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えっ。小栗旬が映画監督 !?

 以下は「ココログニュース」で見つけた話題です。

 話題というのは、小栗旬(26)がこの夏「映画監督デビュー」するというものです。
 小栗旬といえば、若者たちを中心に人気の今をときめくイケメン俳優です。当ブログでシリーズ記事にしております、NHK大河ドラマ『天地人』にも石田三成役で準レギュラー出演の真っ最中です。私自身は小栗・三成はイマイチ評価しておりませんが、TBS系ドラマ『スマイル』の悪党役は凄みにあふれ、上々の評判のようです。また昨年は、ドラマで共演した女優の山田優(24)との熱烈交際が報道され話題になりました。

 小栗旬が本当に映画監督デビューするなら、20代俳優による大手配給会社の作品は今まで例がないそうです。俳優史上最年少でメガホンを取る映画は大きな注目を浴びることになりそうです。 小栗自身は以前から映画制作には興味があったようで、ハリウッド映画『イーグル・アイ』の監督と対談した際は、映画の演出について質問攻めにし、「君は映画監督になれるよ」と言われたこともあったそうです。
 作品の正式タイトルはまだ明らかになっていないとのこと。しかしオリジナル脚本で、出演者へのオファーも既に済んでいるようです。誰が「小栗監督」のもとで演技をすることになるのか、今から発表が待たれるところです。

 話は変わって―。今日の「映画監督流行り(ばやり)」。先鞭をつけたのはやはり「世界のキタノ」こと北野武監督だったのでしょうか。私は北野作品は一度も観たことはなく、今後も観る予定はありませんが、何せ作る作品が皆カンヌ映画祭などに出品され、今や毎年のようにその作品はマスコミに大きく取り上げらます。
 同監督に刺激を受けたのか、つい先年はコメディアンの松本人志(ダウンタウン)が『大日本人』という映画を作りました。
 それ以外にもやはりコメディアンの品川祐(品川ヒロシ名義)が、『ドロップ』という自伝小説を自分が監督して映画化しました。コメディ界は「北野武」という大御所に追いつけ追い越せとばかりに、ちょっとした「映画監督流行(ばや)り」のようです。

 のみならず「外様に負けてたまるか」と、映画界に身を置いてきた俳優たちも続々映画監督としてメガホンを取っています。主だったところでは、津川雅彦(マキノ雅彦名義)の『旭川動物園物語』、奥田瑛二の『長い散歩』、役所広司の『ガマの油』などなど。
 これらの人たちが監督としてメガホンを取ることについては、あまり目くじら立てることはありません。既に俳優としてまた映画人として映画制作に十分なキャリアがある人たちだからです。その間いろいろな監督の下でさまざまな役を演じ、映画監督としてのノウハウも身につけてきたことでしょう。だからこの人たちの作る作品がどんな時代のどんなテーマであれ、水準以上の作品には仕上がるはずです。

 問題はやはり門外漢であるコメディアンや、年少の俳優が「我も我も」と映画を作りたがる、その危うさです。現に先ほど紹介した、松本人志の『大日本人』は、初作品ながらカンヌ映画祭にも出品されマスコミの話題をさらった作品です。ところが同映画祭での外国人観客からは大不評だったようです。松本はよほどの天才でシュールレアリズム的手法を駆使したものか、ストーリーは支離滅裂。各シーンで失笑が起きたり、あげくは途中で席を立つ人がずいぶんいたようです。某映画評論家は、「この映画は国辱ものだ」とまでこき下ろしています。
 
 小栗旬が映画監督としてどれだけの才能があるのかは知りません。意外な才能を発揮する可能性がないとは言い切れません。しかし、プロ野球の世界に「名選手必ずしも名監督ならず」という箴言があります。映画の場合も「名優必ずしも名監督ならず」となりかねません。
 もっとも小栗は「名優」とは言うもはばかられる、まだ駆け出しの若手俳優です。当今マスコミ界の諸事情で、「今たまたま人気が出ている」というにすぎません。彼が真に名優であるかどうかは、十分長いスパンで見ていかなければなりません。


 私などは『誰も彼も猫も杓子も、ただ映画を作りゃぁいいってもんじゃないんだよ ! 』と思ってしまいます。一映画ファンとして言いたいのは、くれぐれも一時の気晴らし・気まぐれで映画監督になって欲しくくない。タレント続けて、コメディアン続けて、空いた片手間で映画のメガホンでも取ってみるか…。映画監督って、そんな安直に出来る仕事じゃないでしょっ !?ということなのです。

 今日の「映画監督ブーム」。小津安二郎や黒澤明などの往年の巨匠は、泉下でどう思っていることでしょう?

 (大場光太郎・記)

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