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『おくりびと』の舞台など

 映画『おくりびと』が、日本アカデミー賞10冠に輝いたことなどを、前記事でお伝えしました。すると早速くまさん様より、以下のようなコメントをいただきました。

 映画『おくりびと』はまだ観ていませんが、この映画の原作となった『納棺夫日記』は以前から注目していました。原作者の青木新門氏は富山市の作家であり、映画監督の滝田洋二郎氏は我が家の隣町である高岡市(旧富山県西砺波郡福岡町)出身の方なので、地元でもおおいに話題になっています。ところで、この映画のロケ地には地元の富山県ではなく、大場様の郷里の山形県が選ばれたと聞いています。山形のどのあたりなのでしょうか。
 
 くまさん様は富山県在住の人。そして『おくりびと』は、原作者の青木新門そして映画化に当たった監督の滝田洋二郎も共に富山県の出身と、富山県と縁の深い映画だったわけです。
 それがなぜか、映画の舞台は今度は私の出身県である山形。これまた奇縁と、くまさん様のご文に接して驚いています。そういえば、日本アカデミー賞公式サイトを調べた時に、
   最優秀作品賞  おくりびと
 続いて、TBS=セデックインターナショナル=松竹=電通=アミューズソフトエンタティンメント=小学館=毎日放送=毎日新聞社=テレビュー山形=TBSラジオ
と、なぜか「山形」の文字があるのが気になりました。

 そんな具合で、「山形のどのあたり?」とのお尋ねに即答できず、調べてみました。以下は、「山形新聞 Yamagata News Online」の記事などからピックアップしてご紹介します。

 先ず、舞台は山形の庄内平野のようです。庄内(しょうない)平野は、山形県北西部(秋田県寄り)の日本海側に位置する平野で、古くから県内有数の米どころで農業が盛んな穀倉地帯です。最上川の河口付近に、県内唯一の港湾都市・酒田市、平野の南西部にはかつての城下町である鶴岡市があります。

 脚本の小山薫堂にとって、今回が初めて手がけた映画脚本で、シナリオを書くことになった時には「山形を舞台に納棺師の物語を」とだけ言われ、そのため3年前初めて山形県を訪れたのだそうです。当初は『難しいなぁ』と思っていたものの、庄内に行ってみてすぐに、『この風景にはチェロが似合う。そうだ、主人公は元々チェロ奏者を目指していたことにしよう ! 』というように、次々とストーリーやアイディアが浮かんできたそうです。
 こうして『おくりびと』は、チェロ奏者の夢をあきらめ庄内に帰郷した小林大悟(本木雅弘)が、遺体を棺に納める納棺師の仕事に就き、死をめぐる人間模様をとおして次第に成長していく物語。2007年冬から酒田、鶴岡、三川、遊佐、上山でロケを行ったそうです。

 ところで「山形は映画の都」として、今地元では大盛り上がりのようです。そもそもは、時代小説家の藤沢周平が鶴岡市の出身で、氏の一連の時代小説の多くに登場する「海坂藩(うなさかはん)」は庄内藩がモデルだったことから、藤沢時代小説の映画化に当たって『ならば、庄内ロケを…』ということで、始まったと推察されます。そうして、山田洋次監督の『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』『武士の一分』などの作品は、主に庄内ロケで撮られました。
 その後「県おこし」の一環として、黒土三男監督の『蝉しぐれ』のオープンセットを活用するため、第三セクター的な「庄内映画株式会社」を設立し、撮影協力やロケ誘致活動に力を入れているようです。

 そのようにして以後もそこから、三池崇史監督の『SUKIYAKI WESTERN DJANGO』、篠原哲雄監督の『山桜』、曽利文彦監督の『ICHI』などが制作されていきました。今回の『おくりびと』もおそらく、企画が起こされたのを庄内映画(株)が聞きつけ、売り込んでロケ地の誘致に成功したといったところなのではないでしょうか?更には、庄内のみならず2004年矢口史靖監督の、『スィング・ガールズ』のロケ地は米沢でした。

 他の地では例えば、かつての大林映画は尾道市、『世界の中心で愛を叫ぶ』『機関車先生』などは四国、『ALDAYS 続・三丁目の夕日』『K-20 怪人二十面相・伝』などは北九州というように、各地に際立ったロケ地が存在します。しかし上記のような堂々たる作品群が、山形で撮られていたわけです。
 我が出身県でありながら、今改めて知り、「頑張れ。やまがた !! 」とエールを送りたくなります。この映画、いよいよ観ないでは済まされなくなりました。
 (大場光太郎・記)

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コメント

「おくりびと」、やりましたね。地元のローカル放送では、滝田監督の実家が映し出され、ご両親や近所の人たちの喜んでいる様子が流れていましたよ。いかにも日本の田舎らしい情景でほほえましくなります。日本では、当然ながら、各メディアともこの受賞を大きく取り上げていますが、当のアメリカではどうなんだろうとニューヨークタイムズのオンライン版を覗いてみると、取り上げられているのは真のオスカー賞受賞作(best picture)に選ばれたslumdog millionairの記事がほとんど。申し訳程度にDirector Yojiro Takita -- surrounded by the cast of "Departures" -- hoists the trophy for best foreign language film という記事に添えられた監督やモックン、広末サン達の写真が掲載されているだけでした。これが、現実でしょうね。
 この「おくりびと」につきましては、少々思うところもありますので、実際に映画を見た上であらためてコメントすることをお許しいただけたらと思っております。

投稿: くまさん | 2009年2月23日 (月) 23時24分

くまさん様
 またまた畏兄のご文と、それに私の返信という形で、新記事として公開させていただきました。どうぞご了承ください。
 『おくりびと』。私も今週末頃まで是非観てみようと思います。くまさん様、観終わりましたらまたご感想をどうぞ。

投稿: 大場光太郎 | 2009年2月24日 (火) 00時44分

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