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薬物汚染の拡がりを憂う(25)

 26日は台風20号が列島に沿って太平洋上を北上し、その影響で首都圏も朝から冷たい雨が降りしきりました。そんな中注目の酒井法子被告の覚せい剤取締法違反(使用、所持)罪での初公判が、東京地方裁判所(以下「東京地裁」と略称)で開かれました。
 事件としての重要性からすれば押尾学の事件の方が断然のはずですが、世間の注目度においては酒井事件がダントツです。それを示すように、この日同被告の初公判を傍聴しようと朝から大勢の人々が押しかけました。早い人は昨晩11時頃から小寒い雨の中たった20席分の一般傍聴券を求めて待ち続けたようです。

 事前に混乱が予想されたため、東京地裁は隣接する日比谷公園内に傍聴希望者を集めて整理券を配り、抽選する方式を取りました。事前の予想では、平成8年4月24日のオウム真理教の麻原彰晃死刑囚(本名:松本智津夫)の、初公判時の12,292人という歴代1位の記録を抜くのでは?とも言われていました。でもさすがに悪天候の影響もあってか、実際同公園に集まったのは6,615人で第2位にとどまりました。
 しかしこの数字は、傍聴希望者/傍聴席で比較すると、麻原死刑囚の場合が約256倍、対して今回の酒井被告の場合は約330倍と、こちらの方では歴代1位となりました。

 酒井法子被告の初公判が開かれる425号法廷は、21日3被告の先陣を切って行われた酒井の夫高相祐一被告、23日の押尾学被告の時と同じ法廷です。同法廷は東京地裁4階にあります。そしていずれも記者席を除いた傍聴席は20席でした。
 そもそも425号法廷は、東京地裁の全法廷では「中法廷」です。今回の薬物3被告の初公判は世間の注目度が高く、傍聴席確保のため大勢の人たちが押しかけることが当初から分かっていたわけです。同地裁には例えば、1階には最も広い104号法廷(傍聴席98)、それに準ずる同階の103号法廷があるのです。ともにいずれの日も、それらの法廷は“空き室”だったのです。ならばこれらの法廷を使って、もっと傍聴者数を多くしてもよかったのではないでしょうか?

 それに対して、「どの法廷を使うかは裁判官の裁量次第。今回は事件の重大性の多寡を考慮した部分もあったのではないでしょうか」というのが、同地裁広報のコメントでした。いやいや。酒井事件のように「世間の注目度」、そして押尾事件のように「謎と闇の深さ」からして、今回の一連の初公判は十分「重大性のある事件」だったと、私は思うのですが…。

 降りしきる秋雨にも関わらず、色とりどりの傘をさした傍聴希望者やビニールガッパを着た報道陣でごった返す日比谷公園にあって、胸にとりどりのリボンをつけた1000人もの一団がいて目を引いたそうです。これはテレビの公開番組の観覧者を集める都内某社が動員したアルバイトとのことです。同社はホームページで呼びかけ、この日の朝同公園内の日比谷図書館前に集合させ、名前の五十音別に青、黄、緑、ピンクなどのリボンをつけて列に並ばせました。各自が整理券を受け取ったら同図書館前に戻り、会社スタッフに整理番号を報告する仕組みだったようです。

 ちなみに報酬は「当たり」だった場合は1万円、「外れ」の場合は千円とのこと。報酬額は全部外れの場合でも百万円にはなる勘定です。またアルバイトを先導する30人のスタッフ費用としてさらに数十万円、しめて百数十万円くらいかかったといいます。
 そんなに手間ひまかけて手に入れた傍聴券を、一体何に使うのでしょう?しかしそれに見合う何かの見返りがあってこその企画だったのでしょう。いわゆる“ダフ屋”の大掛かりなヤツか?なになに。20÷(6615÷1000)= 約3.02。つまり確率的に言えば、1000人を並ばせれば20席のうち3席分がゲット出来るっていうわけか !?それを欲しい誰かに1券当たり60万円以上で売れば、何とか採算はとれるわなあ。
 いやはや、今回の酒井初公判をめぐってこんな珍商売を編み出すとは ! そういう世相なのだとは言え、世の中には商魂たくましい連中がいるものです。

 話は変わって。今公判には、国内はおろか海外メディアも注目し、香港、上海、台湾などからも取材陣が押しかけ、傍聴希望者を並ばせたメディアもあったようです。向こうでは今なお「のりピー」は絶大な人気があり、やはりメディアとしても注目せざるを得なかったのでしょう。中には「一面扱いにする」という新聞社もありました。
 国内テレビ局が、北京、上海、香港などのファンの声も紹介していました。多くは今回ののりピーが犯した薬物事件を一応断罪しながらも、罪を認めてきちんと償ったら、今後の芸能界への復帰を希望するというものでした。のりピーは、こんな暖かい海外のファンに今後どのような形で応えていくつもりなのでしょうか?

 依然秋雨降り続く12時50分前頃、東京地裁西門に黒、白2台の車が入っていきました。どちらかに酒井被告が乗っているもようです。車窓は黒い目隠しシールで覆われていて分かりませんでしたが、どうやら後ろの白い車の後部に酒井被告はいたようです。車はそのまま、地裁地下駐車場へと消えていきました。
 また地裁には、情状証人として酒井の育ての親といってもいい、サンミュージックの相澤正久副社長も入りました。同証人には当初継母(酒井智子-法子の父にして暴力団酒井組組長・故酒井三根城の3番目の妻)が出廷する予定でしたが、ガン手術の術後が思わしくなく、急遽相澤副社長に変更になったもようです。  (「酒井初公判」は次回につづく)

 (大場光太郎・記)

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