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絶品 ! 草刈民代ヌード

 「すべてをさらけ出さなければ、人を感動させることは、できない」

 20日の朝日新聞を開いて、ブッタマゲタ人も多かったようです。何と日頃「お堅い」ことで知られる朝日の5面に、デカデカとヌード写真が掲載されたからです。そしてこれが、朝日読者の枠を越えて、大きな関心を集めているようです。
 ヌードの被写体は、バレリーナ出身で去年女優に転身したばかりの草刈民代(44)です。写真集『BALLERINE』(幻冬舎)の全面広告で、問題のヌードは草刈が全裸でバレエのポーズを決めている写真です。

 最近の新聞各紙の常軌を逸した、民主党や小沢幹事長、鳩山首相バッシングを見せつけられると、『そもそも新聞には“倫理”なんてものがあるのか?』と思ってしまいます。報道する内容については無くても、「新聞広告」については倫理性などの審査が厳しいらしく、ヌードが掲載されることは異例のことです。
 しかも今回の写真は、乳首がバッチリ写っています。朝日新聞のその辺の広告審査基準はどうなっているのでしょうか?「過去には、91年10月14日付朝日新聞に掲載された写真集『Santa Fe』(宮沢りえ)の広告などがあります。今回、掲載にあたっては弊社広告基準にそって審査しています」と、朝日新聞広報部では答えています。ではその「基準」とやらをもう少し突っ込んで聞こうとしても、「これ以上のことはお答えできません」と言うことのようです。

 ある広告代理店の新聞担当者は、「草刈さんのヌード広告が掲載されたのは、朝日新聞の東京版だけですが、全面広告なら1000万円はくだらない。写真集のターゲットは女性の知識層だと聞いていますし、ヌード写真といっても芸術性が高いので、倫理基準も何とかクリアできたのでしょう。広告不況にあえぐ新聞社にとって、このご時世に全面広告を出してくれるなんてありがたい話は、なかなかありませんから」と語っています。

 このヌード写真は、あくまでも私の感想ながら、とても44歳とは思えないほどの究極の“女体美”を表現していると思います。一方ではミロのヴィーナス的な端正な古典美を感じさせ、また一方ではこういう写真には不可欠な要素である、熟女ならではの妖艶なエロスも十分漂っているのです。
 被写体は私たちと同時代を共に生きている、草刈民代という生身の女性です。しかしながら、そんな卑小な時間を超越した普遍化された“女性美”、神々しいほどの“女神性”すら感じられます。
 それと共に、草刈が30数年没頭してきたトップバレリーナとして、全身にくまなく張りめぐらされた美意識が生み出した、最高の女体の表現だとも思います。「エロス」と「タナトス」が同居しているような、不思議な芸術作品であるように思われます。

 ところで、「すべてをさらけ出さなければ、人を感動させることは、できない」というのは、このヌード広告上部に掲げられたキャッチコピーです。タイトルが「BALLERINE」(バレリーナ)であるとおり、草刈民代自身にもバレリーナ人生の集大成としての意味合いが、この写真集出版にはあったものと推測されます。
 バレリーナも女優も、自身の体をまるごと「さらけ出す」仕事です。仕事の主要部分が身体的パフォーマンスですから、必然的にそうならざるを得ないわけです。観客の突き刺すような視線を、体の全細胞で受け止めなければならないのです。逃げれば負けの厳しい世界です。その意味でこの言葉は、今女優として新たな道を歩み出している草刈自身の、強い決意表明であるようにも思います。

 「すべてをさらけ出さなければ、人を感動させることは、できない」は、文字どおり真実の言葉です。しかしかと言って、この写真のように不特定多数の目に触れる形で、自分の裸体をさらけ出せる人が一体どのくらいいるものでしょうか?仮にさらし得たとして、万人から絶賛されるでしょうか?
 このキャッチコピーはつまるところ、バレエを通して長年鍛錬してきた身体への、草刈民代の強い自信と覚悟の言葉に他ならないことでしょう。

 (追記)21日写真集が発売されました。さすがに大新聞での全面広告の効果はてき面で話題性抜群、初日にして初版12000部が完売し至急増版予定ということのようです。当ブログで取り上げた関係上、他人事ながら大変嬉しく思います。草刈民代さんには、今後ともさらに磨きのかかった艶っぽい女優としての演技を見せてもらいたいものです。

 (大場光太郎・記)

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