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指揮権発動はあるのか?

 21日の衆院予算委員会で、いよいよ本格的な与野党論戦がスタートしました。午後自民党の谷垣総裁が質問に立つ初めての党首対決とあって、興味があり少しテレビ中継を見てみました。
 谷垣禎一氏(以下敬称略)は小泉政権以来財務相などを歴任し、国会論戦には十分なキァリアがあるわけです。ただ今までは野党の質問に答える立場、今度は逆に質問し攻める方の立場。さてどうなのかな?と興味を持って見ていました。
 しかしさすがは東大法学部卒の元弁護士だけあって、論旨明解変に高ぶることもなく終始冷静沈着に、鳩山首相はじめ各閣僚に鋭い質問を浴びせていました。鳩山首相も質問から逃げないタイプですから、『今後いい政策論争が出来そうだぞ』と思いました。

 驚いたのは、そんな谷垣が小沢土地問題追及の中で、「指揮権発動」について言及したことです。仔細には覚えていませんが、「もしこの問題で指揮権発動もあり得る局面になったら、内閣としてそれを行使するつもりがあるのか?」というような突っ込んだ質問でした。
 もちろん地検特捜部の捜査の推移にもよりますが、出来れば自民党としては今国会を通して小沢問題をぎゅうぎゅうに追及し、あわよくば小沢一郎の幹事長辞任、さらには政界引退、鳩山政権崩壊にまで追い込みたいわけです。そういう自民党全体の意思が鮮明になった質問だったと思われます。

 それに対して受けて立つ鳩山首相も、担当大臣である千葉法務相も、「もちろんですとも。小沢幹事長は何といっても、わが党の柱ですからね。その柱を失ったら、内閣も党も総崩れですから。だからもしそうなったら、躊躇なく発動しますよ。その時はどうぞあしからず」などと、例え思っていてもそんなバカ正直な答弁はしないわけです。「今後とも検察の捜査を見守りたいと思います」「仮定の話はできません」と言うのが当然です。

 ちなみに「指揮権(しきけん)とは、より上位の機関が、より下位の機関に対して指揮を行うことができる権限を言う。軍隊における指揮権、日本における法務大臣による検事総長に対する指揮権などが有名である」(フリー百科事典『ウィキペディア』より)とあります。
 上記指揮権を行使するのが“指揮権の発動”ということになります。小沢問題に引きつけて言えば、万一小沢が地検から逮捕されそうになった場合、検察を統括する立場にある千葉法務大臣が、樋渡検事総長のその決定に待ったをかけて小沢逮捕を免れることを意味します。

 先日小沢幹事長は、結局検察の事情聴取に応じることにしました。今週末の23日に行われる見通しのようです。20日夜の輿石参院議員会長らと都内で会食し、自身の参考人聴取に関して、「身は潔白」「近いうちに国民の理解を得られるような状況をつくるつもりだ」と自信満々のようすだったと言われています。
 確かに今国会は今年度補正予算、次年度予算案の成立、景気対策、普天間基地問題等々重要な課題が目白押しです。いつまでも「政治とカネ」オンリーでは困る、こんな問題さっさと白黒つけて肝心なことを審議してくれよ、というのが多くの国民の率直な気持ちなのではないでしょうか?
 
 たとえ小沢幹事長側に「早期終結の決意」があっても分かりません。というのも、いささかパラノイア気味の佐久間部長率いる特捜部ですから、今後の展開はまったく予断できないのです。
 地検特捜部と大マスコミの「官報複合体」(官は特捜、報はマスコミ)が、「何が何でも小沢を葬り去るんだ」となお暴走し続ければ、何せ最強タッグですから誰にも止めようがないわけです。彼らはやろうと思えば、どんな日本国民であっても例外なく罪をおっ被せて有罪に出来ます。だからその場合、行き着く先は「小沢逮捕」しかないわけです。
 時期として最も効果的なのは、今国会が終わってすぐの参院選直前でしょう。民主党に与えるダメージが最大になるからです。そうなると、現時点では非現実的とも思われる指揮権発動が、俄かに現実味を帯びてくることになります。
 
 この問題でその発動権を有する千葉法務相は、谷垣からの質問で何度か答弁に立ちましたが、当然のことながら「発動する」とも「しない」とも明確にはしませんでした。しかし画面を見ていて『いざとなったら、やるな』と感じました。
 もしそうなったら50数年ぶりのこと、前回は谷垣ら現自民党議員の大先人・佐藤栄作がらみで発動され、佐藤が逮捕を免れて以来のこととなります。(1954年-昭和29年の造船疑獄)
 
 この問題意外にあっさり終結してしまうかもしれません。が万一仮にそういう事態に立ち到ったら、民主党の蒙るダメージは計り知れません。どうせその時はマスコミも今以上に騒ぎ立てるでしょうから、小沢問題で傷ついた民主党のクリーンイメージはそれこそ地に堕ち、参院選は敗北確定。政局は一気に混迷することでしょう。野党の自民党はそれを狙っているのでしょう。

 (大場光太郎・記)

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