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第1検審「不起訴不当」議決

 -「起訴相当」or「不起訴不当」で、いちいちマスコミが大騒ぎ。しょせん一般市民にすぎない素人審査員たちが出した議決に、何か意味があるのか?-

 民主党の参院選敗北の悪夢覚めやらぬ中、小沢一郎前幹事長の資金管理団体「陸山会」を巡る事件で新たな動きがありました。

 同事件を巡っては、4月に「起訴相当」の議決を出した東京第5検察審査会が大きくクローズアップされていましたが、今度こわかに「新手の」第1検察審査会が登場し、07年分の政治資金収支報告書の虚偽記載容疑について「不起訴不当」の議決を出したのです。
 同議決は8日付で、第1検察審査会は、「『秘書に任せていた』との小沢氏の弁解は不自然。不問にすれば司法手続きに対する信頼を損なう」と指摘し、不起訴不当とした上で東京地検特捜部に小沢氏の再聴取などを求めたものです。

 東京地検→検察審査会への流れとしてはー。2月4日の東京地検特捜部の1回目の「嫌疑不十分で不起訴」処分を不服として、活動実態や代表者・事務所所在地など一切不明の右翼系の「偽装市民団体」である『真実を求める会』が、検察審査会(以下「検審」と略称)に「不起訴」不服申立てを行ったわけです。
 この正体不明の市民団体の告発や不服申立てに対して、東京地検や検審は、他の案件については“棚上げ”“棚ざらし”がいっぱいある中で、超スピードの最優先で捜査、審査を行わなければならない特殊事情、裏事情があったらしいのです。
 
 それはともかく。その際陸山会の資金の流れのうち04年、05年の収支報告書虚偽記載分については東京第5検審で、そして07年の虚偽記載分については東京第1検審でと、それぞれ分けて審査することになったもののようです。

 一般国民にとっては降ってわいたような、今回の第1検審の「不起訴不当」です。ただし不起訴不当の場合は第2段階の審査はなく、これにて07年分の審査は終了したことになります。特捜部は今回の議決を受けて、小沢氏に4回目の聴取を要請することも含めて(07年分について)再捜査を検討しますが、新証拠を得られる可能性は極めて低く、再び不起訴となる見通しです。
 
 第1検審の議決が「起訴相当」でなかったことに、小沢氏側からは安堵の声が漏れているようです。もっか“雲隠れ中”の小沢氏に代わって、小沢氏に近い高嶋良充参院幹事長は、国会内で記者団に「小沢前幹事長は、一つの問題をクリアーされたものと思う」と語り、小沢氏が抱える懸案が軽減したとの認識を示しました。
 また小沢グループに属する衆院議員の一人も、「(不起訴不当議決は)小沢氏に風が吹いている」と歓迎の意向を示しています。

 しかし既にご承知のように、問題は4月に「起訴相当」を出した第5検審の「2度目の議決」がどうなるかです。もし次回も「起訴相当」なら、小沢氏は「強制起訴」となり、政界に大激震が走ります。
 政治的事件の捜査にかけては、我が国に並ぶものなきプロ集団の東京地検特捜部が、捜査の限りを尽くして「不起訴」としたものを、市民からクジで選ばれた法律の素人の11人の審査員が「起訴相当」議決を出す。それが検察による処分以上の法的価値を置かれ、一人の政治家の政治生命や一国の政治状況すらも一変させかねない。
 こんな検審制度は、根本的におかしいはずです。

 しかし小沢一郎の政治生命の抹殺を執拗に画策している新聞・テレビは、仮に第5検審が2度目の「起訴相当」議決でも出そうものなら、検審の問題点などそっちのけで、それこそ蜂の巣を突っついたような大騒ぎ報道を繰り広げることでしょう。今度は「小沢議員辞職」一大キャンペーンを展開するのは明らかです。
 
 もし第5検審の議決が今月末なら、再度「起訴相当」→「強制起訴」の可能性が高いとみられていました。しかし15日にわかに、同議決は、民主党代表選が行われる9月以降に先送りされる公算が高まったようです。少なくとも今月中に結論を出すことはなさそうです。
 今月中の再議決がないとなると、4月に「全員一致」で起訴相当議決を出した当時の11人の審査員全員がいなくなります。8月1日からは当時とはまったく違う審査員によって、新たに審査し直すことになるのです。それに「全員一致議決」に誘導した、当時の審査補助員でいわくつきの“ヤメ検弁護士”米澤敏雄も、世間やネット上で大騒ぎとなったことから、次回は担当しないそうです。
 以上のことから、前回よりは公平な審査が期待できそうなのです。

 今は雲隠れ状態の小沢一郎ですが、9月の代表選には小沢氏本人が打って出る可能性もありそうです。それを何としても阻止したいテレビマスコミは、「もし起訴相当になれば…」と強調し、新審査員を暗に起訴相当議決をするよう誘導しています。また「直後に起訴されるかもしれない代表候補者を、民主党員は果たして支持するのでしょうか?」というような煙幕も張っています。
 
 大マスコミは本当に性質(たち)の悪い「悪徳旧勢力」です。こんな大マスコミ、霞ヶ関官僚たちの利権構造を根こそぎひっくり返し、「日本をもう一度洗濯致し候(そうろう)」ためにも、ネットでは「小沢首相待望論」が根強いのです。

 (大場光太郎・記)

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コメント

北村弁護士の熱い演説

マスコミの人間は、いかに麻生太郎が力があっても、説得力があっても、 一切報道しないよう、しないように、しないようにしてるよ。
これは本当のことだ。
マスコミを信用してはいかん!
マスコミに出てくる弁護士が優秀だと思ったら大間違いだ。中には優秀な奴もおるけど。

http://www.youtube.com/watch?v=XJsC28KxpwY

投稿: らくや | 2010年7月16日 (金) 06時28分

 北村演説、興味深く聞かせていただきました。今回の本記事とどうつながるのか、今ひとつ分かりかねるところはありすが。

投稿: 時遊人 | 2010年7月16日 (金) 12時51分

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