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与謝野・平沼新党のこと

 週末世論調査-「期待する…27%」「期待しない…65%」、新党厳しい船出へ

 3日自民党に離党届を出した与謝野元財務相と無所属の平沼元経産相らは5日夕方、新党旗揚げに向けた詰めの調整を行いました。8日(木)発足を目指し、基本政策や参加者、党名について都内のレストランで協議したもようです。

 同会合には、5日自民党に離党届を出した園田博之元幹事長代理や離党を検討中の藤井孝男元運輸相も出席しました。そこに新党構想を支援する立場から、石原慎太郎東京都知事も加わったというから驚きです。
 現在確実なのは4名ですが、政党要件を満たす5人目の国会議員が誰れになるかも焦点になります。そこで平沼氏は自民党を3月に離党した鳩山邦夫元総務相(61)とも今後の連携をめぐって6日協議する予定です。ただ平沼氏は、鳩山氏は発足当初のメンバーには加わらないとの見通しを示しています。

 ご存知のとおり、前年末までに政党として届けないと当年分の“政党助成金”は交付されません。そこでカネがない与謝野・平沼新党は、政界一の大金持ちの鳩山(邦)氏の参加がどうしても必要です。でないと当面の政党活動はもとより、7月の参院選もロクに戦えないわけですから。
 鳩山(邦)はそれを見越して、新党には自分の存在価値を最大限高く売りつけるつもりでしょう。当面はロートルの与謝野、平沼を前面に立てても、いずれは「この党のオーナーはオレだ」という立場になっていくことでしょう。

 当面鳩山(邦)抜きとしても、8日新党旗揚げとなれば後一人の国会議員の加入がどうしても必要です。そこで名前が上がっているのが、自民党参院議員の鴻池祥肇(こうのいけ・よしただ)元防災担当相です。
 予想通り鴻池氏もすっかりそのつもりのようで、近く離党する意向であることを同党幹部に伝えていたことが、5日明らかになりました。ただ執行部は波及を恐れ、同氏を懸命に慰留しているもようです。しかし与謝野氏に続いて園田氏も離党、藤井氏の離党も確実です。3人も4人も一緒じゃん。もうこうなったら、執行部は腹をくくって、方針に従えない不満分子はこの際全部出て行ってもらった方がいいのではないでしょうか?

 仮に発足メンバーを与謝野馨(71)、平沼赳夫(70)、園田博之(68)、藤井孝男(67)、鴻池祥肇(69)としますと、もう間もなく“後期高齢者”となるメンツばかりです。唯一の共通項が「老人」というだけで、思想信条はバラバラです。
 ある政界関係者は、「なぜこの顔ぶれなのか、誰も説明がつかない。昔からの“仲間”が集まったという感じです。与謝野と平沼は麻布高校の同級生。与謝野と園田は盟友関係。平沼と藤井は同じ郵政造反組です。共通点は、年齢を考えるともう後がないこと」と語っています。

 「与謝野・平沼新党」の致命傷は、新党としてのセールスポイントも基礎票もないことです。例えば「みんなの党」には、公務員改革という一枚看板があったし、亀井静香が率いる「国民新党」には、50万票という郵政票の基盤がありました。しかし今回の新党にはそういうものが何もないのです。
 その上、7月の参院選に出馬するとみられる候補者たちは、無党派層が逃げ出しかねない連中ばかりのようです。何と驚くことに、比例の目玉として、「日本が侵略国家だったことは一度もない」というトンデモ言説で大いに物議をかもした、田母神俊雄(61)の名前が浮上しているというのです。さらにはウルトラ右寄りの中山成彬(66)、昨年急死した中川昭一の郁子未亡人(51)の名前も取りざたされているようです。また鳩山(邦)が加われば、長男の太郎(36)も比例区から立候補するとみられています。

 しかも今回の新党の陰の仕掛け人が、あの石原都知事(77)ですよ。「老人政党」だけならまだしも、これではまるで「極右老人政党」ではないですか。
 リベラル派の与謝野氏が、晩節を汚すことにならなければよいのですが…。

 今回の新党話に絡んで、もう一人述べておかなればならない人物がいます。桝添要一前厚労相(61)です。桝添は今回の件で、「結局アンタはどうするの?」と党内で冷ややかに見られているというのです。これまでさんざん谷垣総裁や執行部批判を繰り返してきたのですから、当然といえば当然です。
 一時は離党もほのめかしながら、こちらは一向に動く気配が見えません。やっぱり狙いは「自民党総裁」のようです。第一党を出ようにも、資金なし、人望がなくついて来る子分なしの、ないないずくしなのです。仕方なく、青木幹雄、森喜朗、安倍晋三という「自民党砦の三悪人」だろうと誰だろうと、自分を担いでくれるのを待っている状態なのです。

 「誰が総理にふさわしいか?」という世論調査では、「桝添要一…17%」と1位になっています。それとてもわずか10%台ですから威張れるほどのことでもありません。
 桝添は厚労相時代、「消えた年金問題」で言ったことをさっぱり実行せず、“ヤルヤル詐欺大臣”とヤユされたことがありました。今回も「(党を)出る出る」と言いながら、結局出ずじまい。こんな「デルデル詐欺男」に騙されてないよう、お互い気をつけましょうね。

 (大場光太郎・記)

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