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メディアが煽る「日米同盟の危機」は本当か?

 「普天間問題」で、自民党時代の旧思考を今も引きずる“周回遅れ”の大メディア

 悪徳旧勢力そのものである新聞・テレビは、二言目には「米国は現行案を望んでいる」と言い張り、鳩山政権の移設案を悉く潰しにかかっています。また「5月決着」を強調し、これが守られないと「日米同盟を揺るがす」と、それを明言してきた鳩山政権の責任追及に躍起になっています。
 果たして新聞・テレビが煽っているほど、日米関係は危機的状況に陥っているのでしょうか?大メディアに振り回されることなく、ここは冷静に見てみることが必要です。実際大メディアが決して伝えようとしない「米国の本音」を探ってみますと、米国は大メディアが煽るほど強硬姿勢ではないことが見えてくるのです。

 例えば「5月末決着」については、国務省のクローリー次官補は4日、「複雑で難しい問題。良い結論にたどり着けるまで作業を続ける」と言っています。また国防総省のモレル報道官は6日、「基地を抱える地域への影響を最小限にするよう、日本と緊密に連携している」と言っています。いずれも柔軟な姿勢で、特段タイムリミットなどは設けていないのです。
 さらに4月に開かれた日米の実務者協議でも米側は、航空部隊の訓練を徳之島や全国の自衛隊基地へ移設する姿勢を示しています。ここにきて「沖縄の負担軽減」を強調する鳩山政権や日本の国民感情に配慮を見せ始めているのです。

 そんな米国の姿勢の変化について、軍事評論家の前田哲男氏は、「今一番悩んでいるのは日本ではなく、むしろ米国でしょう。4月25日の沖縄の県民大会に9万人も集まったことは、米国を相当驚かせた。米国は“反植民地”“草の根民主主義”の伝統のある国です。“民意”に重きを置きます。沖縄の民意が痛いほど伝わり、普天間を日本国内のどこに持っていこうとしても困難であることがよく分かっているのです。うがった見方をすれば、鳩山首相はモタモタしているように見せかけて、実はワシントンに『日本には引き受けるところがない』というメッセージを出そうとしているんじゃないでしょうか」と語っています。
 基地問題では迷走ばかりがクロースアップされ、最近はすっかりピエロ的に報道されてれている鳩山首相です。しかしもし前田氏の後段の話が的を射たものなら、鳩山首相はかなり高度な外交を展開していることになります。いずれその真相については、今後の日米交渉の中で明らかになってくることでしょう。
 
 ところで前田氏の見解を裏づける話を、米国の外交政策に影響力のある超党派組織「米外交問題評議会(CFR)」のシーラ・スミス上級研究員が書いています。同氏は「日米共同で県外移設の協議を本格化すべき」とする論文の中で、県民大会に9万人が参加し、地元の民意が明確に示されたことの重要性を強調しています。
 同研究員は、大統領選でオバマの対日外交政策顧問のメンバーを勤めました。そんな人物が「沖縄の民意」を重要視しているのです。

 一概に「日米同盟」とは言っても、日米双方に政治的、軍事的、世界戦略的思惑が複雑に交錯しています。と共に、米国側は過去長い間同盟関係や日本各地の米軍基地により、莫大な経済的利益を得てきたことも事実です。ですから日米同盟に亀裂を生じさせたくないのは、米国だって同じなのです。
 思えば鳩山政権が提起している基地問題は、日米同盟を従来の隷属的なものから、対等なものに変えていく第一歩といえます。新聞・テレビのように大局観を見据えず、「自民党政権時代の約束を反故(ほご)にしたら米国が怒る」といった旧体制思考では、読者や視聴者をミスリードするだけと言わなければなりません。

 (大場光太郎・記)

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