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続・自分に賭けてみなさい

 アンジェラ・アキメッセージ-「夢を捨てずに、追い続けてください」

 大学卒業後、昼はオフィスで、夜はバーやライヴハウスで歌うという二重生活に疲れ、落ち込んでいたアンジェラ・アキに光明を射し込んでくれたのは、会社の上司ボプ・ビンガムさんの、「Take a chance on you」(自分に賭けてみなさい)という言葉でした。
 ボブさんは、なお踏ん切りがつけられないアンジェラに、「三角形の目標設定法」も伝授しました。これはピラミッド形の三角形を三等分し、上から短期、中期、長期の目標を設定するというものでした。

 アンジェラ・アキは会社を辞め、プロのミュージシャンを目指す決意を固めます。そんな頃東京でのCMの仕事が舞い込み、何度かワシントンDCと東京を行き来します。アンジェラは初めて訪れた東京に、何とも言えない懐かしさを感じたといいます。そして何度か行き来するうち、東京を去り難く感じている自分に気がついたというのです。
 アンジェラ・アキは、ミュージシャンとしての活動の場を母国日本にする決心を固めます。こうしてアメリカを離れ東京に移り住んだのが2003年12月、彼女が26歳の時のことでした。

 しかしいざ東京での活動をスタートしようとしても、プロミュージシャンへの道のりは厳しく険しいものでした。当時の日本の音楽業界には「ハーフは売れない」という定説のようなものがあり、その言葉を聞いて彼女の少女時代の“ハーフコンプレックス”がまたもやフラッシュバックされ、傷つき落ち込んだといいます。
 また26歳という年齢もネックとなり、「うちは23歳以下でないと採らないから」などと、足を棒にして売り込みをかけても軒並み断られ続けたそうです。

 そんな折り、当時人気絶頂だった椎名林檎の日本武道館のコンサートを聴く機会がありました。そこでアンジェラは、椎名の強烈な個性に強い衝撃を受けながら、何の見通しもないのに『よし。3年以内に私もこの武道館でコンサートを開いてみせるわ』と心の中で誓ったというのです。これが彼女にとっての新しい目標となります。「期限を決めて、具体的な目標を紙に書き込め」というボブさんの教えに従って、彼女は早速その目標を書き出し部屋の壁に貼付け、毎日見続けたそうです。
 こうして具体的な目標を設定し、期限を設けて自分を追い込むことによって、甘えを排し、困難に前向きに立ち向かう力を得ていったのです。

 「信じる時、夢は必ず実現する」とは、ウォルト・ディズニーの名言です。夢を信じてあきらめないアンジェラが東京のとあるライヴ店で歌っていた時、チャンスが訪れます。彼女の歌が、たまたまその店に来ていたあるレコード会社のプロデューサーの心をとらえたのです。
 プロデューサー氏はその時、『何といっても歌詞が素晴らしい。これはリスナーの心に届く』と確信したといいます。こうして2005年9月アンジェラ・アキはプロデビューを果たしたのです。デビュー曲『HOME』は60万枚の大ヒットを記録します。

 CDやコンサート活動などによって着実にファンを増やし、名前を浸透させていったアンジェラは、2006年12月遂に念願の日本武道館でのコンサートを開くことができたのです。これは武道館では初めての弾き語りライヴショーとなりました。
 当日武道館には1万4千人もの観客が詰めかけ、アンジェラは16曲を熱唱し、たった一台のピアノと歌だけで観客の心を揺さぶり続け大喝采を浴びました。
 こうしてアンジェラは、見事に夢を実現させたのです。

 サラ・マクラクランに影響を受けた彼女は、自分の少女時代からのコンプレックスなどを何のてらいもなく歌詞にし、歌い込んでいます。それが同じような苦しさ、寂しさを感じている若い女性たちの共感を得ている大きな理由だといいます。実際彼女のコンサート会場では、両の目から涙をボロボロ流して彼女の歌に聴き入っている女性がけっこう多いのです。
 若い女性ならずとも、彼女の歌は、聴く者をぐいと引き込み、心を打つ力がありそうです。『音楽の力は凄いな』と思わせられます。

 さて番組では、アンジェラ・アキ(32)の大恩人であるボブ・ビンガムさん(55)もアメリカから駆けつけました。ボブさんもその後会社を辞め、ボルチモアで牧師としての活動を始めているそうです。アンジェラに対してそうだったように、ボブさんは強い感化力を持ってるようで、牧師の仕事は彼にとって天職かもしれません。
 久しぶりの2人の再会も大変感動的でした。

 しかし考えみれば、たとえボブさんが「自分に賭けてみなさい」と的確な言葉を与え、取っておきの目標設定法を授けても、それをどう生かすかは当人次第です。番組の中でアンジェラは、「出会いは不思議。必要としているタイミングに出会えるようになっている」という発言をしていました。
 ボブさんのその時の一つ一つの助言を“天の声”のように聞き従い、どんな困難にあっても当初立てた目標から心をそらさず、遂に大きな目標を達成させたアンジェラ・アキはとにかく非凡です。

 なお「三角形目標達成法」には、ピラミッドの頂点に“冠石”があるように三角形の突端部があり、それは「日々の行い」だそうです。「今日やることが目標につながっていなければならない」というのです。つまり日々の行いを、短期(半年~2年)、中期(2年~5年)、長期(5年~10年)に向けている自覚が必要だということです。
 アンジェラはある時、「あなたの歌詞は15歳の時のままね」とある人に言われたそうです。中学卒業と同時に日本を離れアメリカに渡ったのですから、なるほどそのとおりなわけです。しかしアンジェラはこの言葉に発奮し、以来漢字の書き取りをしたり週2冊は日本語の本を読み通すことにしているそうです。大きな目標から目をそらさず、しかも地道な努力も怠らないのです。

 『こころの遺伝子』番組でアンジェラ・アキが歌っているテーマソングは、『輝く人』です。彼女に言わせれば、「どんな人の中にも“輝く人”は必ずいるはず」とのことです。
 それを引き出すためにも、「夢を持て」「夢を捨てるな」「夢を追い続けよ」。そして「皆さんも目標を紙に書き出して、毎日見続けてみてください」とも言っています。
 そんな素敵なアンジェラ・アキの次なる目標は?何とずばり「グラミー賞を取ること」だそうです。しかし『彼女ならそのうち達成するかもな』と思えてきます。

 (大場光太郎・記) 

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