« ご報告致します(8) | トップページ | 総選挙あれこれ(5) »

薬物汚染の拡がりを憂う(10)

 焦点の押尾事件に関して、つい先日注目すべき動きがありました。
 東京地検は24日、合成麻薬MDMAを使用したとして、押尾学(31)を「麻薬取締法違反(使用)」で起訴したのです。しかし事件の発端となった、六本木ヒルズレジデンス・B棟2307号室で変死体で発見された、田中香織さんに対する「保護責任者遺棄致死容疑」については立件せず、再逮捕はしない方針を固めたもようです。
 
 これは警視庁が、押尾が重篤の田中さんを放置して逃亡したことに関して、当初のとおり「事件性無し」と最終的に結論づけたことを意味します。田中さんは「勝手にMDMAを服用して誤って死んだだけ」と言うわけです。
 田中香織。30歳。銀座の高級クラブ「ジュリア」ホステス(ホステス名「麗城あげは」)。身長172cmのスレンダー美女。全裸の状態で死亡が確認された。背中に刺青あり。
 田中さんは、一体どんな状況で死亡に至ったのか。押尾被告の「2錠目を飲んだ時に泡を吹き、異変が生じた」「心臓マッサージを施したがダメだった」などの断片的な供述が洩れ伝えられているだけです。異変が起きて3時間も経ってから通報したのはなぜなのか。本当に押尾の言うとおり、服用死だったのか。他殺の可能性はないのか。他殺ではないとしても、十分保護責任者遺棄致死罪に相当するケースなのではないでしょうか。
 
 密室状態の部屋で人が一人亡くなっているのです。これはどう考えても明らかに事件です。遺族ならずとも国民の多くが、真相解明を強く望んでいたはずです。なのに所轄の麻布警察署、警視庁は、何一つとして明快な見解を発表していません。

 警察当局はこれで押尾事件の幕引きを図りたい考えのようです。前回の(9)記事でお伝えした、「野口美佳社長の逮捕」さらには「M元総理長男の“麻薬&売春”疑惑の捜査」も一切なし。死因の特定はおろか事件そのものを迷宮化させ、すべてを押尾学一人に押しつけて、この事件の背後に広がるどす黒い闇をうやむやにしようという意図は明白です。
 某ブログでは「これほど誰から見ても納得できない事件は前代未聞だろう。法治国家・日本で、こんなことが許されてしまうとは、もはや日本は暗黒国家だ」と嘆いています。まったく同感です。

 「関係者」にとって最大の誤算は、田中さんの死亡に当たって119番通報し、「救急車」を呼んでしまったことだというのです。真っ先に呼ぶべきは110番、「警察」だったのです。そうすれば「いつものとおり」事を表ざたにすることなく、うまく内密に処理出来たのです。
 麻薬、覚せい剤などの常用で体がボロボロに蝕まれ、急死、変死するケースはままあることのようです。当然六本木ヒルズレジデンスでも何度もあって、これまでは幸い(?)表ざたになってこなかっただけなのです。

 今回の押尾事件では、各方面からあらゆる圧力が警視庁や麻布警察署にかけられたようです。六本木ヒルズを管理する「森ビル」、押尾が所属していたエイベックス。野口社長率いるピーチ・ジョンの親会社「ワコール」も財界の力を使って圧力をかけたと言われています。更には薬物が関係しているだけに、薬物疑惑タレントが多く出入りしている西麻布のクラブ「A」(エーライフ?)など、闇社会からの圧力もあったと見られています。
 それにこの事件には、政界の中枢からの圧力があった可能性が高いのです。例えばM元総理です。

 M元総理は、長男の祐喜に「“麻薬&売春”疑惑」が持ち上がっていることは、既報のとおりです。そして「永田町の三バカ息子」の一人と言われているこの長男は、問題の西麻布のクラブに出入りしており、銀座界隈のホステスとこれも問題の「やり部屋」(六本木ヒルズの例の部屋のこと)を利用していたようです。
 その他政界筋として、官僚機構のドン的立場のU内閣官房副長官の影も見え隠れしています。

 この事件は政界の中枢や闇社会とつながっているため、マスコミも恐がって腰が引けているようなのです。それのみか、警察が闇社会と癒着しているのと同じように、マスコミ企業人も麻薬や覚せい剤を通じて闇社会との関係が出来ていると見られています。この事件は調べれば調べるほど、どこもかしこもズブズブの泥沼の様相です。

 自民党政権下の闇社会との癒着構造では、この事件の真相解明は不可能です。押尾、酒井両事件の終息と同時に、それまでなりを潜めていた「ヤクの売人」たちも、これまで以上に大っぴらに動き出すことでしょう。こうして闇はいっそう拡がり、列島全体が薬物まみれになっていくのです。

 (追記) 押尾被告の弁護士は、26日同被告の保釈請求を東京地裁に請求しました。東京地裁は、「逃亡や証拠隠滅のおそれがないか」などを慎重に検討のうえ、27日午後以降結論を出すもようです。これに対して東京地検は「保釈すべきではない」旨の意見書を地裁に提出するとのことです。
 もし保釈が認められるようなら、押尾事件はいよいよ「ジ・エンド」ということでしょう。

 (大場光太郎・記)

|

« ご報告致します(8) | トップページ | 総選挙あれこれ(5) »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

■警察は市民の信頼を裏切るな!

野口美佳の逮捕は衆院選後でしょうか・・・。
状況的に見ると逮捕は秒読み状態なのでしょうけど。

もしも、野口美佳が逮捕されなかったら警察上層部
が押尾学と同程度のレベルに汚染されて堕している
証拠でしょうね。

現に麻布警察署の動きは初動から揉み消しに躍起
になっているような怪しさで誰が見ても不自然です。

あまりの惨状(地元闇勢力とズブズブ)のため本庁
から監察官が入りテコ入れしてるらしいですが。

野口美佳が逮捕されるまでみんなで警察の動きを
厳しく監視しましょう。

投稿: tokumei | 2009年8月27日 (木) 11時26分

 tokumei様 本当に「野口社長逮捕」はあるのでしょうか。本文中で述べましたとおり、残念ながら私は否定的です。おっしゃるとおり、あるいは「衆院選後に…」、わずかな期待を抱いて待ちたいと思います。

投稿: 大場光太郎 | 2009年8月27日 (木) 12時20分

この記事へのコメントは終了しました。

« ご報告致します(8) | トップページ | 総選挙あれこれ(5) »