年ぶりという横綱同士の優勝決定戦後のインタビューで、今ではすっかり「国民的ヒール(悪役)」となった感のある朝青龍の涙を初めて見ました。「朝青龍は帰ってきました !」という挨拶には、『おっ、これで少しは横綱としての自覚が芽生えたか?』と思わせられました。

 これで通算23回目の優勝、平成の名横綱・貴乃花を抜いて歴代単独4位。3位の北の湖を後2回で抜きます。場所前は「限界説」も噂されましたが、相撲界では28歳は既に高齢の部類なのでしょうか。単純には比較できないものの、米大リーガーの松坂大輔と同年代です。初場所の取り組みを見る限り、『ひょっとして、大鵬の32回だって抜けるんじゃないの?』と思ったのは私だけでしょうか?

 朝青龍本人はもとより、日本相撲協会も笑いが止まらないようです。なにせ場所前から朝青龍問題で話題沸騰、場所中もおかげで連日の満員御礼。近年下降気味のNHK相撲中継も、久々に20%と回復したとのことです。
 ともかく、初場所の大盛り上がりから、「朝青龍人気」がいかに絶大なものであるかを、改めて実感させられました。

 相撲協会や横審なども「朝青龍様々」である以上、「横綱の品格云々」は今後声高に言いずらくなるかもしれません。そもそも「日本人力士がからきしダメだから、それじゃあ外国人を…」となった時から、その辺はある程度折り込み済みのはずだったのではないでしょうか?
 
 しょせん、日本とは文化も風土も違ったお国の力士たちです。特に朝青龍は、モンゴル草原の遊牧騎馬民族出身です。チンギスハーンの大蒙古帝国は、今でも西欧人の潜在意識に恐怖心が残っていると言われているほどの勇猛な民族性です。そりゃあ、根っこからして違いますよ。2千年このかた農耕定住民族だった日本民族とは。だから強いわけです、朝青龍も白鵬も。方や民族性が全面に出て、方やそれが潜在しているけれども。
 「管理社会」をすんなり受け入れる民族性と、『そんなのクソ食らえ !』と内心思っている民族性の違い。私は「横綱の品格問題」の根底には、こんな文化の違いが横たわっていると思います。

 最後に。朝青龍が復活しようがしまいが、大相撲は難問山積であることに変わりありません。八百長疑惑、大麻事件、新弟子暴行死事件、協会の不透明なカネの使途の問題、興業化し続ける国技の問題…。
 そんな中で、特別相撲ファンでもない私が憂慮するのは―。やはり肝心であるはずの、強い日本人力士が育たないことです。新弟子志願者そのものが、年々減少していますし。相撲ファンが本当に待ち望んでいるのは、朝青龍のような借り物の横綱ではない、往年の大鵬や千代の富士や貴乃花といった自前の横綱だと思うんですけど…。
 (大場光太郎・記) 

|

« “ブログ”について(2) | トップページ | 検索フレーズランキングあれこれ »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

やはり本当に心配なのは、日本人力士が弱いということです。新弟子検査を受ける若者も減っているし、学生相撲に進んで様子を見ている感じです。
今の若者は相撲を“ダサイ”と見ているのでしょう。昔は貧乏人の子だくさんだったので、とにかく飯を食うために相撲取りになる若者が大勢いて、ハングリー精神も旺盛だったでしょうが、今はダサイ相撲に賭ける意欲はないようです。外国人力士の方がハングリー精神はずっとあるように思います。
相撲は国で「国技」と決めているわけではなく、日本相撲協会がそう宣伝しているだけです。日本的な「格闘技」と割り切った方が自然かもしれません。
強い日本人力士が現われるのを待望しますが、時代の変遷でそれも危ういかなと思ってしまいます。

投稿: 矢嶋武弘 | 2009年1月27日 (火) 16時03分

 深夜貴ブログ訪問しましたら、たまたま同じく「朝青龍問題」を取り上げていましたね。相撲に造詣の深い貴兄の記事、興味深く読ませていただきました。
 今の若者が相撲を「ダサイ」と感じているというのは、そのとおりかと思います。彼らにとっての憧れのスポーツは、何と言ってもサッカーであり野球でしょうから。それに力士たちの体型がまた、今の若者にフィットしないのかもしれませんし。
 また、相撲を「3K労働」と見ているのかもしれません。そうなると他の3K労働業界が外国人の手を借りなければ仕方ないように、相撲も同じことなわけです。(あれっ。サッカーもプロ野球も外国人がいるから、やっぱり3Kか?でも両方とも、あくまで彼らは助っ人の立場で、主役ではない)。そうなると益々、強い日本人力士の出現は難しくなりそうですね。
 貴乃花親方 ! 強い日本人力士を早く育てて !
 

投稿: 大場光太郎 | 2009年1月27日 (火) 18時08分

この記事へのコメントは終了しました。

« “ブログ”について(2) | トップページ | 検索フレーズランキングあれこれ »