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米沢上杉藩物語(1)

 はじめに

 今年のNHK大河ドラマ『天地人』は11月22日で終了しました。どなたもご存知のとおり同ドラマの主役は上杉藩の重臣・直江山城守兼続でした。ドラマは兼続の生涯を描きながら、本能寺の変、朝鮮出兵、関が原の戦いなど激動の戦国絵巻を織り交ぜて展開されていきました。
 直江兼続は、終生仕えた主君の上杉景勝と共に、戦国激動のあおりをくって故郷の越後から会津、会津から置賜(米沢)へと転封されていきました。

 私は、最終的に我が郷土置賜地方が舞台となるドラマとあって、珍しいことに『天地人』を第1話から最終回まで欠かさず見続けました。そして時折り辛らつな批判交じりの感想などをシリーズとして記事にもしてきました。
 振り返ってみますと、私が郷里の東置賜郡宮内町(現南陽市宮内)で過ごしたのは18歳までです。そのため肝心の「米沢上杉藩」のことも、直江兼続のこともよく知りませんでした。特に直江兼続については、大変お恥ずかしいことに昨年8月記事『万物備乎我(6)』で、ある人と交わしたコメントによってはじめて知ったくらいのものでした。小、中、高校を通して、上杉藩のことや郷土史などを教わった記憶がほとんどないのです。

 『天地人』終了と共に、大河ドラマファンの関心は早や、今放送中の『坂の上の雲』あるいは来年の大河ドラマ『龍馬伝』の方に移ってしまっていることでしょう。少し時期を逸した感は否めませんが、10代までを郷里で過ごしかつ『天地人』をシリーズで記事にした者として、「米沢上杉藩」をご紹介する義務のようなものを感じます。
 それによって、これまであまりよく知らなかった郷土の歴史や上杉藩のことを、私自身学び直し、再認識していければと思います。

 本シリーズ何回になるか分かりません。多分飛び飛びになろうかと思いますが、ご関心がおありの方ご一読くだされば幸いです。

 置賜地方の地理など

 置賜地方は、山形県内陸南部に位置する一地方です。「おきたま」「おいたま」どちらの読み方でもオーケーです。ただ「おきたま」の方が古い呼び方のようです。
 現在でいえば置賜地方は南東部の米沢市を中心とした「米沢都市圏」、それに北接する南陽市を中心とした「南陽都市圏」、そしてこの両者の西に接する長井市を中心とした「長井都市圏」の三つの地方都市圏に分類されます。「都市圏」とは言ってもしょせん山形県の一地方のこと、人口で見ても米沢都市圏は14万人、長井都市圏は6万人、南陽都市圏は4万人、合計でも24万人に過ぎません。(ちなみに、現在居住しております厚木市は一市だけで22万人以上、お隣の平塚市に至っては26万人以上です。)

 同地方は現在、米沢市、南陽市、長井市、高畠(たかはた)町、川西町、小国(おぐに)町、白鷹(しらたか)町、飯豊(いいで)町の3市5町を含む地域となります。
 かつてその一隅に住んでいた者としては、『けっこう広い地域だったんだなあ』というのが実感です。この広大な一帯をそっくりそのまま、江戸時代を通して上杉藩が領地としていたわけです。

 また置賜地方は四方を奥羽山脈や吾妻山地、飯豊山地などの山並みに囲まれています。別の分類では、山形県庄内地方に河口を持つ最上川の上流部にあたる米沢盆地と、新潟県下越地方に河口を持つ荒川の上流部にあたる小国盆地(小国町)の二つの流域があり、両者は出羽山地の分水嶺で分けられます。
 米沢市、長井市、南陽市の中心部は、内陸盆地の地勢で見通し良く開けた感じがあるものの、同時に(私が小学校1年の秋までを過ごした旧吉野村太郎のような)山間僻地もまた多く、山形県と福島県を隔てる県境の飯豊連峰、吾妻連峰から山形県側の同地方は、途端に豪雪地帯となります。現在では高地を利用した放牧畜産が盛んで、分けても“米沢牛”は名産として知られています。
 とにかく関が原以後、米沢に移封して置賜地方を領地とし、全域の開墾と藩経営に乗り出した、兼続をはじめとする上杉藩士たちのご苦労が偲ばれます。
 
 県庁所在地である山形市を中心とする村山地方は、県政、県経済両面で山形県の中枢部となっていますが、村山地方から東京への陸上交通には、置賜地方を通って福島県に至る山形新幹線と国道13号があります。
 ただ高速道路は村山地方から宮城県に直接入って東北自動車道と繋がる山形自動車道のみであり、置賜地方を通過しないことになります。現在置賜地方を通って福島市で東北自動車道と繋がる東北中央自動車道が建設中です。
 また南側の福島県会津地方との間は、国道121号、西側の新潟県下越地方との間は、米坂線(鉄道)と国道113号で繋がれてします。  (以下次回につづく)

 (大場光太郎・記) 

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