イスラエル爆撃・考
それでなくても多事多難が予想される2009年の幕開け。そんな中「世界の火薬庫」中東で、また厄介な出来事が起きています。イスラエルによる、パレスチナ自治区ガザへの無差別とも思われる爆撃です。大規模空爆を開始したのが去年12月27日、新年1月3日には地上侵攻が開始されました。
現在把握できている死者数だけで800人弱(イラク戦争時もそうでしたが、実際の数はこんなものではないでしょう)。死者の40数%は女性と子供、一説では子供の死者数が全体の1/3にも上るそうです。今や国連の運搬車や救護車まで狙われ死者が出るなど、同地区への医療や食料などの救援活動も滞りがちだそうです。
アフガンの月にムンクの叫びかな (拙句)
これは、‘01年10月からのアメリカ軍によるアフガニスタン侵攻の時に、『一体なぜなんだ ! 』と思わず詠んだ句です。
圧倒的な軍事的優位を誇る強者が、弱者の国や地域に容赦ない攻撃を加える。そして常に進化し続ける最新兵器の実験場とばかりに、他国に雨あられの爆弾を浴びせ無辜(むこ)の多くの人々が殺戮され、国土が破壊されていく。今回の攻撃の名目は、「そもそもハマス(イスラム原理主義組織)が先にイスラエル領土にロケット弾を発射したからだ」というものです。
こうして人類史上数千年間止むことなく続いてきた、「目には目を、歯には歯を」という報復の論理が「何十倍、何百倍返し」となって、21世紀の今日より尖鋭化しているわけです。
今回の戦闘に対して、いやイスラエルがらみの問題に対してはいつも、国連もアメリカもその属国(これは失言!)ではなく同盟国である我が国政府も、なぜかイスラエル寄りないしは傍観的立場です。まだしっかり職にとどまっていたブッシュやライスは、「イスラエルの自衛の権利」を改めて強調するスタンスです。エジプトが停戦に向けた調停努力を続けていますが、それに対してブッシュは「調停がうまくいくとは考えられない」と無責任な発言もしています。
だから8日国連安全保障理事会が公式協議を開いて、「ガザ地区での即時かつ恒久的な停戦」を求める決議案にも、他の理事国はすべて賛成(14)の中アメリカだけは棄権なのです。そして肝心のイスラエル自身が決議案採択に否定的つまり無視の姿勢で、直ちに停戦に結びつくものではなさそうです。
話は変わりますが―。
現イスラエル国家は実は、多民族国家であることをご存知でしょうか。そもそもユダヤ人の基本的な定義とは、「ユダヤ教を信じている人間」のことを指しますが、同国領内にはユダヤ教のみならずキリスト教徒やイスラム教徒も存在します。
その中でユダヤ人は550万国民の約81%を占めるといわれていますが、上記のように「ユダヤ人」とは極めて広い概念であり、同国のユダヤ人の中には欧米系もロシア系もアジア系も黒人系もおります。
そもそもイエス死後数十年でローマ帝国によって滅亡させられ、以後1900年もの長きにわたって諸国にディアスポラ(離散)していた元々のユダヤの民は、生き延びるためにその間かなりの混血を重ねてきています。ナチスのユダヤ人強制収容の基準は、「1/4だけユダヤ人の血が流れていること」というあいまいなものだったそうです。そしてそれすらも、17世紀以前まで遡ってたどるのは至難なようです。
厳格に戒律を守り通して、始祖アブラハムやヤコブの血流を守り通してきたのは、現イスラエルの中でもわずか数パーセントにすぎないと言われています。今の現イスラエル国家の中枢に食い込んでコントロールしているエリートユダヤ人は、主にドイツや東欧系白人のようです。
ちなみに、我が国で「日ユ同祖論」を語る時のユダヤ人とは、もちろんアブラハム、ヤコブにまで遡れる人たちを指しています。
19世紀後半から始まった、パレスチナの故国に還ろうという「シオニズム運動」を陰に陽に支援してきたのが、当時の大英帝国であり米国でした。その結果「ユダヤ教徒」たち(「真正ユダヤ人」と言うことではありません)は、1949年念願のイスラエル共和国を建国することが出来たのです。
ついでに申せば、通常「ユダヤ系財閥」と言われアメリカの「蔭の政府」とも言われているロックフェラー家も、当然元々の真正ユダヤ人ではありません。第二次世界大戦直後、戦後の国際機関として国際連合が新たに発足しましたが、ニューヨークの現国連本部の広大な土地を提供したのがロックフェラー財閥です。
これでなぜアメリカがイスラエル建国以来、莫大な資金や最新鋭兵器を援助し続け、国連決議などまるで無視したイスラエルの好き勝手な行動を黙認してきたのか、その理由の一端が垣間見えてこないでしょうか?
(ロックフェラーについての余談。あの9・11に当たって、倒壊したWTCビル内には、数千人のロックフェラー系企業の社員たちが勤務していました。しかし同社員で犠牲になった者はほとんどいません。なぜでしょうか?実は同社員たちには、当日は出社せず自宅待機するよう事前に通告が出ていたのです。それに同事件には、イスラエル秘密情報機関・モサドの影もちらついています。)
(大場光太郎・記)
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