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続・ウエサク祭とは?

 2012年のウエサク祭。そしてその後のウエサク祭はどうなっていくのだろうか?

 一般には知られることのないウエサク祭ですが、近年アメリカなどでにわかに注目され始めています。

 そもそもウエサク祭をはじめ、インドのヴェーダ哲学などが欧米に知られるキッカケとなったのは、19世紀後半ヨーロッパに設立された「神智学協会」によってでした。詳述はできませんが、「神智学」はロシア貴族出身であるブラヴァッキー婦人がある時、ヒマラヤ(当時)に居を構えていたクートフーミ大師などから、西洋世界では失われてしまっていた「古代叡智」をテレパシーで伝達されたことに始まります。
 クートフーミ大師は、霊的聖師団(スピリチュアル・ハイラーキー)の七大聖の一人で、「愛と叡智の第二光線」のマスターであり、直前の過去世はキリスト教最大の聖者と讃えられている聖フランチェスコだったと言われています。

 その結果まとめられた『シークレット・ドクトリン(秘密教義)』『ヴェールを脱いだイシス』などの膨大な神智学体系は、それまでは対立概念でしかなかったキリスト教、古代エジプト密教、ヘルメス神学、仏教、インド哲学、薔薇十字会などの諸宗教、神秘思想を融合させた深遠かつ画期的な体系でした。
 神智学からは、クリシュナムルティ、ルドルフ・シュタイナー、アリス・ベイリーといった霊的巨人を輩出しています。そしてその流れはそのまま、現代の「ニューエイジ運動」のベースとなって今日に至っているのです。

 神智学関連の書籍では「ウエサク祭」について以下のように述べています。
1.いわゆる旅立ち(キリストの昇天)の後もずっと、キリストが私たちの間に物質的に存在していたという事実を実証するため。
2.西洋と東洋の、神へのアプローチが事実上一致していることを物質界で証明するため、キリストとブッタが共に参列する。
3.父の家(シャンバラ)と神の王国(ハイラーキー)と人類を総合的、象徴的につなぎ、代表する者たちのための集合地点を形成するため。
4.偉大で選ばれた媒介者としての、キリストの仕事の性質を示すため。

 以上は、(第二光線のクートフーミ大師の後継者)ジュアル・クール大師の指導により、アリス・ベイリーがまとめた『トランスヒマラヤ密教・第一巻』からの要約です。
 なお神智学で言う「キリスト」とは、イエスキリストのことではなく、「ロード・マイトレーヤ」を指しています。(どうしてかは省略しますが)キリストたるマイトレーヤが「スピリチュアル・ハイラーキーの長」であり、世界奉仕者団体のリーダーなのです。

 最近ウエサク祭が注目を集めることになったのは、1995年から同祭を米合衆国カリフォルニア州の聖山・シャスタ山中で祝われるようになったためです。
 スピリチュアル・ハイラーキーからの促しにより、それを企画し米国内外のライトワーカーに働きかけ実行したのは、現代の霊的巨人の一人、ジョシュア・ストーン博士(故人)でした。以降ストーン博士は、2000年代中期アセンションを果たし、内的世界に移行するまで「ウエサクbyマウント・シャスタ」を毎年主宰しました。

 例えば2003年の“シャスタ・ウエサク”では、世界中から2千人のライトワーカーが駆けつけ、(真偽のほどは分かりませんが)この祭典に高次元世界のアセンデット・マスター、ミカエルなどの大天使、エロヒム及びキリスト意識を達成している地球外生命体など100万以上の内なる世界の存在たちが結集したと言われています。

 その後シャスタ・ウエサク祭は毎年参加規模を大きくしながら、ドランヴァロ・メルキジデクが主宰を受け継いだりして今日に至っています。
 今年の「シャスタ・ウエサク2010」は、28日~30日の3日間にわたって行われる予定です。
 
 ウエサク祭は最近東京でも行われています。今年の『ウエサク祭2010』は、5月28日(金)に行われます。また鞍馬寺の『五月満月祭(ウエサク祭)』は1日早く、27日午後5時から行われます。こちらは満月となるのが翌朝8時8分であるため、月齢としては27日夜の月の方がより「望(満月)」に近いためのようです。

 この祭り一つ取ってみても、世界中のそこかしこで、2012年を迎え、超えるための取組みが知らないところで数多く起きています。
 日頃は「満月」などにはとんと関心のない私たちです。しかし5月27、28日の両夜のひと時、心静かに「ONENESS(ワンネス)」(すべてはひとつ)に想いを向けてみてはいかがでしょうか。   ー  完  ー

 (大場光太郎・記)

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コメント

> 神智学からは、クリシュナムルティ、ルドルフ・シュタ>イナー、アリス・ベイリーといった「第四イニシエーショ>ン」レベル以上の霊的巨人を輩出しています。

クリシュナムルティは4、アリス・ベイリーは3、シュタイナーは2.4 段階のイニシエートです。 出展 「マイトレーヤの使命第2巻 ベンジャミン・クレーム著」

投稿: ねこだんな | 2010年7月 8日 (木) 10時22分

ねこだんな様
 ご指摘大変ありがとうございました。例に出しましたご3人のうち、「第4イニシエート」はクリシュナムルティだけでしたか。早速本文の当該部分を修正させていただきます。
 「第4イニシエーション」はイエスの磔刑に見られるような「放棄のイニシエーション」。その時点では、シュタイナークラスでもまだ到達していなかったのですね。大変参考になりました。

投稿: 時遊人 | 2010年7月 8日 (木) 13時22分

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