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ベールを脱いだ『IQ84』

 何も記事にするテーマが見つからない時、私はよく管理ページ右欄に表示されている「ココログニュース」見出しをたどってみます。私の心に響いて来ない時は、それまでにしてやり過ごします。
 しかし時にグッと引きつけられる見出しがあり、クリックして「ニュースそのもの」を読む場合があります。その中から私自身がさらにセレクトして、『おっ。このニュースはブログ記事になりそうだぞ』となることもあります。

 この度は『えっ。小栗旬が映画監督 !?』『「大山詣で」復活?』と、ココログニュースから連続して2つも「記事ネタ」を提供してもらいました。大助かりです !
 さらにその上さらに―。
 「ベールを脱いだ『IQ84』」という記事が目に止まりました。

 これは、かの村上春樹の最新作『IQ84』を指すようです。2巻合わせて既に百万部突破という、文芸書としては驚異的な売り上げを記録しているとのこと。最近は浜崎あゆみだって出した歌のシングルをそれだけ売り上げるのは至難なのではないでしょうか?
 なのに若者のみならず日本人全体の「活字離れ」が指摘される中、単行本としてこれだけ売れるとは。一つの奇跡現象と言えるかもしれません。

 今作品のプロモーションでは、完全に事前情報をシャットアウトさせたようです。これが読者、ファン層の渇望を煽り見事に成功したようだと、同ニュース記事では分析しています。(それにしても驚くべき読者層であり、ファン層です。)
 また記憶に新しいところでは、村上は今年2月イスラエルの文学賞「エルサレム賞」を受賞しました。その際村上は現地で英語でスピーチをし、その中の「卵と壁」の譬えが話題となりました。人間個々人を壊れやすい“卵”に、政治や軍事力などのシステムを“高い壁”に―。当時問題となっていたイスラエルによるガザ侵攻に対する批判だと、高く評価されたようです。
 私はその話題性も今回の大ベストセラーの一翼を担ったのかなと考えますが、さてどうでしょうか?

 そんな情報遮断の中、村上本人が某新聞社のインタビューに応じ、次のように答えたとか。「オウム裁判の傍聴に10年以上通い、死刑囚になった元信者の心境を想像し続けた。それが作品の出発点となった」。オウム裁判を10年以上傍聴とは。少し前の記事『山ほととぎすほしいまヽ』の杉田久女もそうでした。テーマを貪欲に追求してやまない姿勢、これが平凡と非凡とを分けるのでしょうか?
 ただ『IQ84』は宗教的な問題のみを扱っているのではなく、社会のさまざまな問題、テーマを重層的に扱っており、村上春樹の代表作になるポテンシャルを秘めた作品だと言うことです。

 と、ここまで紹介してきても、私自身は多分読まないだろうと思います。と申しますのも、最近とみに減ってきている読書量ですが、その中でも「小説」の占める割合はさほど多くないからです。
 村上春樹は『ノルウェーの森』をはじめ、これまでもほとんど読んだことはありません。『風の歌を聴け』を文庫本で途中まで読んだくらいなものです。90年代半ば頃のことですが、その途中までの内容もすっかり忘れてしまっています。それより少し後で読んだ、吉本ばななの『キッチン』。こちらの方は何とかすじもたどれ、印象深い個所なども何となく覚えていそうなのですが…。
 村上春樹ファンの皆様、申し訳ありません。機会がありましたら、先ず手元の『風の歌を聴け』から読み返してみます。

 (大場光太郎・記)

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