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薬物汚染の拡がりを憂う(31)

 押尾学、再逮捕へ(2)

 押尾学の麻薬取締法違反(譲渡)による再逮捕の動きに、4日午後10時過ぎ、東京六本木の麻布警察署前には続々と報道陣が集まり始めました。同時に師走の金曜日の夜とあって、宴会後のサラリーマンや通りがかりのやじ馬でごった返したようです。署員は拡声器で立ち止まらないよう呼びかけました。また見物人には「警察署前に見学場所を設けましたので、そちらへお願いします」と、異例の案内まで行いました。
 前回逮捕された8月3日と同じような光景が繰り広げられたようです。

 ところで警視庁捜査1課は押尾学の逮捕状を取り付けたものの、丸1日以上経った現在も押尾は逮捕されていません。これは、押尾の他に関係者3名も同時に逮捕するとのことですが、そのうちの1人の行方が分からず、それが分かり次第4人まとめて逮捕ということのようです。
 しかしこれは警察による表向きの発表で、何と押尾自身の行方が分からずに逮捕できないのでは?と言われているのです。確かに“ホンボシ”は押尾学なのですから、押尾の身柄を真っ先に確保するのが最優先のはずです。それに押尾は執行猶予とはいえ、有罪が確定している身です。行動は著しく制限されていてしかるべきです。なのに「行方不明」 ?警察内部の誰かが、逮捕情報を事前に流したのでは?とも囁かれています。いやはや、何とも滅茶苦茶な話です。
 
 ともかく。関係者によると最近の押尾は、ある芸能事務所の女性社長を頼りながら、首都圏を自分の運転する車で転々とする日々だとか。都内の同社長宅や友人宅、八王子市内でもたびたび目撃されたことがあったそうです。多摩市内の実父のマンションには、判決後は数回訪れただけだそうです。

 押尾学は判決後、警視庁の任意の事情聴取に一度しか応じていないといいます。その後の事情聴取を拒む姿勢を見せたため、捜査の進展には逮捕が必要と判断したもののようです。押尾はどうも「先の判決で一件落着。その先の逮捕や立件はない」と思い込んでいたフシがあります。なのに「逮捕状」。さぞ泡食っていることでしょう。
 ある情報筋によりますと、今回の再逮捕への動きを促したのは東京地検だといわれています。捜査、立件に今ひとつ消極的な警視庁に対してハッパをかけたと見られています。どういうわけか「地検は本気」で、警視庁捜査1課もそれにあおられた形だというのです。

 また押尾学だけではなく、押尾からの通報で現場となったヒルズレジデンス2307号室に駆けつけた、元エイベックス社員で押尾の元マネージャー2人と、押尾の知人に対しても逮捕状を取っているものと見られます。田中香織さんの異変後、直ちに119番通報せず放置し、さらには田中さんの携帯を遺棄するなど証拠隠滅を図った疑いによるものです。
 既報のとおり、警視庁、検察庁の元お偉方が天下っているエイベックスもまた、たかをくくっていたフシがあります。同社もまた大慌てでしょう。これはやはり「政権交代」によって、従前の常識が少しずつ変わり始めていることの現われとみるべきなのでしょうか?

 いずれにしても前回の逮捕は、警視庁組対(組織犯罪対策)5課でした。それが途中から、「殺人専門」の捜査1課が引き継いだのです。同課は判決後も、田中香織さん(当時30)の死亡に到る経緯と押尾の行動に因果関係があったかどうか、保護責任者遺棄致死の疑いを視野に捜査を進めてきました。
 同課では、押尾学が田中さんの容態急変後救急車を呼ぶなど、適切な延命措置を怠ったことが田中さんの死につながったと判断。また異変発生後田中さんは1時間近く生存していたにも関わらず、押尾は途中で田中さんを放置して逃げ出したことも重視しています。ズバリ捜査1課の狙いは、押尾学の「保護責任者遺棄致死罪」での立件なのです。

 また一方では、仮に早い段階で救急治療を受けていても、高い確率で救命できたかどうかの立証は困難との見方もありました。
 しかしある専門家の見方では、押尾から田中さんへ「MADAが譲り渡された」となると、一段と保護責任者遺棄を問える可能性が高まったとしています。というのも、MADAの流れが従来から押尾が主張してきたように「田中さん→押尾」ではなく、「押尾→田中さん」であった場合、当然女性の死因(薬物中毒死)となったMADA摂取の原因は押尾学にあるということになります。ただそれを裏付けるためには、押尾にMADAを渡した第三者がいることが重要ですが、今回逮捕状を取ったからには、捜査当局は既に何らかの有力な証拠なり情報なりを入手しているのかもしれません。
 こうして「麻薬譲渡罪」が確定すれば、次の段階として「保護責任者遺棄致死罪」の立件に持ち込めるはずです。

 いずれにしても押尾事件は、同時期の酒井法子、高相祐一の薬物事件とは根本的に違います。酒井、高相の場合は夫婦間の覚せい剤使用、所持だけの問題ですから、既判決でほぼ決したと見てよいと思います。
 しかし押尾事件の方は、ともかく人が変死した重大事実があります。それが現在のところ何も裁かれていません。その上その全容を知られると困る各方面から、事件もみ消しのためのさまざまな圧力がかけられた疑惑が濃厚です。押尾の麻薬使用、譲渡罪だけで「ハイ、おしまい」では困るのです。というより、それでは法治国家とは名ばかりの「暗黒国家」となって、この国の将来はお先真っ暗です。「この事件の真相解明にこの国の命運がかかっている」くらいの自覚をもって、捜査に当たっていただきたいものです。  (以下次回につづく)

 (注記) 本記事は12月5日付け『日刊スポーツ』などを参考にまとめました。

 (大場光太郎・記)

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