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えっ?「3年後ダブル選」 !?

 -3年後も菅政権?新米の大宰相は「伝家の鈍刀(なまくら)」を抜いちゃった !-

 菅総理が23日、当選1回議員との“面談”を開始しました。同日午前と午後合せて約40人の新人議員を衆院議員会館の自室に招き、代表選での再選支援を訴えたのです。
 これは先日衆参1年生議員140余名に出した、「十分お話しする機会が持てなかったと反省しております。一緒にやっていきましょう」という、菅直人直々の“ラブレター”を受けて行われたものです。

 新人議員は全民主党議員の約4割を占めるそうです。党内基盤の弱い菅支持派としては、小沢系が多いといわれる新人たちの切り崩し作戦に出たわけです。小沢氏が開催する『小沢一郎政治塾』と重複する日程で新人議員との意見交換会をセットするなど、肝心の政権運営では「成果マイナス」なのに、こと権力維持、権力闘争となるとやることが姑息です。

 こうして行われた新人議員との意見交換会で菅総理は、衆院解散の時期について、「3年後に(参議院との)ダブル選挙でやればいい」と、仰天発言をしました。
 さすがは菅大宰相。就任以来2ヶ月半の見るも無残な「政治停滞」「政権後退」など何のその。9・14代表選再選などはとうの昔に織り込み済み、その上少なくとも今後3年間は「自分の内閣が続く」ことを内外に宣言したわけです。「一寸先は闇」が常識の政界にあって、菅直人こそは稀に見る不世出の大政治家、否恐るべき透徹した千里眼の持ち主と言うべきです。

 と言うのはもちろん冗談で、菅直人にそんな仏眼(ぶつがん)、法眼(ほうがん)があるわけではなく、すべては現政権のスーパーブレーン(?)である、仙谷官房長官、岡田外相、前原国交相、枝野幹事長らの差し金によるもののようです。
 なるほど新人議員は「解散、総選挙」を大変恐れています。仮に小沢首相が誕生した場合、国民の低支持からスタートしなければならない、そのため小沢政権はほどなく解散総選挙に打って出て国民の信を問うことになるぞ、それでもいいのか。それに引き換え菅再選を支持してくれさえすれば、御身らの身分は3年間保証する。さあ、どうする、どうする。と「空手形」の踏み絵を迫っている格好です。
 さすが暗いクーデター首謀者らが一同に会して出した策だけあって、陰険、卑怯、狡猾な新人議員たちへのブラフです。

 一見新人議員取り込みには有効策にも思われる「3年後ダブル選」。実は参院選中の消費税発言に続いて、またまた「大バカ発言」で、菅政権には「致命傷」になるという見方があります。以下、8月25日付「日刊ゲンダイ」3面記事に沿って、その辺のところを探っていきたいと思います。

 まず「この“政治カン”のなさは致命的」として、政治アナリストの伊藤惇夫氏は、次のように述べています。
 「総理大臣が3年後の衆参ダブル選に言及するなんて、とんでもない話。しばらく選挙はないと安心させることで、地盤が不安定な新人議員の支持を取り付ける狙いでしょうが、あまりにも姑息なやり方です。自らの政治哲学やビジョンを語って支持を訴えるのなら分かります。しかし、菅総理には“これをやりたい”という理念もない。目先の代表選のことしか考えていないから、こういう軽率なことを言ってしまう。一国のリーダーの器として、どうかと思います。解散権は、総理大臣にとって唯一最大の武器。それなのに、3年先の解散を明言するなんて、自らの解散権を封じてしまったも同然です」

 言われてみれば。解散権は、首相の専権事項とされる「伝家の宝刀」です。これがあるからこそ、求心力を維持することができると言えます。いつ抜くか分からないから怖いのであって、解散日時を口にした途端、リーダーシップは急速に失われるのは常識です。
 ところが菅総理は、この伝家の宝刀をちらつかせる前に、サヤから抜いて「実は見かけ倒しの模造刀でした」と明かしてしまったようなものです。

 第一、3年間は解散がないなんて、これを聞いた新人議員をはじめ誰も思ってはいないことでしょう。
 自民党をはじめとする野党は、代表選で菅が再選を果たせば、あらゆる手段を使って菅降ろしに動くとみられています。秋の臨時国会では「衆参ダブル」発言について追及すると息巻いているそうです。そこで消費税増税の時のような「ブレ菅」ぶりを発揮するようだと、さらに攻め立てることになります。対して解散権を封じた菅総理には、野党との駆け引きカードは何もないわけです。

 「ねじれ国会」での参院での問責決議案。野党の審議拒否。予算審議が進まず、国会空転。円高株安にさらに拍車がかかり、景気は深刻化。その頃には、菅の頼みの綱の“マスコミ世論”もさすがにそっぽを向くことでしょう。
 こうして、自ら解散権を放棄した菅直人が仮に再選されれば、皮肉にもかえって年内解散の可能性が濃厚になってくるというのです。

 (大場光太郎・記)

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