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9月26日の上弦の月

   半月も地軸も国も傾ぶけり   (拙句)

 当地では、ここ三日ほどすっきりした秋晴れに恵まれています。シルバーウィークこそ終わったものの、いよいよ本格的な秋の行楽シーズン到来といった感じです。

 さて本日は午後から本厚木に行き、7時過ぎに帰ってきました。帰りは乗る時の一つ手前のバス停で降りて、そこから700mほど歩いて我が家に帰ります。行きのバス停より距離はありますが、何せ普段は運動不足の身、努めて歩かねばと本厚木方面に行った帰りは決まってそのコースで帰るのです。
 そのバス停の表通りの反対側のブックオフ店を右折して何10mかすると、近年整備された遊歩道がその道に直行する形で真っ直ぐ先の方まで通っています。私はいつも左折して北に伸びたその遊歩道を通ります。

 整備される以前そこは草ぼうぼうのただの水路でした。草丈の低い冬や春先などはそこの土手を伝って歩けることは歩けます。しかしそこには入らず、もう少し行くと高層団地群の側道があるのでそこを通っていました。
 その水路を市で何年度計画かで整備されたのが今から数年前です。途中2本の車道があり、したがって水路も2つに別れていますので、それを年度を違えて整備工事したのです。水路は幅員3mほどを暗渠にして隠し、表面は茶褐色の歩きやすい特殊アスファルト歩道に、そして両側にはその歩道に並行する形で花壇も設けられました。

 整備したての頃は何となく、それまでの当たり前の自然の姿が損なわれたような違和感がありました。それに私個人の勝手な考えとして、『どうせだったら花壇じゃなく、一定区間に植樹してほしかったな。そうすれば自然の中を歩く感じがもっと出たのにな』と思いました。しかしそれは土台無理な注文で、市の公園緑地課などとしては剪定(せんてい)や落ち葉のメンテナンスで手間のかかる植栽などもとより計画にないわけです。
 それでなくても手前の一本目の遊歩道は、片方に元々あった数本の桜の大木をそのまま残したために、今の季節はその桜落ち葉が路面に散り敷き始めているくらいだし。

 しかし以来その遊歩道には、地元のボランティアのご婦人たちの手によって、四季折々きれいな花々がいつも植えられ、通る人たちの目を楽しませてくれます。さすがに真冬や真夏は花々は少なくなるとはいえ、何しろ総延長で約250mずっと花壇続きです。その手入れの労たるや大変なものだと心のどこかで思いつつ、さながら「花野の道を行くごとし」。私もいつも花々を見やりながら帰っています。
 
 何のことはない、この遊歩道は2本目の車道の先は何度もお伝えしてきた、例の「水路道」につながるのです。ただし水路道の方は、施工はずっと古く遊歩道仕様でもありません。
 さてこの遊歩道をいつものとおり歩いていた私は、2本目の道で何となく後ろ(南の方向)を振り返ったのです。そうしますと、少し西よりの中空に半月が出ているではありませんか。月を眺めたくなった私は、少し先に設けられているベンチに腰かけました。私が座って面している東側隣接地には公民館があります。当地域の行政的なセンターとしての機能を有し各種選挙の投票所であり、またいつぞやお伝えしました当市の防災無線の「夕焼け小焼けチャイム」も、当地区ではここに設置された無線塔から流されていたのでした。

 半月は雲一つなく澄み渡った夜空に冴え冴えと掛かっています。少しばかり傾いた上弦の月です。地上に目を移せば、ちょうど折りよく公民館施設の際に少しばかりのすすき群が見られます。十幾つほどの穂波が、半月の仄(ほの)明かりに白く照らされています。
 遊歩道には一定間隔で街灯が設置されていて、決して暗い夜道といった感じではありません。しかし裏道には違いなく、この時刻滅多に人は通りません。「月にすすき」の風情の上さらに、花壇の花陰のあちこちから、良夜を寿(ことほ)ぐような心地良いすずろな虫の音も聴かれます。

 冒頭の句は、そんな上弦月の風情をそぐような少しブラックジョークがかった句です。これは本日の月を詠んだものではなく、小泉政治華やかなりし数年前半ばヤケクソで作った句です。鳩山新政権になって、少なくとも今のところはこんな句を詠むこともないようです。
 また本記事のタイトルは、それから帰って真っ先に開いたマイブログに、「9月26日6時の半月」という検索フレーズでアクセスしてこられた人がおり、それをちょいと拝借したものです。

 (大場光太郎・記) 

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