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梅雨だより(4)

   キキと鳴き嬉々(きき)と飛びたり雨つばめ   (拙句)

 ここ何日か雨が降ったり曇ったりの梅雨らしい日が続いています。むしむししてうっとうしい感じはあるものの、真夏の暑さではない分しのぎやすいというものです。雪国生まれで猛暑に弱い私にとっては大助かりです。それでも今月中旬過ぎにはほぼ間違いなく梅雨は明け、以後9月初旬頃まで連日の暑さが続くと予想されるわけで…。今から夏バテしないよう、しっかりと心構えをしていきたいと思っています。

 近所のとある家の垣にバラが広がっています。5月中旬頃そこには真紅の美しいバラの花が幾つも咲き誇っていました。その後6月に入って気がついた頃には、そこのバラの花は消えていました。
 それが本日たった2輪だけですが、また見事な花を咲かせていました。緑の葉群の中、真っ赤なバラですから、遠目にもすぐに分かるのです。同じ夏の間ながら、これも戻り花というべきなのでしょうか。
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 マイケル・ジャクソン(50)が急死して、早や一週間ほどが経過しました。マイケルは生前から私生活をあまり覗かせず、ミステリアスな部分の多い人物でした。いな謎が多いゆえに、スーパースターだったのかもしれません。今の日本の芸能界のようにすぐに私生活がフォーカス・フラィデーされてしまう状況では、スーパースターは育ちにくいのかもしれません。何の神秘性もミステリアスもなくなってしまうからです。
 マイケルの死因をめぐってはさまざまな揣摩(しま)憶測を呼びました。莫大な彼の遺産の行方も気になるところです。
 私は急死後何度か記事にしようと試みました。しかしマイケルという存在が大きすぎることと、あまりよく知らないこともあいまって、一文としてまとめるのは大変です。今後もしうまくまとまりましたら、公開したいと考えております。

 我が国の政界模様もこの梅雨空と同じくどんより澱んだ状況が続いています。これを一気に晴らすには解散総選挙しか方途はないはずですが、依然ずるずると先延ばしの方向です。
 今回の東国原英夫宮崎県知事入閣問題にしても、結局小粒だった内閣改造人事にしても、麻生内閣、自公政権の小手先だけの延命策ばかり。もういい加減にしてよ ! というところですが、今日のこのような閉塞的状況を招いた責任は、そもそも私たち国民にもあります。
 考えてみれば、自公政権は現在絶対多数の議席数を占めているわけです。そう簡単に解散などするはずがありません。選挙をすれば減りこそすれ、まず増は見込めないわけですから。だったら任期いっぱいまで引き延ばそうじゃないの、となるのが人情というものです。

 これは小選挙区制度の怖さでもあります。やはり私たち国民は、不用意に一つの政党に絶対安定多数を与えてはダメだということだろうと思います。今回のように解散は任期満了までずるずる引き延ばされるは、その間国民の審判を仰ぐことなく何人も総理大臣が変えられるは、数の力を頼りに2/3の衆院再議決を乱発して慎重審議なしの法案が可決されるは…。
 かえって国政の停滞、閉塞を招くばかりで、国民にとっていいことはあまりありません。まるで「一億総霊がかり」のようだった、先の郵政選挙から私たちはどれほどの教訓を得ただろうか?なりふり構わぬ自民党による東国原擁立問題、それをほぼ無批判で垂れ流し報道する大マスコミ…。少なくとも「権力側」は何も変わってはいません。後は私たち国民がそれらに影響されることなく、どれほど冷静な国政判断が出来るかどうかにかかっていると思われます。
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 早朝はざあざあ降りだったものの、少しして雨は上がりその後は終日曇りでした。
 夕方市街地を離れて愛川町方面に車を走らせました。車道の右片側(そのずっと先は中津川)には、何十枚も見渡す限りの田んぼが広がっています。たまに農家がポツンと点在し、道際に消防署分署があるくらいなもの。そちら側は市街化調整区域で開発から免れているのです。
 昔なら日本全国どこででも見られた田園風景は、今はこのようにごく限られた場所でしか見かけられなくなりました。でも青々と伸び広がる苗のさまが目に心地良く、チラッチラッとそちらの方に顔を向けながら運転していました。

 途中つばめが私の向うすぐ前を低く滑空しています。以前にも書きましたが、つばめたちはこういう曇り日が本当に大好きみたいです。田んぼといわず道路といわず、嬉しさが伝わってくるようにすいすい飛び交っています。『おい。ぶつかるぞ』と冷や冷やしながらも、そこはつばめたちも慣れたもの。際どいところで、すいとばかりに優雅に逸れていきます。
 暑くなって涼しいお国に行くまで、梅雨の間はまだ当地で滑空を楽しみたいようです。

 (大場光太郎・記)

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