« シダリイズ | トップページ | 名古屋場所開催で良かったのか? »

因果は巡る?世紀の大誤審

 -44年前は逆の判定。イングランドには気の毒ながら、今大会最高の試合だった !-

 今回のW杯の各試合、私はそんなに見ているわけではありません。しかし毎大会そうだったと思いますが、1次リーグが終わってベスト16が出揃う決勝トーナメントの各試合はなるべく見るようにしてきたように記憶しています。
 決勝トーナメントの各試合は、とにかく勝てば次のステージに進出でき、負ければその時点でW杯大会から去り帰国することになるわけです。それだけに予選リーグとは比べものにならないくらい、各国チームの真剣度が違い緊迫した好ゲームが見られます。

 そんな中「今大会最高の試合では?」と思われる好カードが早くも行われました。ドイツ対イングランドの試合です。試合開始直後から両チーム互いに譲らぬ息詰まる攻防戦を展開。その均衡を打ち破ったのはドイツでした。前半20分、ベテランFWクローゼが膝を折ってスライディングしながら相手ゴールに押し込んだのです。
 ドイツはこれで勢いに乗り、32分にはポドルスキがゴールを決めました。前半だけで2得点。ドイツはこれで試合の主導権を握り、逆にイングランドは一気に意気消沈かと思われました。

 しかしドイツが“ゲルマン魂”なら、イングランドは“アングロサクソン魂”というもの。それに第二次世界大戦という本当の戦争でも、ヒットラーvsチャーチルが国の命運を賭けて死闘を演じあった「因縁の両国」です。
 W杯で両国はこれまで4度対戦しているそうですが、いずれも90分では決着がつかず、延長戦さらにはPK戦でようやく勝負が決まったとのこと。とにかく「因縁の対決」なのです。
 2点リードされてからイングランドは、アーサー王の円卓の騎士よろしく猛然と反撃を開始し、前半37分にはアプソンのゴールで1点を返しました。下馬評どおり試合は一段と白熱の度を増していきました。

 「2-0の試合はリードしていても油断できない」という定説どおり、イングランドは1得点で息を吹き返し、直後の38分。MFランパートが放ったミドルシュートはバーを直撃、明らかにゴールラインを割って同点に追いついたかに思われました。
 ところがところが。跳ね返ったボールをドイツのGKが何食わぬ顔でキャッチし、ゴールと認められず試合は続行。
 しかしテレビ中継でも繰り返しこのシーンが流されましたが、ボールはバーの上に当たってゴール内20cmくらいの所に確かに落ちています。これは文句なし、イングランドの2点目のゴールだったのです。

 この映像は場内の大型スクリーンにも映し出され、当然のことながらイングランドサポーターから大ブーイングの嵐が巻き起こったようです。怒りが収まらないFWルーニーは、前半終了後審判団に猛抗議するも、判定は覆らず。これで勢いをそがれたイングランドは、後半さらに2点を奪われ1-4と大敗し、珍しく90分決着で今大会姿を消すことになったのです。
 このW杯史上長く残るであろう「世紀の大誤審」をやらかしたのは、ウルグアイ人のラリオンダ審判。ここで一々紹介はしませんが、同審判は過去に何度も誤審歴があり“誤審のデパート”的なところがあるようです。

 しかし誤審は何もこの試合だけではありません。直後に行われたアルゼンチン対メキシコ戦でも、同じような誤審があったのです。アルゼンチンFWテベスの先制ゴールがそれで、これは明らかなオフサイドだったにも関らず審判が見逃したのです。これには直後メキシコの選手たちが副審に詰め寄り猛抗議するもこれも覆らず。その他挙げればきりがないほど、今大会は誤審が多いのです。

 実はFIFA(国際サッカー連盟)は、今年3月にビデオ判定を含む「ハイテク技術の採用」を検討しながら、導入を見送った経緯があるといいます。FIFAを「世界一の金権体質」に変えたと噂される“強欲”ブラッター会長は、「莫大な費用がかかる」「サッカー本来のスピーディさが失われる」ともっともな理由をつけています。しかしこれによって、今大会多くの誤審が生まれたことも事実です。
 「もし誤審なかりせば」、局面は敗れ去ったイングランド、メキシコに大きく傾いていたかもしれないことを思うと、とこかく今後このような大誤審が起こらぬよう厳格な審判を求めたいものです。

 ところで「歴史は繰り返す」。因縁のイングランド対ドイツ戦(当時は西ドイツ)で、44年前逆のケースがあったというのです。1966年のイングランド大会は両国による決勝戦。2-2で迎えた延長前半、イングランドのハーストが放ったシュートは今回と同様の軌道を描いたものの、その時は線審の判定により得点が認められ、結局開催国イングランドが優勝したのです。今回そのシーンも流されましたが、ボールはライン上に落ちていて、これは得点にはなっていません。これも世紀の大誤審だったのです。
 今回は逆判定。まさに「因果は巡る」を地でいくような結果となりました。

 両国の対戦は今回で終結するようなものではありません。また新たな因縁を生んで、互いの「戦うスピリット」は次世代の選手たちにしっかり受け継がれ、これからもドイツ対イングランド戦はW杯屈指の好カードであり続けることでしょう。

 最後に余談ながら。この試合でも時折り観客席の両国サポーターたちの姿が映し出されました。何より目を奪われたのは、両国の女性サポーターに“美人”が多かったことです。「どっちの国がより美人?」。これは、どちらとも判定しがたいものがありました。

 (大場光太郎・記)

|

« シダリイズ | トップページ | 名古屋場所開催で良かったのか? »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« シダリイズ | トップページ | 名古屋場所開催で良かったのか? »