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よくやった ! 渡辺喜美

 どろんと澱んだような閉塞感漂う政治状況の中で、久々に面白い動きがありました。きのう13日の渡辺喜美(56)元行革担当大臣の自民党離党です。
 渡辺喜美は昨年末の衆院本会議で既に、民主党が提出した衆院解散決議案に賛成していました。対してその時党執行部が下した処分は「戒告」という、極めて軽いものでした。その頃渡辺が主張していたのが、
 「今の閉塞状況を打破するには、解散・総選挙しかない」
 「麻生内閣は解散・総選挙を期待されて始まった。原点に戻った方がいい」
というものでした。

 これはまさに渡辺喜美の言うとおりで、いざ政権に就いてみると少しでも長く権力の座に止まりたくて、敗北しそうな選挙から逃げまくっている麻生首相の、痛いところを衝いているわけです。渡辺は党の処分などものともせず、更に1月5日麻生首相あてに、①早期の衆院解散②定額給付金の撤回③国家公務員人件費2割カットなど7項目の政策要求を提出しました。そしてその時、「速やか、かつ真摯に検討されなければ自民党を離党する」とキッパリ言明したのです。

 去年初秋のリーマンショック以来、株価は暴落し続けるは、円高は進むはで、我が国も各方面で大変深刻な状況です。麻生総理自らが「百年に一度の危機」ということを口にするくらいの認識があるのなら、就任早々(解散・総選挙が嫌なら)実効性ある政策を片っ端から実行し具体的な成果を示して、国民を安心させるべきなのです。
 具体的な政策実行力がないのなら、国民を不安に陥らせる上記のような言葉は言うべきではありません。いやしくも国のトップリーダーならば、国民に勇気と希望を与える国家ビジョンや明るい展望を語るべきものなのですから。

 だから渡辺喜美の提言は一々正論であり、もっともなのです。むしろ造反議員から言われる前に、現政権として既に着手すべきだったことばかりです。しかし当然といえば当然ながら、麻生総理はじめ各閣僚、党幹部の反応は冷ややかなものでした。
 党としても、渡辺喜美の離党はすでに折り込み済みだったようです。問題はそれを渡辺の単独行動にとどめ、他に同調者が出ないようにすることでした。そのため中堅、若手に対しては、派閥からの締めつけや党執行部からの「選挙で公認しないぞ」という脅しをかけたようです。それで昨年末は活発だった反麻生の動きもぴたっと止まりました。
 しかし昨日の衆院本会議では、‘08年第2次補正予算案採決をめぐって、渡辺の他に松浪健太議員が途中退席しました。

 松浪議員は麻生内閣の内閣府政務官だっただけに、その造反行為は党としてもショックだったようです。松浪は「渡辺元大臣と同一歩調を取ったわけではない」としていますが、これでやはり中堅、若手を中心に、党や麻生総理への不満が以前くすぶっていることが明るみに出たわけです。
 最新の内閣の支持率が、各社世論調査で軒並み20%を切っています。党首脳部は「今回は上昇するだろう」と見込んでいただけに、これも大ショックだったようです。支持率の低落傾向に歯止めをかける、何か有効な政策を打ち出せるのか。もし今後とも低落が続くようだと、造反議員が更に増えるのは確実と見られています。

 あの郵政選挙時、小泉元首相の「郵政民営化、イエスかノーか !」というワンフレーズだけで確保した、安定多数の自公衆議院現有議席。以来国民に信を問うことなく、その数の上に乗っかり、安倍、福田そして麻生と3代も政権が交代しています。
 福田政権でも「2/3による衆議院再可決」が使われました。今回麻生総理もまたその手を使おうとしています。しかしその前に「17人の造反者」が出れば、その伝家の宝刀は使えず、その時点で麻生内閣はジ・エンドとなります。
 
 株暴落で悲鳴を上げている投資家たちは、「その最大の要因は麻生政権」と言っているそうです。投資家ならずとも、深刻な状況下そう考えている国民は多いのではないでしょうか。
 その意味では、すっかり「良い子ちゃん議員」ばかりになった中で、久しぶりに閉塞的状況に風穴を開けてくれた渡辺喜美の反骨精神に拍手を送ると共に、同議員の今後の益々の活躍を祈りたいものです。
 (大場光太郎・記)

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