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鳩山新代表選出に思うこと

 16日(土)午後に開かれた民主党大会において、小沢一郎前代表に代わって鳩山由紀夫(62)が新しい代表に選出されました。
 小沢前代表が辞任表明したのが11日(月)、そして同じ週の土曜日には新代表が決まってしまうという慌しいスケジュールでした。

 これに対して各マスコミからは、「自民党のようにたっぷりと時間をかけて代表選挙を行えば、絶好の民主党アピールになったはずなのに。自分たちが有利なようにとにかく早く事を決したい勢力の力が働いた結果だ。特に鳩山が代表になれば、小沢院政はより強まることだろう」という論評がさかんに出されました。
 やはり、代表を辞めても党内に隠然たる影響力を行使したい小沢氏とその支持グループ、新代表に一番近そうな鳩山由紀夫などによるタイムスケジュールであったことは否定出来ないと思います。

 小選挙区制下の二大政党時代であるこの時代。「国民に開かれた政党」として、いくら自民党とは違う対立軸を持つ民主党とて、しょせん政治は「パワーゲーム」です。
 まして今回の代表選は、場合によっては民主党初の総理大臣になるかもしれない人物を選ぶ、以前にもまして比重の重い代表選です。対立候補より一歩先んじて優位に立ちたい、と思うのが人間心理の常というものです。
 これまでの政治理念としてはかつて耳にしたことがない「愛」を語り、「友愛の政治」を標榜する鳩山氏とて、そんな代表選はしかるべき権力闘争の場との思いはあったはずです。(実は鳩山氏は10年以上前にも「愛ある政治」について語り、一部評論家からは「だからお坊ちゃん政治家はダメなんだ」と失笑を買ったことがあります。でも60過ぎの政治家が臆することなく「愛」を語れるとは、ある意味大したものです。)

 国民の支持は、対立候補の岡田克也(55)の方が上回っていました。代表選前の世論調査やテレビの街頭インタビューでも、岡田支持が鳩山支持を大きく上回っていましたし。
 しかし考えてみますと、今の国民世論を方向付けしているのは、新聞特にテレビの影響によるところがかなり大きいことも否定できません。超ヒートアップしたあの郵政選挙の報道がいい例です。
 西松事件での小沢秘書逮捕以来、東京地検や麻生政権の思惑などそっちのけ。これでもかと小沢前代表を連日バッシングし続けたのが、各マスコミです。当ブログで再三取り上げましたとおり、自民党の森元総理や尾身元財務大臣などは同罪です。二階経産大臣に到ってはさらに悪質です。なのに、小沢代表辞任に向けた世論形成に大いに預ったのも各マスコミでした。
 そして今回の代表選では、どちらかというと岡田氏には好意的、鳩山氏に対しては辛口な論評が目立ちました。

 なぜなのでしょう?ズバリ言えば、大マスコミによる「政権交代潰し」としか考えられないのです。
 今日数多(あまた)ある国内問題の中でも、「政官財癒着構造」はその中でも特に大きな問題です。この問題を根底から変えない限り、財政再建を含めた我が国の本当の再建はあり得ない、と思われるほどのものです。
 そして大マスコミも実は、「政官財」の内の「財の一員」でもあるわけです。現に大新聞の経営陣が、小泉政権時代の訳の分からない何とか委員会のメンバーとして次々に取り込まれてもいました。(かんぽの宿問題の「政商」オリックスの宮内会長は、小泉委員会でとんでもないパワーを得ていきました。)またテレビ各局は、NHKは政権与党に予算編成権を握られ、民放各局は放送権の許認可や新社屋移転に関わる許可などで、自民党様にはすっかりお世話になっています。
 つまり権力をチェックすべき立場の大マスコミも、結局は「政官財癒着構造」にどっぷりはまってしまっているのです。これでは肝心な時に、「大政翼賛的報道」しか出来ないのは当然のことです。

 小沢前代表は以前から、「政官財癒着構造こそが最大の問題点である。民主党が政権を取ったら、真っ先にこの問題に切り込む」と明言してきました。さああわ食ったのは「官の利権」の番人・東京地検だけではありません。各マスコミもまったく同じで、小沢民主党政権誕生を内心恐れていたはずです。
 鳩山新代表も、ここ何年か小沢代表と行動を共にしてきて、上記問題は自分としても最重要課題と位置づけているはずです。
 そこで鳩山と岡田と天秤にかけた場合、自分たちの「利権の保護」のためにどちらが都合がいいか―岡田の方がくみしやすい相手だ、そんな思惑が働いていたのではないだろうか?
 これは多分に私の独断的解釈ながら、そう思われるのです。

 新代表が決定した後、政治評論家は「鳩山では追い風ではなく、せいぜい横風くらいなものだ。来るべき総選挙では、勝つとしても(自民党とは)僅差でしかないだろう」と言っています。とにかくマスコミとその関係者は、国民以上に小沢一郎を徹底排除したがっているようなのです。
 しかしどんな選挙でも、フタを開けてみなければ分かりません。そして選挙こそは最大のパワーゲームです。とにかく勝たなければ話になりません。「私は、小沢さんの傀儡(かいらい)ではありません」。表向きはそう言わざるを得ないでしょう。でも結局は選挙に勝てる顔として党員から選ばれたのです。いいじゃないですか。「選挙上手」な小沢一郎の力を陰に陽に活用しても。

 鳩山由紀夫よ。普段は「愛」だ「友愛」だでもいいけれど、選挙では闘う男の顔を見せてくれ ! そして日本も遂に政権交代が可能な国になったんだと、全世界に結果で示していただきたい。

 (大場光太郎・記)

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