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占いタコ、ドイツ敗退を的中 !

 - 今世界中で評判の占いタコ「パウル」。ドイツ敗退も大当たりで的中率100% ! -

 しかしこんなことがあるものでしょうか?というのも、W杯準決勝戦のスペイン対ドイツ戦、占いタコ「パウル」がドイツの敗退を予想し、これが0-1で本当の話になってしまったのです。

 今や世界的に“引っ張りダコ”になった感のある、占いタコの「パウル君」(果たしてタコに性別があるのかどうか定かではありませんが、一応仮称)は、ドイツ西部のオーバーハウゼンの水族館「シー・ライフ」で飼育されている大タコです。このタコのパウル君、今W杯のドイツの予選からの試合結果を占わせたところ、100%的中させたのです。
 テレビなどでその映像が流されましたからご存知の方も多いこととは思いますが、占いの方法はいたってシンプルなのです。まず国旗を張ったエサ入りのプラスチック製の水槽を2つ並べておきます。そこにパウル君が入ってエサを食べた方の国を勝利とするという占いの方法です。

 問題のスペイン対ドイツ戦に当たっても、その映像が事前に世界中に流されました。くだんのパウル君、最初は『日頃からお世話になっている国でもあるし。ドイツの水槽に入ろうかな?』と迷っているようすでした。しかしそちらには入らず、意を決したようにスペインの水槽の方にスッポリ入り込んでしまったのです。
 その時点で、同試合は「スペインの勝ち」「ドイツの負け」との判定が下されたわけなのです。

 私はつい先日の『W杯準々決勝戦』記事で、ドイツ対アルゼンチン戦を取り上げ、ブラジルが敗退した以上今後はドイツを応援すること、同試合でドイツがいかに強い戦いをしたかなどを述べました。
 直後にパウル君が、次戦となるスペイン戦で「ドイツ敗退」を予想していることを知り、末尾の【速報】の中でそのことにも触れました。

 あんな強いドイツが、パラグアイ相手に1-0辛勝、いまだもたつき気味のスペインに負けるわけがないだろう、とは思いつつも。同時に、いやひょっとしてこのタコの予想通りドイツは負けて準決勝で姿を消すことがあるかもしれんぞ、とも思いました。
 ただしその場合ワンサイドで負けるのではなく、パウル君が一旦はドイツ水槽に入りかけたように、相当もつれた末のスペインの辛勝なのでは?とも。

 さて肝心のスペイン対ドイツ戦。展開はまさにそのとおりになりました。スペイン戦でのドイツは、前の2試合とは明らかに動きが違っていました。イングランド、アルゼンチン戦の時のように、相手の動きを封じ込め自軍のペースに持ち込む、キレとスピードのある動きがまるで見られなかったのです。
 これぞ「パウルの呪い?」。まさかクローゼやエジルらドイツ代表がパウル君の予想を知って、ガックリ気落ちし一気にモチベーションが下がっていた、ということでもないでしょうが。

 スペインはドイツを相当研究していたフシがうかがえます。むしろ序盤からスペインの方が、それまでのドイツのお株を奪う戦い方を仕掛けてきました。素早いパス回し、そしてチャンスと見るや果敢にドイツゴールに襲い掛かる迫力。それまでとは別のチームのような変わりようでした。
 前半ドイツはスペインの猛攻を何とかしのぎ0-0に。前の2試合では、前半の早い時間帯で速攻の先取点を挙げたことからすると、予想外の展開といえました。

 後半はようやくドイツ本来のシャープな動きも見られだし、「ドイツの時間帯」が続き、『ひょっとしてドイツが先取点を取り、パウル予想も外れるんじゃないか?』と思われた矢先の、後半28分。スペインはコーナーキックのチャンスを得、DFプジョルに豪快なヘディングを決められ痛すぎる1点を与えてしまいました。
 この試合のドイツには、残り20分弱でそれをはね返し同点に追いつく力も残っていないようでした。結果1-0でスペインの勝利で試合終了となったのです。

 この試合より先に行われたもう一つの準決勝の試合オランダ対ウルグアイ戦は、1-0でオランダが勝利しました。
 フランス、イタリアはあろうことか予選で早々と姿を消す大番狂わせ。そしてイングランド、ブラジル、アルゼンチン、ドイツという優勝候補国も次々と姿を消し、今W杯決勝はオランダ対スペインという、少し意外な組み合わせとなりました。

 しかし考えてみれば、スペインもオランダも世界で名だたる強豪国です。スペインは自国リーグのバルセロナ、レアルマドリードは世界NO.1を争うクラブチームです。それにスペインは08年同じくドイツを破ってヨーロッパチャンピオンにもなっています。今大会5得点のビジャ、シャビ・アロンソ、ドイツ戦で得点をたたき出したプジョルなど良い選手がそろっています。
 一方のオランダもスナイダー、ロッペンなどを中心に順調に決勝戦まで勝ち上がってきた、攻守にバランスの取れたチームです。それにオランダは08年9月から25戦無敗を誇っているそうです。この強さはただものではありません。

 オランダはこれが3回目の決勝進出、しかしまだ優勝はありません。一方のスペインは意外なことにこれが初めての決勝進出。どちらが勝つにせよ、初のW杯優勝となります。またこれも意外ですが、ヨーロッパ勢はヨーロッパ以外の開催では一度も優勝した国がなかったそうで、今回はこのジンクスも破られるわけです。

 オランダ対スペイン。決勝戦のキックオフは、日本時間の12日午前3時30分。
 さて勝つのはどっちか?これだけは何とも分かりません。いっそのこと、例のパウル君に最後の占いをしていただきましょうか?

 【追記】
 本文でも紹介しましたとおり、今や世界的に知られる占いタコ・パウル君ですが、少し困ったことも持ち上がっているようです。対ドイツ戦で敗退を予想されたアルゼンチンは、血の気の多いラテン系のお国柄。アルゼンチンサポーターの間から、「あんなタコは殺しちまえ !」という、物騒な発言が飛び出しているというのです。
 また勝ちを予想されたスペインも、フラミンゴなどでお分かりのように情熱の国。そのスペインサポーターの中には、「変な予想をすると“ゆでだこ”にして食っちまうぞ !」などと騒いでいる者もいるそうです。
 これにはパウル君、『おヽ恐っ !』と首をすくめたかどうか。オランダ対スペインの決勝戦は、「スペイン勝利」とのご託宣だったようです。

 (大場光太郎・記) 

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