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横浜晩秋暮色

   さざんかの花弁落ちたる暮色かな   (拙句)

 巨大な雨雲に日本列島全体が覆われたこの日、『こんな雨の中、行くの嫌だなあ』とも言っておられず、かねての予定どおり横浜に行きました。
 横浜駅から根岸線に乗り継いで、今回は2つ目の関内駅で降りました。神奈川県庁担当部署に申請書類を提出するのが目的ですが、途中独立行政法人○○共済機構神奈川支部で某証明書を取ります。それを添付しないと受理されないからです。

 関内駅と隣接した横浜市庁舎の間の広場には、ケヤキが何本も植えられています。春は鮮やかなケヤキ若葉、夏には鬱蒼と日陰をつくるケヤキ並木の風情です。しかしこの晩秋、横浜港が目と鼻の先の海抜といってもあるかなきかの土地柄とはいえ、さすがにケヤキもだいぶ色づいて通る者の心を衝(つ)くものがあります。
 とはいえとにかく役所に急ぐ身には、十分に都会の中のケヤキ紅葉を味わういとまなどなく。降りしきる雨に濡れた舗道に散り敷く落ち葉をちらちら見やって足早に通るのみ。それでもふと、かのヴェルレーヌの名詩『落葉』の一節が頭をよぎりました。そして『そうだ。ブログで同詩を取り上げるんだったな』とも。ここ最近当ブログ、すっかり事件記事づいてしまって。

 ○○共済機構で証明書を発行してもらい、なおかつ日本大通沿いのいつもの日本生命ビル内の分庁舎の何階かに上ります。今回はそこでは、神奈川県の収入証紙を求めるためにです。ついでに申せば、国民、県民、市民あるいは民間業者などが担当機関に書類提出する場合、大きく「○○申請」と「○○届」の二種類があります。どこがどう違うのか?私にも今もって分からないところがあります。しかし確実な区別として、申請の場合はほとんどが「申請料」を納めるかたちとなります。つまり間接的な税金ですね。それが今回は、県の証紙を申請書所定ページに貼付という形態を取っているわけなのです。
 このように各行政機関は、実にさまざまな目に見えない形で「税」を徴収しています。なのに、それでも税収不足だというのですから。今回のテーマではないながら、現システムは根本的に間違っているところがあるのでしょうね、きっと。政権交代云々などでは解決できない根深いものが。

 今回は「経営事項審査申請」という申請のための来庁です。建設業者にとって、指名参加官庁の各工事ごとの基礎点数(ランク付け)が決まる重要な申請です。常時受け付けというわけではなく、各年度初めに県が決めたスケジュールの日だけの申請となります。そのため比較的大勢の業者、行政書士が押しかけるため、建設業課のある日本生命本社ビルでは対応できません。日本大通を越えて、より横浜港に近い民間のさるビルの何階かが以前から受付会場となっています。
 2社分の提出です。そのうち1社分は、先月末申請したものの、『そんなこと大勢に影響ないじゃん』というようなことを指摘され、不受理。業者に不正が多いからなのか、それとも単に国土交通省、各県お役所の権威をさらに強化したいだけなのか。建設業関係の申請はほぼ毎年のように手続き変更で。「役所の仕事はめっきり減ってるのに、こうやって業者を苦しめるようなことばかりやって」と、各業者さんのこぼすことこぼすこと。
 いずれにしても、前回は空戻りの厄日となりました。今回はその補正申請です。

 私は何年か前から、中途半端な時間に来庁すると、えらく待ち時間が長いもので、受付終了(今回は3時半)ぎりぎりくらいに行くことにしています。入ってすぐの長机の上の番号札を取って、ずらり並べられた待機用の長机の後ろの方に座ります。幸い本日はガラガラ、そんなに待たなくてもよさそうです。
 一番奥に長机が2つ並べてあり、来庁者と対面で4人の受付担当者が着席して書類審査しています。見れば前回はねられた時の、30代と思しきメガネをかけた痩せぎすの女性(私の最も苦手なタイプ)もいるではありませんか。私は内心『どうかあの人じゃありませんように』と念じながら待っていました。
 きょうは厄日ではなかったようで。物分りの良い男性職員で、審査の次第は順調に進み、両社ともめでたく申請受理とあいなりました。4時15分過ぎ頃、会場を後にしました。

 終日の雨のせいもあって、街はすっかり暮色が兆しています。本日深夜には例の市橋容疑者逮捕、千葉県警行徳署までの移送劇でてんやわんやでした。しかし街をひっきりなしに行き交う人々にとって、一夜明ければそんなことはまるで関係ないわけで。一人一人のスケジュール、行動パターン、生命(いのち)の軌道に急(せ)かされるように、めんめめんめに通りを足早に歩くのみです。
 街路樹や植込みの草花は、人事にはさらに頓着ないわけです。舗道上には、人の手のデフォルメのような大小さまざまなプラタナスの落ち葉が、定めなき人の世を暗示するようにてんでばらばらな方向に散らばり、濡れて舗道にべったり張りついています。さすが季節の移ろいというもので、植込みはもう山茶花(さざんか)が主流です。そのピンクの花が深まりゆく暮色の中で、引き立って見えています。また直下の地面には、早や散り急いだ花の幾片かが落ちていて、それもまたやけに生き生きと目に迫ってきたのでした。

 (大場光太郎・記)

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