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K-20怪人二十面相・伝

 以前『K-20怪人二十面相・伝のこと』で、この映画は是非観てみたいと記しました。本日観てまいりました。
 感想を簡単に述べるとすれば―。いやあ、観てよかった ! 久しぶりで冒険大活劇を観て、スカッとした ! こんなところでしょうか。

 寂しいことに本厚木駅ミロードⅡ内の映画館が10年くらい前に閉館となり、当市で後残っている映画館は駅から少し行った、パルコ内の映画館一館だけになりました。そして『K-20怪人二十面相・伝(以下『K-20』と略称)』はその館では上映しておらず。こういうことが私が映画館から遠ざかっていた理由ですが、今回は『K-20』観たさにお隣の海老名市に向いました。
 夕方5時過ぎ。小田急の急行で次の海老名駅で降りて、徒歩五分くらいのサティ2階に目指す上映館はあります。何しろ10年以上映画館から遠ざかっていたとあって、少しまごまごしながら『K-20』上映スクリーンに入りました。
 
 座席は最前列から4列目の中ほどの席。上映中私の前には誰も座りませんでした。ぐるっと館内を見渡しても、20人足らず。『土曜日の夕方だから混むんじゃないの?』は、全くの杞憂でした。
 開演は5:45。『マンマ・ミーア !』『感染列島』『二十世紀少年』など6、7本の長い予告編。予告編であまり前過ぎて、ワイドスクリーンのスピードの速いシーンなどでは、けっこう目と神経が疲れることに気がつきましたが、後の祭りです。8:15までの長丁場、『途中で気分でも悪くなんないだろうな』と心配しましたが大丈夫でした。

 以前の記事でも触れましたが、時代背景は昭和24年。しかも昭和16年12月8日真珠湾攻撃とはならず、同日米英と条件が折り合い講和が成立し、太平洋戦争は起こらなかったという設定です。
 代わって以前からの華族制度がいよいよ強まり、職業選択の自由はなし、結婚も同階級同士でないと認められない、一部の上流階級と一般庶民の間の格差が激しい社会です。
 導入部で、映画の舞台である架空首都・帝都の上空を何機かのヘリコプターが飛びます。カメラが同時に回され、帝都の状況が紹介される仕掛けです。戦争がなかったものの、やはり古い時代がかった低層建物群が連なっています。その中に2つの群を抜いて突出した建造物が現われます。一つは帝都タワーとでも言うべきテレビ塔です。この映画は「日本テレビ開局55周年記念映画」だそうですから、そのシンボリックタワーといったところでしょうか。もう一つは、この映画で重要な意味を持つことになる羽柴財閥の巨大ビルです。

 これから観てみようという人もおられると思いますしまた紙面の都合もあり、ストーリーの逐一のご紹介は止めにします。
 とにかく、映画館のワイドスクリーンから飛び出してくる映像の迫力は圧倒的です。金城武演じる主役の遠藤平吉が、高い建物や鉄塔をよじ登ったり飛び降りたりするシーン、K-20(怪人二十面相)との何度かの格闘シーン、松たか子演じる羽柴家令嬢が操縦する小型ヘリで、平吉も一緒に乗って帝都上空を飛び回るシーン…。まるで私自身がその場にいて、実際その行動をしているような臨場感がありました。

 あまりにCG(コンピュータ・グラフィックス)を駆使されると、リアリティを欠いた単なる絵空事になりかねません。しかし『K-20』では、それが実に効果的に使われています。なるほどCG技術の進化がなければ、ここまでの迫力ある映像は描けないよなあ、と思わせられました。
 CGの元祖そして本場は「ハリウッド映画」です。しかし以前ご紹介したように、佐藤嗣麻子監督が「日本でも海外でも、こんな映画は観たことがないというものに仕上がった」と自信のほどを見せていたように、同映画の良い点はしっかり吸収して取り入れながらも、同映画の「独特の臭み」から脱した独自性が随所に見られたのも嬉しいところです。
 こういう邦画は、宮崎アニメなどと共に「日本発の文化」として、広く諸外国でも公開してもらいたいものです。

 『K-20』の主役である遠藤平吉役の金城武は、見直しました。サーカスの曲芸師という役どころですが、とにかく存在感抜群です。さすが国際的中国映画『レッドクリフ』で、諸葛孔明役という大役を任されただけのことはあります。(観ないと言っていましたが、こちらも観てみたくなりました。)
 今回の『K-20』では、アクションシーンがふんだんにあり、「アクションができれば、ジャッキー・チェン以上の素材」というF・コッポラ監督の金城評は、この作品で証明されたのではないかと思われます。金城武は、役者として国際的スターとして、『まだまだ伸びシロ(可能性)がありそうだぞ』とうならされました。

 天知茂の渋くてニヒルな明智小五郎像を知っている者には、若い仲村トオルの同役には最初違和感を感じました。しかしストーリーの展開と共に、気にならなくなりました。
 松たか子という女優の演技を観たのは初めてくらいですが、財閥の令嬢葉子役はなかなかさまになっていました。登場して間もなくくらいのドレス姿は、ほれぼれするような美人度でした。またサーカス団の団長でその実泥棒の元締めでもある源治役の国村隼、その妻役の高島礼子も、なかなか良い味を出していました。
 
 帝都の光景、源治たちのバラック長屋、浮浪児たちが寝泊りする原っぱ…。全編にオールディーズなノスタルジックジャパンが見事に再現されていたのには、さすが感心しました。
 この映画のラストでは、「K-20は誰か?」という答えも用意しています。それは…。おっと、それを言っちゃあお終いですね。
 とにかく観終わってスカッとした開放感が味わえました。日頃のストレス発散にはもってこいの映画です。元気とやる気がもらえます。皆様も、「ご用とお急ぎでない方は」ご覧になってみてはいかがでしょうか。
 (大場光太郎・記) 

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