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『天地人』について(3)

 『天地人』への批判色濃い内容ですが、これも同番組への愛情とお取りください。
                         
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 何日か前ある人が「天地人 おもしろくない」という検索フレーズで、「『天地人』について(1)」を訪ねてこられました。私も興味を持ち、グーグルの同検索を当たってみました。すると、何と56万件もあるではありませんか ! 私だけかな?と思っていたら、けっこうそう感じている人は多かったわけです。
 理由は「なぜかわからないけど…」「だらだらしていて盛り上がりにかける」「ナレーションで誤魔化す場面も目立つ」「撮影で手抜きしている」etc.その結果ある人は、「『武蔵』以来の面白くなさ。途中で見るの止めるの、2度目になりそう」。

 私も思うに、第7回はまあおもしろくありませんでした。第5回、第6回で、すわっ織田信長(吉川晃司)と上杉謙信(阿部寛)が全面衝突。せっかくおもしろくなりかけたぞ、と思っていたのに。また逆戻りの感じです。

 いくら歴史ドラマとはいえ、ドラマはドラマ、しょせんは作り話です。そんなことは私たち視聴者とて先刻承知しています。しかし今の視聴者は目が肥えています。そこで、作り話を作り話と思わせず『さも有りなん』と思わせるのが、監督や演出家や脚本家の腕の見せ所なのではないでしょうか?
 一般的な感想として、昨年の『篤姫』は面白かったと評価されています。それには、主演の宮崎あおいの好演などいろいろな要素があるのでしょう。その一つとして、『篤姫』には作り話らしいわざとらしさがあまりなかったということもあるのではないでしょうか。私は『篤姫』は観ていませんので、何とも比較のしようがありません。しかし今回の『天地人』には、わざとらしさが出すぎているキライがままあるように思います。

 漏れ聞くところこの不況下、飛ぶ鳥も落とす勢いだったテレビ業界も大変な状況のようです。特に民放各社は、広告収入が激減して青息吐息のようです。そのためドラマの制作費なども削減せざるを得ず、そのためドラマの質が落ちていくという、負のスパイラルに陥ることが懸念されているようです。
 そんな中、NHKだけが一人勝ち状態で、‘08年は6,500億円の事業収益があり‘09年はそれ以上の収益の見通しだというのです。『ならば、NHKの顔の一つである大河ドラマにもっとカネをかけて、しっかりした面白い番組にしてよ ! 』と言いたくなります。

 それにこれは、昨年末番組が始まる前から言い続けていることながら。やはり主役のミスキャスト(と、あえて言います)が「おもしろくない」一番の要因なのではないかと思います。
 NHKの大河ドラマ制作部局は、一体どこにピントを合わせてキャスティングをしているんだろうか?変にポピュリズム(視聴者への迎合)で行こうとすると、とにかく「今人気のあるタレントを主役に押し込んでおけばいいだろう」ということになるのでしょう。そのタレントが、主役の人物像に本当にマッチするか否かなどは、二の次三の次。
 
 ここで面白い情報を見つけました。今巷では、「レキジョ」という新たな呼び名が生まれているそうです。レキジョ?これは「歴史大好き女性」の略。今OLの間で、時代劇の人気が高まっていて、戦国武将が好きで歴史物の本を読みあさったり、戦国武将のフィギュアを集める女性が増えているとのこと。
 NHKの大河ドラマも、レキジョを取り込もうと必死なのだとか。どおりで、『天地人』にはやたらにイケメン俳優が多いわけです。主役の妻夫木聡を始め、北村一輝、小栗旬、小泉孝太郎、上地雄輔…。(なるほどね。そんな薄っぺらい理由でキャスティングしてたのかぁ。ダメだ、こりゃ ! 但し、北村・景勝は重厚でOK ! )

 そんな中で、唯一胸を打たれたのが、幼少与六の回想シーンでした。母・お藤と与六の、庭での別れの場面です。あの場面は何回繰り返し見せられても、新たな涙がこみ上げてきます。
 あのシーンも多分事実ではないでしょう。かと言って、いかにも作り話然としたわざとらしさがありません。田中美佐子の好演もさることながら。何と言っても、加藤清史郎君(7歳)の演技などというものを越えた素直な表現が、大人たちの心を激しく揺さぶるのでしょうね。
 (大場光太郎・記) 

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 本記事、最近訪問者停滞気味だったため、少し(大いに)「受け狙い」の内容にしてみました。それがズバリ当たって(笑)、おかげ様で公開した20日の1日訪問者=96人。『小室哲也逮捕に思うこと』の120人に次ぐ快挙(?)となりました。ただ、後一歩100人に届かなかったのが残念です。
 また21日づけ、ココログの各カテゴリの「デイリーランキング」に、本記事が以下のようにランクされました。
    「日常」カテゴリ   1位
    「身辺雑記」〃   1位  
    「雑記」   〃   3位
 以前にならば、「雑記」でも軽く1位だったはずなのに…。「雑記」利用者、アクセス者がどんどん増えているせいだと思われます。
 なお本文中、冒頭のあらすじは削除しました。ご了承ください。

投稿: 大場光太郎 | 2009年2月22日 (日) 01時00分

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