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冬季五輪あれこれ

 そういえばバンクーバーオリンピックが始まっていたのでした。最近はオリンピックそのものにさして関心がなく、一昨年の北京オリンピックもろくに観戦せず、ニュースで日本選手の競技結果を知るくらいなものでした。まして冬季五輪では余計そうなってしまいます。
 こんな私も以前は決してそうではなく、我が国で開かれた98年2月の長野五輪の時は、けっこうテレビ観戦していました。中でも“日の丸飛行隊”の男子ジャンプははじめから終わりまで全部観て、「原田ガンバレ」「葛西ガンバレ」などと声援を送っていました。

 特にラージヒル団体戦は最後までどうなるか分からず、手に汗握る戦いでした。結果は日の丸飛行隊が、見事金メダルを獲得。あれは本当に感動ものでした。
 しかし長野五輪終了後ルールが変更され、その後日本人選手がまるで活躍できなくなったのは残念です。考えてみれば、近代オリンピックの創始者はピエール・クーベルタン男爵、フランス貴族です。かようにIOCも国連もIMFもGATTも何もかも、国際組織は悉く欧米主導で発足・設立したものばかり。皆々「欧米白人種の欧米白人種による欧米白人種のための組織」であるわけで、すべてのルールが彼らに都合の良いように変えられるのは致し方ありません。
 とは言いつつも、日本やアジアやアフリカから、世界をリードするような国際機関が生まれないものだろうか?と願うきょうこの頃です。

 私の無関心などお構いなしで、競技そのものはどんどん進行しているわけでー。
 つい先日はモーグル女子で、上村愛子(30)が大健闘したもののメダルに一歩及ばず惜しくも4位でした。また「腰パン騒動」でだいぶ物議をかもした男子スノーボードハーフパイプの国母和宏(21)は、年季の入ったワルらしく、そんな批判などどこ吹く風で軽く決勝進出。しかし決勝ではアッとうならせる大技を繰り出したものの、着地をミスしての8位入賞。02年ソルトレイクシティ五輪で中井孝治がマークした5位以上は叶いませんでした。

 ワルといえば、フィギュアスケートの男子ショートプログラムの高橋大輔(23)や小塚崇彦(20)なども、かなりワルっぽいご面相です。日本史中最大のワルだったかも知れない織田信長を遠い祖先に持つという織田信成(22)が、一番可愛く見えるのは皮肉です。
 しかし国際大会で外国人強豪相手に互角以上の勝負をするには、ある程度「ワルの要素」がないとダメなのかもしれません。それが効を奏したか高橋選手は自己最高の90.25点の3位と、トップのプルシエ(ロシア)に0.60点差の絶好の位置につけました。また織田選手は84.85点の4位、小塚選手は79.59点の8位、次のフリーの結果次第では3選手とも十分金メダルを狙える好位置につけています。

 また前大会以来すっかり人気種目になったカーリング女子。ご存知“チーム青森”の「クリスタル・ジャパン」にも注目です。緒戦のアメリカ戦では大接戦の末、最終エンドでメジャー判定という際どい勝負に持ち込み見事勝利しました。
 2戦目のカナダは世界ランク1位の強豪チームで、しかも地元です。そのカナダとも息詰まる抜きつ抜かれつの大接戦を繰り広げ、結果的に最終の第10エイドで2点を奪われ惜しくも逆転負けしました。しかし世界王者相手に一歩も引かない大健闘は大いに評価でき、今後の「カー娘」の活躍がますます楽しみです。

 ところで日本勢でこれまでの最大の収穫は、何といっても男子スピードスケート500mです。長島圭一郎(27)が銀そして加藤条治(25)が銅と、今大会日本選手団初のメダルを獲得しました。何でも同種目は、84年サラエボ大会から6大会連続で表彰台に立っていたものの、前回のトリノ五輪ではメダルを逃したのだそうです。
 また同種目で2人表彰台に立つのは、92年アルベールビル大会の黒岩敏幸(銀)、井上純一(銅)以来のことで、今回の偉業には「ニッポンのお家芸復活」とも讃えられ、その後に続く日本選手たちの励みにもなると期待されています。

 長島、加藤両選手とも、日本電産サンキョーという会社のスケート部所属だそうです。前身はスピードスケートの名門・三協精機製作所で、故山田正彦名誉会長自身がスケート選手だったようです。しかし経営不振により、スケート部も廃部の危機を迎えた03年10月に日本電産の傘下に入ったそうです。
 日本電産の水守重信会長(64)が「スピードスケート発展のため」として、ポケットマネーから資金を拠出、それで何とか同部が存続できたというのです。清水宏保、大菅小百合そして今大会に出場している女子の吉井小百合も同社スケート部所属だといいます。
 今回同社は、長島に1,000万円、加藤に600万円の五輪報奨金を出しますが、そのうち半分は同会長のポケットマネーだそうです。

 私はそれまで両選手とも知りませんでした。しかし少し知るに及んで、特に銅メダルの加藤条治選手に関心を持ちました。というのも、加藤は私と同じ山形県出身であるからです。「雪国・山形」からすれば、もっと早く冬季五輪で大活躍する選手が続出してもおかしくはありませんでした。
 しかしそこは「スポーツ後進県」の悲しさで…。他のどのスポーツ界を見渡しても、山形出身の名選手などほとんどいないのが実情です。(辛うじてプロ野球の広島カープで、4番を張れる栗原健太一塁手がいるくらい。)

 そんな中での今回の加藤選手の活躍です。それに試合直後の言い方が良いではありませんか。加藤は「…金メダルがほしかった。銅メダルがこんなに悔しいものだとは思わなかった」と涙を浮べたというのです。
 私をはじめ(笑)口下手で口の重い山形県人から、こんな強気なコメントが聞かれるなんて ! 加藤条治よ。君はまだ若い、将来がある。次の大会では必ず金を獲ってくれ !

 (大場光太郎・記)

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