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時の話題(3)

 美人時計?

 先日たまたま民放のある報道番組を見ていましたら、「美人時計」という耳慣れないことを特集していました。何でも同ウェブサイトにアクセスすると、文字通り美人がその時々の時刻を知らせてくれるというもののようです。(アクセスは無料)
 同番組では撮影の一こまなども紹介していましたが、なるほどとりどりの若い美女が、街角で小さな黒板を手に持って立って、その黒板に時刻がチョークで手書きされているのです。
 
 私はそれまでまったく知りませんでしたが、今年年初から注目されているのだそうです。何でも、口コミで広まって今では月間アクセスが2億件を超えるほどの大ヒットだそうです。何しろ時刻を確かめついでに、美人の顔も見られるわけですから、世の男性諸氏とすれば一石二鳥いなそれ以上の付加価値があるものなのかもしれません。とにかく何分かおきに新たな美人と出会える楽しみがあり、「癒される」と評判で、職場のパソコンで使っているビジネスマンも多いとのことです。

 表示はさすがに秒単位とまではいかず、1分ごと。1人の美女が4分間を担当するようです。つまり1人4回分登場するわけですが、もちろん背景、ポーズなどは変えてあります。ざっと計算しますと、60(分)×24(時間)÷4 = 360人。この「美人時計」には、都合360人もの「美人」が登場することになります。
 すべてがストリートスナップの上、登場する「美人」は、いわゆるプロではなく女子大生やОLといった素人女性です。画面でもその素人の初々しさが出ていて、それがかえって「受ける秘訣」ともなっているようです。しかし中には、年のせいで美人についてのストライクゾーンが広い私でも、『えっ。この娘(こ)が美人?』という例もあるようです。

 最近は「美人流行(ばや)り」です。特にマスコミは、何かというと「美人」という形容をつけたがります。いわく、美人ホステス、美人代議士、美人ゴルファー、美人看護師…。例の結婚詐欺事件の木嶋佳苗も、本当は「美人詐欺師」とでも形容したかったところでしょう。ところがいまだに顔写真を公表していないものの、素顔を知っているテレビ局としては、どうしても「美人」とは銘うてなかった。それで視聴者の関心が急速に薄れてしまった、というような本当かウソか分からない話もあります。
 
 そういうご時世ですから、名前は忘れましたが何とか氏は、それにあやかってこのアイディアを思いついたということなのでしょうか?それにしても「美人」に「時計」という組み合わせは、思いつきそうでなかなか思いつかないことです。こういう意外なコラボレーションの中から、ヒット商品は生まれてくるというかっこうの見本のようなものです。
 美人時計の成功を受けて、今月25日からiPhone/iPod touch向け時計アプリ「パリ版・美人時計」の提供も開始したようです。同じように美人パリジェンヌがパリの街角で黒板を手に持って…。

 今は何でも「便乗の時代」です。美人時計のヒットにあやかって、類似コンテンツが続々登場しているようです。美人時計が男性向けとすれば、その女性版ともいえる「美男時計」やギャル版の「ギャル時計」。レースクイーンが登場する「サーキット時計」などが既に配信中だそうです。
 その上極めつけが「AV時計」だそうです。もちろん無料で、Fカップ美女から40代の美熟女まで、数人のAV女優が1分ごとに入れ替わり立ち代わり現われるようです。某ITジャーナリスト氏によると、同じ女優でも見るたびに露出度やポーズが変わるから飽きないそうです。

 美人時計からとんでもないものにまで話が脱線しました。いずれにしても、この長期化する不況の時代、同業者が苦しみあえいでいる中で稀にずば抜けた業績を挙げている会社もあるものです。やはり今回の美人時計ではないけれど、その差を生んでいるのは、ちょっとしたしかし意外に思いつかない「アイディア」の差なのかもしれません。
 私もこの年末年始は無い知恵を絞って、少し創意工夫をしてみるとしますか。

 (大場光太郎・記) 

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