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九月尽(2)

   雨しとと家並み木立に九月尽(くがつじん)   (拙句)

 最近は秋雨前線が関東から中国地方まで、太平洋側列島に長く伸びて停滞しているとのこと。そのため前線の刺激により、当地でもきのうきょうは雨がちのぐずついた天気が続いています。
 一年間の月別雨量では例年ならば、二百十日を月初に迎え台風シーズンでもあり、9月は6月と並んで雨の多い月のようです。ところが今年に限っては関東地方の場合晴れの日が続き、おとといまでの9月雨量は例年の20%くらいだったそうです。きのうきょうの雨で例年雨量に少しは近づいたのでしょうか。それにしてはどちらかというと傘も要らないような小雨がちで、さして貢献しなかったかもしれません。

 ですから冒頭の拙句は「雨しとと」でありまして、「雨しとど」でも「雨しとしと」でもありません。「雨しとと」。これはひょっとして私の造語かもしれませんが、それによってそんなに本降りの雨ではないということを表現したかったのです。と俳句において本来こんな説明は不要ですし、してはいけないのかもしれませんが、何せそこは「素人俳人」のこととご寛恕賜りたいと存じます。
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 さて9月も末日ですが、何といっても今月最大の政治的、社会的イベントは、政権交代による鳩山新政権が発足したということに尽きると思います。スタートしてまだ2週間ほどの新政権に早々と評価を下すのはいくら何でも早すぎます。
 それでも順調なすべり出し、スタートダッシュにはまずまず十分成功したと見ていいのではないでしょうか。
 新政権は官邸主導、政治的一元化を目指す目的で、国家戦略局という新しい部局を設置し、初代大臣に菅直人を据え、従前の官僚任せではない政治家主導の姿勢を内外に強くアピールしました。今は「室」であり今後どうしたいのかはまだ具体的には見えてきませんが、早く「局」に格上げして本来の機能を発揮して、「政治改革」「霞ヶ関改革」を進めていってもらいたいものです。

 鳩山新首相自らが、政権発足後1週間くらいで国連の場に乗り込み、気候変動首脳会議の演説で日本は「2020年まで温室効果ガス25%削減」を実施するとぶち上げ、世界中の度肝を抜きまた賞賛もされました。これは我が国にとって、重大な責任を伴う「世界公約」であると共に、環境問題という重要分野で世界各国の中で今後我が国がイニシアティヴを取れるということでもあります。
 思えば自民党政権下での時々の首相といえば、アメリカ様の顔色をひたすらうかがうばかり。「我が国としてどうしてもこれをしたいんだ」という、世界への強いメッセージ発信力は限りなくゼロに近いものでした。とにかくあの国連演説をした鳩山首相の姿に、本来あるべき「プライム・ミニスター(宰相)」を見る思いでした。

 その他藤井財務相、前原国交相、原口総務相、長妻厚労相、亀井金融相など、司つかさで改革のための新機軸を出し合って、脱官僚依存、政治主導の流れを作り出そうとしています。
 そんな中、かつて野党時代の「ミスター年金」長妻大臣に、厚労省官僚は恨み骨髄。それは自分たちの積年のデタラメ、ズサンさを棚上げした逆恨みもいいとこですが、就任時の1階総出迎えでは拍手一つしませんでした。他の官庁は一応は新政権の出方をとりあえずは様子見なのに、この官庁は最初から敵意丸出し、対決姿勢でした。自民党政権の尻拭いといっていい、消えた年金問題、後期高齢者医療や身障者自己負担費、派遣法改正などの見直し、撤廃問題等々。厚生、労働両分野で、手をつけるべき課題が非常に多い問題官庁ですが、とにかく報道されない官僚たちのいやがらせが凄まじく、さすがの長妻大臣も音を上げる寸前との話も洩れ伝わってきています。省益、保身だけの薄汚い厚労官僚なんかに負けるな、長妻大臣 !

 亀井金融相の中小企業の借入金の「3年間モラトリアム」。亀井自身と弱小国民新党をアピールするためのパフォーマンス的意味合いもあるのかもしれませんが、アイディアとしてはなかなか面白いと思います。我が国の9割以上を占める中小企業への目配り。「大企業目線」の自民党政権下では絶対打ち出せない政策です。閣内の藤井財務相はじめ金融機関、経済ジャーナリストなどからも、劇薬だけに副作用を懸念する慎重論が多いようです。
 しかし小泉格差増大政治によって、地方も中小企業も疲弊し切っていて何らかの有効な手立てが早急に必要です。亀井大臣、藤井大臣など省庁横断で十分協議して、最も有効な着地点を探ってもらいたいものです。

 前原国交相の「八ッ場ダム建設中止」も大いに評価できます。建設計画が持ち上がったのは、今から57年前の昭和27年のこと。時代は大きく変わって、途中でダムを作る必要性がまったくなくなったのです。にも関わらず、族議員、天下り役人、一部ゼネコン、おこぼれいただきの各県や周辺自治体のためだけに延々造り続けて、何千億円。詳細には述べられませんが施工上障害が多く、完成まで後どれほどの年数を要するか知れないシロモノです。上記関係者やマスコミがいくら騒ごうが、即刻中止した方がお国のためなのです。
 しかしこの問題の一連の騒動には、政治的転換がいかに難しいか痛感させられました。実際に中止に到るまでは紆余曲折、前途多難が予想されます。だからといって既得権益者たちの言いなりになって続行では、まさに亡国行為です。同ダムは「政官財癒着公共事業」の象徴のようなもといえます。これを中止する意味は測り知れません。全国各地の同様のムダ工事中止の生きた範例となるからです。
 ただダム建設のために翻弄され続けてきた、一番の被害者である地元住民の方々には、個別にきちんと対応し、手厚い保証をお願いしたいと思います。

 その他前麻生政権下での概算要求を白紙見直し、新政権として新規の予算編成をし直すこと。独立行政法人などへのお役人の「天下り禁止」を明確に打ち出したこと等々。政権が変わると、政治はこれほどドラマチックに動くものなのかと驚いてしまいます。
 だがこれらはすべて、霞ヶ関官僚との衝突が避けられない問題です。かのマッカーサーですら手がつけられなかったと言われる、我が国の「官僚機構改革」。初めは面従背服、やがて自分たちの省益が脅かされると分かると、リーク、資料隠し、さぼり、恫喝何でもありのしたたかな官僚たち。
 しかし、伏魔殿的霞ヶ関の深部にまで斬り込まなければ、「真の改革」はないわけです。国民もそれに期待していることを忘れず、今後とも一歩一歩具体的成果に向けて歩みを進めていってもらいたいものです。

 (大場光太郎・記) 

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