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続・新政権の厳しい船出

 8月30日の歴史的な総選挙から半月あまり、16日ようやく民主、社民、国民新3党による鳩山連立内閣が発足しました。この間、3党間での連立協議や閣僚人事などをめぐって少しもたもたしていた感じで、折角の「政権交代」の感激も冷めかけていました。

 ともかくも17人の閣僚も決まり、鳩山内閣が発足しました。閣僚人事では蓮舫参院議員など華のある女性閣僚を多用するとか、民間人からの登用なども噂されていました。しかしいざフタを開けてみると、テレビなどで既におなじみのメンバーばかり。その意味では地味でやや新鮮味に欠ける印象はいなめません。
 しかし新閣僚の顔ぶれを改めてよく見てみますと、いずれも政策通の実力者ぞろい。オールスターといったメンバー構成で、現時点で考え得る最強の布陣という感じがします。まさに名を捨てて実を取った「仕事師内閣」といったところでしょうか。この布陣からは、鳩山新首相の「政治とこの国の仕組みを根本から変えていくぞ」という強いメッセージが読み取れるようです。

 その姿勢は、鳩山新首相の就任記者会見にも顕著に表れています。
 「総理に選出いただいた瞬間に、日本の歴史が変わるという身震いするような感激と、この国を本当の意味で国民主権の世の中に変えていかなければならない、そのためにの先頭を切って仕事をしていく強い責任もあわせて感じました」と、冒頭こう切り出しました。
 (引用が長くなりますが)続けて「まだ歴史は変わっていない。本当の意味で変わるのはこれからの私たちの仕事いかんだ。今回の選挙の勝利者は国民であり、国民の勝利を本物にしていくために、国民のための政治を作り出していく。そのために脱官僚依存の政治を今こそ世の中に問うて、実践していかなければなりません。」

 鳩山演説はさらにー。そのためには国民も共に政治に参画するという意識が必要であること。何しろ「未知との遭遇」にも等しい経験のない世界に飛び込んでいくのだから、試行錯誤し時に失敗もあるだろう。国民には寛容の心をもって辛抱強く新政権をお支え願いたい、というような内容でした。
 私は従前の官僚の作文の棒読みではない、鳩山首相自身の血の通った肉声で国民に直接話してくれたな、という印象を強くもちました。「政治家は言葉が命」とはよく言われます。しかしこれまで政治家の不誠実な言葉をずいぶん聞かされ続けてきた身には、久しぶり政治家の本心の吐露を聞いたな、という新鮮な感じがします。

 オバマ大統領の就任演説に勝るとも劣らないと思われる、今回の「名演説」にはどこもケチをつけるところはありません。ただ政治家は「言葉」とともに、その放った言葉(つまり政治公約)を着実に実行していく実行力、実現力の方が遥かに重要です。政治家なかんずく首相に求められるものは、ただ一つ「結果責任」。

 鳩山由紀夫はテレビなどを通しても、とにかく「育ちのよさ」が感じられます。それに輪をかけて「友愛」を公然と語り、また時に「宇宙人になりたいと思っているんです。地球人を超えたい」「UFOというものの存在も、頭の中では理解しています」と言ってはばからない御仁。私なら丸ごと受容出来ます。しかし一般国民、特に従来の永田町的政治風土では、どこか頼りなく青臭い政治家との印象が強かったかもしれません。
 しかしここのところの鳩山氏は顔がきりっと引き締まり、眼光鋭く、まさに「闘う男」「闘う政治家」の面目躍如という感じがします。ついつい『この男ならやってくれるんじゃないか』と期待してしまいます。

 それには国家戦略相の菅直人をはじめ、外相の岡田克也、財務相の藤井裕久、国交相の前原誠司、厚労相の長妻昭、行政刷新相の仙石由人、郵政・金融相の亀井静香など、各大臣の個人的力量と共に、鳩山首相の下一致結束して「歴史的大改革」のためのチームプレーも欠かせません。(なお閣僚ではないものの、衆院の外交委員長に決まった新党・大地の鈴木宗男が面白いと思います。おそらく外務官僚には恨み骨髄でしょうから。この際「伏魔殿」の実態を白日に曝してもらいたいものです。)

 とにかく鳩山新首相の下、これだけの強力な布陣でこの「腐り切った日本」が変わらないようなら、もうこの国は本当に「ジ・エンド」だと思います。鳩山首相も言ったように、私たち国民も政権に参画しているんだという意識のもと、寛容さをもって見守り、育て、サポートしていきたいものです。

 (大場光太郎・記)

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