« 薬物汚染の拡がりを憂う(21) | トップページ | 秋の名句(2) »

薬物汚染の拡がりを憂う(22)

 田中香織さん死亡にまつわる事態で最重要事は、事件発生当時六本木ヒルズレジデンスB棟2307号(B棟の23階7号室)はどのような状況だったかということです。取分け問題になるのは、事件発生当時同室にいたのは田中さんと押尾学の2人だけだったのか、それとも他に誰か別の人物もいたのだろうかということです。
 警視庁は当初から今に到るまで、同室にいたのは田中さんと押尾の2人だけという基本姿勢を崩していないようです。「信用できない警察」は困りものですが、これはまるで信用できません。

 事件当初から複数の事情通から洩れ伝わってきていることには、事件発生当時同室には押尾以外に2、3人いたはずだと言われているのです。そしてしきりに名前が上がっているのが森祐喜(41)、森元総理の長男で現職の石川県会議員です。さらにあっと驚くような意外な人物が当初から噂に上っているようです。その人物とは、オリンピック水泳競技で幾つもの金メダルに輝いたあの北島康介(27)です。“さわやかイメージ”の北島は、麻生政権下で国民栄誉賞の候補者にもなりました。
 真相のほどは分かりませんが、北島も森祐喜などと共に事件前から押尾学とはお友だちだったようです。銀座のクラブで一緒に遊んだり、問題のヒルズの“やり部屋”には出入り自由だったとみられています。

 そして北島康介を押尾に引き合わせたのが、パチンコ機器卸会社「フィールズ」の会長であり、競走馬の馬主でもある山本英俊(やまもと・ひでとし-55)という人物だったようです。山本会長は押尾のタニマチでもあり、田中さんが生前勤めていた銀座のクラブ「ジュリア」に押尾を連れて行ったのも同会長であり、また押尾が保釈されて数日後銀座のゲイバーのVIPルームでドンチャン騒ぎさせたのも同会長だったのです。
 パチンコ業界は深いところで闇社会とつながっています。そういえば押尾の保釈金を用立てたのは、パチンコ業界のドンである熊取谷稔(いすたに・みのる-69)と言われています。そしてパチンコ利権に食い込んでいるのが、森元総理であり警察官僚出身議員の平沢勝栄であったのです。(熊取谷稔は、これまでも政財界の暗部に深く関わってきた来歴があるようですが、それはまた別の問題です。)

 しかしここにきて、パチンコ業界のドンたちは押尾事件から手を引き始めているようです。理由は幾つか考えられますが、最も大きな理由は「押尾以外は、厄介な人物まで捜査の手は及ばないだろう」と確信していることが上げられると思います。である以上、これ以上首を突っ込んでも何のメリットもないわけです。これは酒井法子失踪に関与した富永保雄などとも共通したスタンスです。
 そういうこともあって、保釈後40日以上が経過した今、押尾を取り巻く状況はさま変わりしつつあるようなのです。

 しかしこの事件を長く追及してきた(?)私の考えとしては、少なくともピーチ・ジョンの野口美佳社長(44)の責任問題、そして問題の部屋には事件発生時誰がいたのかだけは最低限明らかにしたもらいたいものだと思います。
 六本木ヒルズレジデンスには、問題の2307号室を含めて、野口社長はつごう6室も借りていたと言われています。それらの“やり部屋”には、押尾ら芸能人、政界ジュニア、有名アスリート、中央官僚、IT社長などが自由に出入りしていたと言われています。野口はそれらの部屋でクスリやセックスやり放題だったことは百も承知。それのみか野口社長自らが積極的に彼らの売春を斡旋していた疑惑が取りざたされているのです。

 しかし野口美佳は周囲に、「私は大丈夫。警察の偉い人や国会議員をいろいろ知っているから」と涼しい顔で言い放っているようです。実際警察、検察幹部も問題の乱交やり部屋のお客さんだったというのですから、あきれ果てた話です。
 それに以前少し触れましたが、野口社長の元夫・野口正二は稲川会系暴力団と関係があり、AV大手製作会社・桃太郎映像の実質的経営者です。(なおピーチ・ジョンという社名は、英語流の「桃太郎」の意味)。いざとなれば闇社会ルートもあるのです。またPJはワコールの子会社で、野口美佳はワコールの筆頭株主という超資産家です。その資金力にものをいわせて、うるさいマスコミ各社を黙らせることなど朝飯前のことでしょう。
 『こりゃ、追求はとてもムリだわ』という状況なのです。このような構図こそは、小泉-竹中主導による新自由主義の「弱肉強食・獣社会」の格好の見本のようなものです。

 ところで警察からの情報では、森祐喜に関することはまったく出てきていません。しかし先に述べたとおり、田中さん変死を早々と「事件性なし」として片付けようとした腐り切った組織です。まるで信用できません。森元総理→U官房副長官という圧力図式があったのかどうかも含めて、この際真実を満天下に明らかにしてもらいたいものです。
 レジデンス内の監視カメラも、当然のことながら警視庁は押収してその画像解析などとうに終えているはずです。同日事件発生前後の時間帯に一体誰と誰が出入りしていたのか。個人情報の問題があるとはいいながら、人が一人変死している重大事件なのですから、警察はその事実もはっきり公開すべきなのではないでしょうか?(ただし残念なことに、事件当日の当該時間帯だけ映像が消されているという情報もあります。その場合は、知られてはまずい誰かが証拠隠滅を図ったことになります。)

 押尾学の再聴取が開始されたことから、この事件における「政権交代効果」が見え始めました。しかしこんなことは序の口であるべきで、私は捜査のメスが野口美佳、森祐喜にまで及ばなければ本物とは認めません。
 もし今後野口美佳、森祐喜逮捕、森元総理政界引退などという驚愕の展開があるようであれば、その時はじめて「あヽ日本の警察もやっとまともな組織に生まれ変わっんだな」と評価したいと思います。

 (大場光太郎・記)

|

« 薬物汚染の拡がりを憂う(21) | トップページ | 秋の名句(2) »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。