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薬物汚染の拡がりを憂う(15)

 覚せい剤取締法違反の罪で起訴されていた酒井法子(本名:高相法子-38)が、17日保釈されました。酒井被告は証拠隠滅や逃亡の恐れなしと判断され、14日既に東京地裁から保釈を認められていました。
 しかし酒井被告側は保釈金500万円をすぐには払わず、翌15日半額の250万円を払っただけでした。その間酒井が拘留されている警視庁東京湾岸署前は、保釈して出てくる酒井被告の姿を捉えんものと、連日大勢の報道陣でごったがえしました。

 そして3日後の17日酒井側が残りの250万円を払い、同日保釈されました。午後4時半頃、逮捕から41日ぶりで同署内から姿を現した酒井法子は、黒の上着、黒のズボン姿。クスリを絶って健康的留置所生活を送っていたせいか、顔はふっくらし見るからに元気そうでした。
 元トップアイドル。しかしこのたびは世間を大騒ぎさせた被告人。スポットライトならぬ無数のカメラフラッシュが酒井の姿に容赦なく浴びせられます。しかしそこは極道の父を持つ酒井のこと、それに怯むでもなく気丈にも背筋を伸ばし真っ直ぐ前を向いて歩を進め、一瞬笑みさえ見せました。

 カメラの放列の中署の玄関前にやってきた酒井被告は、立ち止まって2、3秒ほど頭を下げた後、「今まで酒井法子を応援してくださった皆様、本当にこのたびは申し訳ありませんでした」と謝罪の言葉を述べました。目にはうっすらと涙が浮かび、再度数秒ほど深々と頭を下げました。
 ファンとはつくづくありがたいものです。これほど堕ちてしまった酒井をなおも見捨てないぞとばかりに、沿道から「がんばれ ! 」という声援の声と指笛がなったのです。

 酒井被告の保釈が遅れた理由として、押尾学被告のように保釈金がネックになったわけではなく、身元引受人を誰にするかがなかなか決まらなかったからのようです。酒井にはしかるべき人がいなかったようなのです。
 まず第一には夫・高相祐一の両親ですが、高相被告も昨日保釈されており当然両親がその身元引受人だったわけです。しかし法的に両被告の身元引受人を兼ねることは出来ません。例え夫婦ではあっても共に被告人。一緒に住ませて口裏を合わせられては困るのです。
 次に継母ですが、同人はガンの宣告を受け現在入院治療中でこれも不可。するとやっばり「アヤツ」か?本来なら逃亡ほう助罪で逮捕されてしかるべき、「トミナガ」会長の富永保雄です。しかしこれが「逃げの一手」なのです。それはそうでしょう。酒井や高相は「押尾事件隠し」に利用しただけ。その押尾も保釈され、これ以上同事件は広がらないと分かっている今、何を好き好んで手を差し伸べましょうや。

 そこで酒井が最後に頼ったのは、やはり解雇されたサンミュージックだったようです。身元引受人は、酒井事件のせいで社内降格となった相澤秀禎相談役か、相澤正久副社長か。会社としては既に解雇していますから、あくまで個人としてとなります。
 事件後酒井法子は、結局サンミュージックに一切連絡していなかったようです。ただ獄中で改悛したのか、実の父以上の恩人といっていい相澤相談役にはお詫びの手紙は出したようです。結局酒井は相澤親子にすがるしかなかったのです。またサンミュージック側にも、酒井事件によるスポンサーからCM中止などで5億円もの損害賠償問題が発生しているという事情もあり、むげにも断れなかったのでしょう。

 次に酒井被告は、都内千代田区のホテル内に設けられた謝罪会見の場に姿を現しました。サンミュージックの相澤正久副社長、三枝照夫ビクター取締役会長、そして弁護人のみやび法律事務所の榊枝真一弁護士が同席しました。
 酒井は席上「このたびは一社会人として、人として、決して手を出してはいけない薬物というものに自分の弱さに負け、そして今このように世間を騒がし、多くの皆様にご迷惑をおかけしました。これまで私を支え、応援してくださった皆様には、どれほどの残念さと、私の無責任な行動に幻滅なさったことかと。今まで応援してくださった日本や海外のファンの皆様、そして今まで支えてくださったスタッフの皆様、このたびは本当に申し訳ありませんでした」と涙ながらに謝罪の言葉を述べました。

 また時折りハンカチで涙をぬぐいながら、「決して二度とこのようなことで、皆様の信頼を裏切ることはありません。この気持ちを決して忘れることなく、皆様のお気持ちに恩返しをしていきたいと思います。この罪の償いを今後どのようにして償っていくのか、まずは自分の罪を悔い改め、二度とこのような事件に手を染めることのないよう、一生の約束として固く心に誓います」と約束し、約10分間に及ぶ会見を終え、治療入院のため病院に直行しました。

 拘留中酒井被告は「捕まってよかった。そうでないとずっとクスリを止められなかった」と漏らしたそうです。今回酒井被告は心底改悛したのでしょう。会見をニュースで聞きながら、私は不覚にももらい泣きしていまいました。「罪を憎んで人を憎まず」。人は大なり小なり罪を犯します。心底悔いている人間を人は裁くことはできません。
 私は今回酒井法子を初めてしげしげと見ました。さすが若い時から歌手やタレントとして大舞台にも立ち、修羅場もくぐってきただけのことはあります。『意外と聡明だな』と感じました。しかしそんな人間をも薬物やここではとても公開出来ないような倒錯した世界に踏み込ませてしまう、芸能界という魔力の世界。まだまだいるであろう薬物疑惑タレントたち…。

 覚せい剤は常用していると、止めても体が覚えていて、完全に断ち切るのは本当に難しいといいます。いわゆる禁断症状との戦い。それが一生続くことになるようです。酒井被告もこれからそのような「自分との戦い」が続くことでしょう。
 しかし今会見を初心として、真に厚生の道を歩いていってほしいものです。出来れば保釈を目撃した30代主婦が言っていたように、「薬物撲滅のための活動」でもしていってもらいたいものです。

 (大場光太郎・記)

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