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キム・ヨナ金メダル剥奪?

 女子フィギュア金メダリストのキム・ヨナをめぐっては、同選手を誹謗中傷する書き込みをした2ちゃんねる掲示板が韓国からのサイバー攻撃を受け、3月1日ダウンに追い込まれるという騒動に発展しました。同掲示板は3日に復旧し、これでキム選手をめぐる騒動も一段落かと思いきや。日本のネットでまたまた新たな大騒動が起こっているようです。

 事の起こりは、キム・ヨナが五輪中につけていたアクセサリーが、同選手本人がCMで宣伝しているモノだったことから、「五輪憲章に反する」「金メダル剥奪だ」とヒートアップしているのです。
 問題のアクセサリーは、キム選手が耳につけていた王冠型のイヤリングです。これはキムがCM出演している韓国のジュエリーブランド「ジェイ・エスティーナ」製のものです。同社のイメージキャラクターを務めているキム・ヨナは、SP、フリー、エキシビション、会見と大会中すべての場面でこのイヤリングをつけていたのです。

 五輪では、非公認企業の大会中の宣伝を禁止しています。ジェイ・エスティーナ社はまさに非公認企業に該当する上、大会期間中キム選手が試合でつけていることを強調したCMを流しまくっていたといいます。さらに五輪憲章には、「スタジアム会場、その他の競技エリアでは、いかなる形の広告または他の宣伝は許されない」「いかなる広告や宣伝活動、コマーシャルも、人、スポーツウエア、付属品に表示してはならない」と規定されています。
 これらのことから、日本のブログやツイッターなどで、「キム・ヨナ選手は五輪憲章に違反している。仮に違反していれば金メダル剥奪だ」という声が相次ぎ、凄まじいほどの話題になっているのです。
 実際過去にも五輪憲章に反してメダルが剥奪されるという前例もあり、中には英文まで掲載してIOCなどに届くよう仕向けているサイトもあり、また多くの日本人がこの件でIOCに問い合わせしているといいます。

 今回の騒動に対して『Yahoo韓国』ニュースは、「日本人の残念な心情を考慮すれば、このような問題提起をする心理状況は理解できなくもない。とはいえ、あまりにも強引すぎるやり方である」と述べています。さらに続けて「当時キム選手が着用していたイヤリングを確認してみると白色という点以外に明確な特徴を見ることはできない。このような小さなイヤリングにどのような間接的広告効果があるのだろうか」と伝えています。
 また同ニュースをはじめ韓国メディアは、「間接広告に対しては、競技前にISU(国際スケート連盟)とIOC(国際オリンピック委員会)がしっかりチェックしている。従ってこれに関しては後から問題になるはずがない」などと反論しています。

 この問題は、展開次第では直前の“サイバー攻撃”以上の日韓騒動に発展する可能性もあります。すべてはIOCがどのような判断を下すかにかかっているわけです。
 五輪憲章を厳密に適用すればアウト、キム・ヨナ選手の金メダル剥奪もあり得るケースだと思われます。そうなれば浅田真央が繰上げで金メダルになるわけです。しかし浅田選手本人また日本国民が、素直に手放しで喜べるものなのか?私のような「隠れキム・ヨナファン」(もうここまで公言すれば“隠れ”ではないか)は、特に複雑な思いがすることでしょう。

 ちなみにあるサイトでは、「キム・ヨナの金メダルを剥奪すべきか/すべきでないか」についてアンケートを取っています。7日時点での集計結果は、「剥奪すべき…57%」「剥奪すべきでない…43%」となっています。
 いつぞやの世論調査の、「小沢幹事長は説明責任を果たしていない…90%以上」といった振り子の針が一方に振り切れるような結果になるのかと思いきや。意外にも拮抗した結果となり、『日本人のバランス感覚はまだ安全圏かな?』と思った次第です。

 私の個人的な推測を述べればー。「政治や経済活動などには左右されない大会運営」という五輪精神はあくまでも建前で、近年は特に“商業主義”が前面に出すぎているきらいがあります。そういうことからすれば、IOCが日本が提起したこの問題を取り上げるかどうかがまず問題です。仮に取り上げたとしても、ジェイ・エスティーナ社→KОCの働きかけで、同問題はうやむや決着で落ち着く公算が大きいのではないだろうか?と思われるのです。両国のメダル獲得数からして、JОCとKОCの力量の差は歴然だと思うのです。

 とにかくキム・ヨナをめぐっては、前回のサイバー攻撃といい、今回の騒動といい、しばらく日韓バトルが収まりそうにありません。これは日韓だけの問題というわけではなく、両国のバトルを知った中国にも飛び火し新たに参戦しているようです。
 ただし中国サイトが問題にしているのはイヤリングではなく、キム・ヨナの「整形疑惑」です。同国では、キムの幼少時代の写真と現在の顔を比較し、「キムが子供の頃二重は片目だけ、鼻は低く、歯も出ていた。生まれた時は“セクシー美女”ではなかった」などと報じているとのことです。
 対して韓国ネットユーザーは、「キムは整形などしていない。成長すれば顔なんかいくらでも変わる」「実力で勝てないから外見で騒いでいるだけ」「今度は中国かよ。韓国は(日中の)間に挟まれて大変だ」などと激しく反論しているそうです。

 それにしても、キム・ヨナをめぐって今回これほどの大騒動になったのも、元はといえば浅田真央以下の選手を極端な点差で破っての金メダルだったことが大きいと思います。それがさまざまな憶測を呼び、大騒動に発展することになったのではないでしょうか?これはキム選手とは関わりがなく、審査員のルール上の問題ながら、もしこれが僅差での優勝だったら騒ぎはこれほどまで大きくならなかったのでないでしょうか?
 しかし大差をもたらしたのは、キム・ヨナ自身に他ならないわけです。結局一連の大騒動は、キム・ヨナの「スーパースター性」によるものなのかな?などと考えてしまいます。

 (大場光太郎・記) 

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