« 芋の露と連山と | トップページ | 薬物汚染の拡がりを憂う(19) »

薬物汚染の拡がりを憂う(18)

 押尾学、酒井法子、高相祐一らの一連の薬物騒動のみならず、今薬物汚染は世間一般に広く浸透していると見なければなりません。たまたま3被告は逮捕、起訴処分となったものの、芸能界一つ取ってみても、それ以外にも彼らの人脈から広がる薬物疑惑タレントは数多くいるものとみられています。

 そのため酒井事件報道華やかなりし8月、警察庁の安藤長官が「芸能界の薬物汚染を一掃するように」との異例の通達を出しました。それを受けて今月上旬、警視庁と日本音楽事業者協会(略称「音事協」)が、「薬物乱用根絶のための意見交換会」を開きました。なお音事協は芸能プロ、テレビ局など142社からなる団体です。
 これは警視庁からの申し入れによって開催されたもので、芸能界がまず率先して“ストップ・ザ・ドラッグ”を呼びかけ、「一般の人が薬物に手を出さないよう啓蒙活動にも協力していく」との結論に達したようです。しかしまずもって、芸能界自らが本当に「浄化」出来るものなのでしょうか?

 そもそもタレント志望の男女はアウトローに憧れがちな連中が多く、ともすれば平気で違法行為に走る傾向性を潜在的に持っています。(ただし全員がそうだと言うわけではありません。)そこに所属プロなどの管理が甘いと、すぐに違法ドラッグに手を染めてしまう素地が多分にあるのです。それに同業界ではタレントのみならず、映画やテレビの製作スタッフの中にも薬物汚染が拡がっています。入手ルートはいくらでもあり、こと欠かないのです。
 それに加えて、音事協に入っているエイベックス(押尾の元所属事務所)やジャニーズ事務所など大手芸能プロには、役員として警察庁、警視庁OBが天下りしているケースも見受けられます。(酒井が所属していたサンミュージックは老舗プロながら天下りがおらず、これが今回の事件でつんぼ桟敷に置かれた一因とも思われます。)

 当然に、それら芸能プロに所属するタレントたちがもし仮に薬物に手を染めていたとしても、大物であればあるほど逮捕などを事前にストップさせる力が働いてきたと見るべきなのです。その意味で今回の会合は、芸能界の薬物撲滅は対世間的なポーズで、実は現役警察官僚と同元官僚とが「まあ今後とも穏便に行こうや」という手打ち式だったとも考えられます。
 いずれにしても、「官僚の天下り」がいかに弊害が大きいものであるか、今回の薬物騒動で図らずもその一端が垣間見られた感じがします。

 芸能界以外でも特に押尾事件に関して、これまで何度も述べてきましたように、政界ジュニアの同事件への関与が、今や「公然の秘密」として語られています。また問題の六本木ヒルズレジデンスの防犯カメラには、そこに出入りしていた中央官僚や財界人などの姿も映っていると言われています。表には出ていませんが、政治家の姿だってあったかもしれないのです。
 それ以外にも薬物を厳しく取り締まるべき立場の警視庁上層部、さらにはそれを大きな社会問題として取り上げ追求すべきテレビ局関係者等々、「薬物汚染」は底なしの拡がりを見せているようなのです。

 それでは薬物問題は、東京一極集中化による東京だけに見られる現象なのでしょうか?しかし実態はそうではありません。つい先日は札幌弁護士会の副会長を務めている大物弁護士が、自宅への覚せい剤の所持の罪で現行犯逮捕されました。またどこかの県に住む一市井人が、自宅のベランダで大麻を栽培して逮捕などという事件が後を絶ちません。

 そして汚染は、政治家、官僚、財界人、芸能人、力士、アスリートといった特殊社会の人間だけかと言うと、決してそうではありません。近年は東大、早稲田大、慶応大、同志社大など有名国立私立大学の学生が薬物使用などで逮捕され、世間を驚かせました。そして薬物使用はさらに低年齢化し、高校生時には中学生の使用が発覚することもあります。
 次回では、「だから鳩山新政権の薬物問題解決に期待する」というようなことを述べてみたいと思います。

 (大場光太郎・記)

|

« 芋の露と連山と | トップページ | 薬物汚染の拡がりを憂う(19) »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 芋の露と連山と | トップページ | 薬物汚染の拡がりを憂う(19) »