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総選挙あれこれ(5)

 解散から投票日まで40日間という、バカ長の衆議院選挙戦もようやくゴールが見えてきました。投票日の30日(日)まであと2日と迫りました。

 4年前のあの郵政選挙が思い出されます。同選挙が異例づくめだっただけに、どうしても前回と今回を比較してしまうのです。何といっても大きな違いは、選挙戦に対する各マスコミの取り扱いの違いです。
 特に、郵政選挙におけるテレビ各局の過熱報道ぶりは尋常ではありませんでした。郵政造反議員に対して、小池百合子、片山さつき、佐藤ゆかりなどの女刺客あるいは当時のマスコミの寵児・ホリエモンこと堀江貴文をぶっつける小泉流手法に、無批判で丸ごと乗っかりとにかく朝から晩まで「選挙報道一色」でした。

 小泉内閣発足当初から、私は小泉純一郎なる人物にうさんくささを感じていました。以前も述べましたが、小泉内閣の5年余ただの一度も支持しなかった稀な存在だったのではないでしょうか。そんな私からして、「小泉劇場」に熱狂するメディアそして国民の姿にものすごく異常で危ないものを感じたのです。
 そこで私は過熱報道自粛を求めて、NHK、日テレ、TBS、フジTV、テレ朝に対して、何度か電話または文書で抗議を行いました。(新聞社に対しては、「小泉不正年金問題」のもみ消し時、朝日、毎日、読売、サンケイに抗議しました)。私のみならず、当時抗議した人は少なからずいたのではないでしょうか。しかし当然のことながら、そんな抗議も虚しく、選挙報道が加熱する一方だったことはご承知のとおりです。

 さて今回の選挙戦の各マスコミの取り扱いについてです。まあ、何という様変わりなのでしょう。私はイラク戦争以来新聞購読をやめています。だから新聞のことは分かりません。また最近はテレビのニュースや報道番組もあまり見ていません。ですから確定的なことは言えませんが、前回とはうって変わって、今回は異常なほど総選挙についての扱いが小さいのではないでしょうか。
 特にテレビなどで代わって連日トップニュースになっているのは、例の酒井事件そして新型インフルエンザ流行問題です。それに日々のニュース、例えば「M・ジャクソンの死は主治医のマーレー医師による他殺だった」とか、福岡県の警察官が飲酒運転によるひき逃げ事件を起こしたというようなものが続き、短いニュース番組では選挙の「せの字」も出さないことも珍しくはありません。

 これは、テレビ各局が4年前の過熱報道を心底反省し、今回は選挙報道を自粛しているということなのでしょうか。なら良いのですが、それにしては自粛の度が過ぎています。国民有権者として当然知りたい、例えば注目選挙区の最新動向などをさっぱり報道しないのでは、とても国民のニーズに応えているとは言えません。明らかな「総選挙隠し」と思われても仕方ないと思います。
 「総選挙隠し」によって最も得するのは何党なのでしょう。言わずと知れた自公政権与党です。今回は大変な逆風で、大物議員ですら各選挙区で苦戦が伝えられているからです。だからといって、国民に「見せない」「知らせない」というのでは、メディアの公共性に著しく反しているのではないでしょうか。その意味で、前回が各マスコミによる「翼賛選挙」だったとするならば、今回だってまったくそうなのです。

 大新聞、大テレビ局は、自民党政権によほど恩義を感じているということなのでしょう。何か大きな弱みを握られているということもあるのでしょう。また長い間の政官財癒着構造の中で甘い汁をたっぷり吸い、そういう恩恵に預かれなくなりそうな政権交代は出来れば起きてほしくない、これがトップたちの本音でもあるのでしょう。

 酒井事件は「押尾事件隠し」の上に「総選挙隠し」、「インフルエンザ問題」は「総選挙隠し」と「政権与党への引き込み狙い」、このような意図があるのは明白だと思います。
 酒井事件は別記事で何度も触れました。インフルエンザ問題について言えば、それまで何ヶ月もまったく報道がストップしていたのに、公示日前後急に降って湧いたように。これが怪しいのです。理由は「死者第1号が出たから」。本当にそうだったのでしょうか。厚労省による情報操作など、やろうと思えばいくらでも出来るのです。実はとっくに死者が出ていたとしても、別の死因にしてしまえばいいわけですから。「発表はまだ時期尚早」と関係者が秘匿して、公に報道しなければ国民は知りようがないわけです。

 インフルエンザ問題によって、まあ「暗い自民党」の象徴のような枡添厚労相のムクツケキご尊顔を、毎日嫌というほど拝さなければならないわけです。不人気でとんでもないチョンボをしでかす麻生総理はこの際隠して、代わって国民に人気のある枡添を前面に、という猿芝居的作戦でもあるのでしょう。

 この記事をお読みの方々は、意識レベルの高い方々です。そうでなければ、当ブログをご訪問になりしかも長ったらしい本文を丁寧にお読みにはなりません。しかし権力側が選挙などで常にターゲットにするのは、意識レベルの高い人たちではありません。そのような煙ったい人々は、前もって対象外なのです。テレビ報道を一々真に受ける「大衆レベル」こそが、かっこうの狙い目です。(とかつて、小泉元総理の知恵袋だった飯島秘書官が言っていました)。同じ有権者であることに変わりはなく、そしてこのような「大衆レベル」が相当数を占めているわけですから。

 大切ですから本シリーズ(4)で述べたことを繰り返します。「恐怖心をあおり、大衆を引き込む」ことは、古代から使い古された「闇の勢力」の常套手段です。

 (大場光太郎・記)

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