「初音ミク」って誰だ?
これをお読みの方の中には、「初音ミクなんてとうに知ってるよ」という人も多いかもしれません。日頃「年寄り」という言葉は禁句にしている私ですが、さすがに間もなく61歳になんなんとする身にはそういう情報が疎くなるのか、初音ミクという名前を今回初めて知りました。ですからご存知の方はそのつもりで、以下の文をお読みください。
卒業式シーズンの3月中、『今「仰げば尊し」は歌われない?』から始まって、『「蛍の光」あれこれ』そして『「蛍の光」は1万2千年前の歌?』シリーズまで、『蛍の光』をずい分取り上げてきました。これは当初から、『蛍の光』(Auld Lang Syne-オールド ラング サイン)が、1万2千年前レムリアが海中に没する際、神官・女性神官たちによって「遠い未来の再会を約して」歌われた歌だった、ということを述べるための伏線であったわけです。
そのくらいですから、関連記事をすべて書き終えてからも、『蛍の光』はますます愛着の深い歌になっていきました。そこで同歌を今でも聴いていますが、“YouTube”には同じ『蛍の光』でもさまざまなバージョンがあります。当初は『゜蛍の光」あれこれ』末尾で述べたように、「猫声バージョン」と「女児合唱バージョン」をもっぱら聴いていました。
特に「猫声バージョン」の方は、気分が落ち込んだ時に、動画で映される5匹の猫が可愛くて、そのユーモラスなしぐさにげらげら笑ってしまい、ストレス発散に十分でした。アクセスもけっこう多いようですが、本当に傑作です。この動画を作成した人の“遊び心”と映像技術の高さには心より感服します。
そのうち4月になりますと、YouTube上に新しいバージョンが右サイドに紹介されるようになりました。その中に「蛍の光【初音ミク】」というのがありました。
えっ?初音ミクって誰だ?
どこかで聞いたことがあるような、ないような。今売り出し中の女性ボーカリストかな?と思い、とにかく聴いてみることにしました。
いざ聴いてみると、これが歌唱力抜群の聴き応えのある歌声なのです。歌声から判断するに、いたって若い、ひょっとして小学校高学年から中学1年くらいかな?と思いました。その時2、3度繰り返し聴いてすっか聴きほれてしまい、早速「お気に入り」に入れました。
『蛍の光』の歌の味わいを実によく引き出している歌声だと思います。以来機会あるごとに聴いてきました。
当初はさして気にならなかったものの、少し経つうちにやっぱり『初音ミクって誰だ?』と気になり、本当に誰なのか知りたくなりました。ちなみにYouTubeに動画を提供している「kamarin0430」さんは、
「蛍の光」(原題:Auld Lang Syne スコットランド民謡)をVOCALOIDの初音ミクさんに歌っていただきました。
と紹介しています。私は浅はかにも、『“ボーカロイド”というグループで歌っている女の子か?』と思ってしまいました。
ある時手っ取り早く「グーグル検索」をかけてみました。その結果驚きました。初音ミクは、「この世の者ではない」というのです。例えば『フリー百科事典「ウィキペディア」』では、
初音ミクとは、2007年8月31日にクリンプトン・フューチャー・メディアから発売された音声合成・デスクトップミュージック(DTM)ソフトウエアの製品名、及びキャラクターとしての名称である。
ヤマハの開発した音声合成システム『VOCALOID2』を採用したボーカル音源の1つで、メロディと歌詞を入力することで、合成音声によるボーカルパートやバックコーラスをパソコン上で作成することができる。また声に身体を与えることで、より声にリアリティを増すという観点から女性のバーチャルアイドルのキャラクターが設定されている。
名前の由来は、未来から初めての音がやって来るという意味で、「初めての音」から「初音」、「未来」から「ミク」。
というように説明されています。
また発売元クリンプトンの『VOCLOID2特集「初音ミク」』ページでは、
年齢 16歳 得意ジャンル アイドルポップス/ダンス系ポップス
身長 158cm 得意な曲のテンポ 70~150BPM
体重 48㎏ 得意な音域 A3~E5
などと、キャラクターがかなり具体的に紹介されています。(非営利であれば、キャラクター画像の利用はほぼ自由。)
発売以来というべきかデビュー以来というべきか、とにかく凄まじい人気のようです。それを物語るように『ウィキペディア』では、初音ミクの「キャラクター」「プロフィール」「主な受賞歴」「インターネットでの反応」「初音ミクとネギ」「みっくみく」「同人文化としての初音ミク」など、何と32ページにもわたって紹介されています。
これは私が調べた「有名人」の中では、去年6月急死したマイケル・ジャクソンの38ページに次いで多いページ数です。そもそも初音ミクは、架空の「VOCLOID」であることを考えると驚異的なことだと思われます。
言われてみればー。初音ミクバージョン『蛍の光』は、聴いていて『あれっ?』と思うような個所が幾つかありました。しかしそれは、編曲上のことと見做してしまえばさほど気にならず、人工的合成音とは夢思いませんでした。クリンプトンの設定では16歳とのことですが、『蛍の光』を歌っている“ミクちゃん”はやはりそれより幼い声に感じます。
しかし澄んだ伸びのある本当に良い歌声で、聴くたびに癒されます。(他に初音ミク版『仰げば尊し』『軍艦行進曲』などがありますが、これらははっきり人工音と分かります。)
余談ながら、『「蛍の光」あれこれ』で引用しました、映画『哀愁』の有名なシーンをダイジェスト的に編集した、感動的『Auld Lang Syne』もYouTube動画に登場しました。
(大場光太郎・記)
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コメント
初音ミクの名は数年前に『桜の雨』が卒業式で歌われたというニュースがテレビでも報道されたので、その時お耳に入ったかも知れませんね。
とはいえ今でこそロサンジェルス公演も果たしてますが当時は壇上に立てるはずもなく、呼ばれて作曲者自ら歌ったという内容だったため聞き流してしまっていたのかもしれません。
投稿: | 2012年4月24日 (火) 20時28分
えっ『初音ミク「桜の雨」』という歌があって、数年前卒業式で歌われた、それがテレビニュースでも取り上げられたんですか。その頃から時代の先端を行く人たちにとって、初音ミクはメジャーな存在になりつつあったわけですね。
投稿: 時遊人 | 2012年4月24日 (火) 23時40分